Archive for 6月, 2024
6月の心理行動科学科
2024/6/30 >> 今月の心理行動科学科
今年も梅雨入りの季節を迎えました。
6月23日オープンキャンパスが行われ、たくさんの方にお越しいただきました。
心理行動科学科は、木野先生と森先生による学科紹介や、総合型選抜・学校推薦型選抜対策講座、浅野先生による模擬授業「今、なぜ犯罪心理学が必要なのか」、在学生による実践研究報告「印象を形成する心に迫る」などの企画を用意しました。
次回オープンキャンパスは7月21日(日)に開催します。
6月24日には心理行動科学会総会が開催され、2024年度の委員が承認されました。
委員の皆さん、一年間よろしくお願いします!
6月のリレーエッセイ(木野ゼミ2年・菊地羽音)
2024/6/17 >> 在学生によるリレーエッセイ
こんにちは!木野ゼミ2 年の菊地羽音です。前期の授業も折り返し地点になり、日々、流れる時間がとても早く感じています。
2年生になるとより専門的な知識を蓄えるために心理学実験実習やセミナーが本格的に始まり、レポートや発表資料の作成にみんなで協力し合いながら必死に取り組んでいます。
そして、私は副専攻(外国語プログラム)の取得を目指しているので、「実践フランス語」も履修しています。1年次のフランス語の授業よりさらに難易度が上がり、行き詰まりかけていますが、友だちと「うちらならできる!」などと常に声を掛け合いながら、フランス語という高い壁を乗り越えようと頑張っています。
大学生活で学業、アルバイト、友人関係などの沢山の場面で両立をしなければ!と常に考えてしまってキャパオーバーになりかけている人も少なくないと思います。そういった時、私は空を見上げるようにしています。空を見ると、雲一つない透き通った空、今にも雨が降ってきそうな重い雲がある空、夕日、月が輝く夜空などのように、空はいろんな表情を見せてくれます。このような空を見ていると「自分を偽ることをせず、自分のペースで自分らしくやっていこう」と思え、心にほんの少し余裕ができます。行き詰まった時、スマートフォンやパソコン、地面ばっかり見るのではなく、友だちの顔を見たり、空を見上げたりして心の休憩をとってほしいなと思います。
6月の心理学コラム: 潜在化しやすい犯罪被害とは(担当:浅野晴哉)
2024/6/7 >> 役に立つ!!心理学コラム
宮城学院女子大学心理行動科学科の教員になり、1年が過ぎました。ゴールデンウイークが終わり、皆様方も本格的に学業や仕事に打ち込んでいるのではないでしょうか。一方、ペースが上がらないなど何となく疲れを感じている方は、1年前のコラムにおいて五月病について触れましたので御参照いただければ幸いです。
さて、今回は私の専門である犯罪被害者等支援に関して取り上げます。去る5月23日に宮城県庁講堂で「令和6年度宮城県犯罪被害者等支援連絡協議会総会」が開催されました。本総会は全面的に改正された「宮城県犯罪被害者等支援条例」(以下「改正条例」という。)施行後、初となる会議でした。また、僭越ながら「犯罪被害者等の心理と支援~潜在化しやすい犯罪被害の検討~」と題し、私が講演させていただきました。
その理由は、改正条例第21条に「被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する支援」が掲げられているためです。被害が潜在化しやすい犯罪被害者等とは「子ども、障がい者、高齢者、性犯罪・性暴力被害者、配偶者からの暴力による被害者等」とあります。なぜ潜在化しやすいのでしょうか。例えば、第1に示された「子ども」の性犯罪被害は、監護者、教師、支援者及び塾講師など本来子どもを性犯罪から守り、かつ、性犯罪を受けたときに子どもが支援を求める信頼すべき大人が加害者になるためです。子どもは、本来支援を受けるべき大人からの被害であるからこそ、訴える力を失います。加害者はこれらの関係性に乗じて長期かつ反復した性暴力を繰り返し「被害が潜在化」します。その子どもは長期反復性の被害により、心のみならず身体にも甚大な影響を受けるのです。
これを防ぐには、このような犯罪被害を受けている人が多いという現実を、私たち一人一人が知ることです。つまり、現実を知り、これらの問題を「見逃すことができない」という認識が芽生え、潜在化した犯罪被害者等への支援体制構築につながるのです。
どうか、このコラムが皆様にとって、犯罪被害を潜在化させないという気運を醸成するための第一歩になることを祈念いたします。
それでは、またこのコラムでお会いできることを楽しみにしております。