11月の心理学コラム:メタボのくまモン(担当:木野和代)

2016/11/12 >> 役に立つ!!心理学コラム

「くまモンは昔やせていたけど,熊本のおいしいものをいっぱい食べて,メタボになったんですよ」とアトレ川崎であった熊本フェアでの紹介に会場が沸いたとのこと(10月21日の朝日新聞)。ユーモアあふれる紹介だと感心。

新聞記事の写真には初代くまモンの姿も。確かに背が高くてやせている。そのせいか、怖がられたりして不評だったとのこと。その後,ミッキーマウスなどの成功例を研究して,今に至ったという。

現在は,全体に丸みを帯びて,4頭身から3頭身サイズへ。メタボになって,愛嬌のあるかわいい姿となった。

正高信男著「0歳児が言葉を獲得するとき」の中では,赤ちゃんは大人に「かわいい」という感情をかき立てる形質(=幼児図式)を備えていて,これが大人から子育て行動を引き出す原動力になっているという動物行動学者のローレンツの主張が紹介されている。そして,著者は,かわいいと感じるプロポーションの最適値は,約3.1頭身ではないかとしている。実際,昔朝日新聞で連載されていた4コマ漫画の「フジ三太郎」,花とゆめコミックスで連載されていた「パタリロ」。いずれの主人公も長きにわたる連載期間中に形態が変化し,晩年に至って約3.1頭身に収斂しているというのだ。

この他,かわいいと感じさせる特徴には,目鼻口などの顔のパーツの大きさや位置のバランスなどもあげられている。仕草や行動などもかわいいと感じさせる要素だろう。近年かわいいの心理学的研究も広がりを見せている。皆さんも周りにあるかわいいものに共通の特徴を探してみるとおもしろいかもしれない。

我が家のクマたちから

Comments are closed.