Archive for 5月, 2011

5月のリレーエッセイ(心理行動科学会学生委員・夏堀百合奈さん)

2011/5/20 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは、5月のエッセイを担当する心理行動科学会副委員長の夏堀百合奈です!

3月11日の東日本大震災から2カ月経ちました。
震災の影響でGW明けからの始業となりましたが、大学が始まってやっと日常の調子が戻ってきたような感じがしています。

宮城学院の学生のほとんどがそれぞれ被災経験をされたと思いますが、実際に私も電気が復旧するまで4日間避難所のお世話になっていました。その後、実家の青森に戻りましたが、11日から今日に至るまで、今までに経験したことのないことを経験したと思っています。
不運にも1000年に一度の大震災に遭遇してしまった私たちですが、その1000年に一度の経験を後世に生かすために、私個人には何ができるのかを考えさせられずにはいられません。

今年は卒業研究も控え、私の大学生活は残すはあと1年となりました。
私の今年の勉強の目標は「学ぶ」から「考える」にシフトすることです。ひとつひとつの経験を大切に、たくさんのことを考えていきたいです。

あと、今年はそんな訳もあり心理行動科学会恒例の新入生歓迎会ができなかったので、今からでも何らかの形でやれたらいいなあと思っています!

1年生から4年生まで皆で心理行動科学科を盛り上げていきましょう!!

5月の心理学コラム(担当:大橋智樹)

2011/5/10 >> 役に立つ!!心理学コラム

大震災を経験して

あの日、私は福島県の浜通りにいました。原子力発電所の保修作業をおこなう会社の安全大会で講演をするためです。14:20に常磐線富岡駅で降り、迎えの車で会場に移動して控室に入ったところでした。講演は14:50から開始する予定でした。
そろそろ講演会場に移動しようかと思った時、震度6強の揺れが襲ってきました。長くて、激しくて、そしてひたすら長い、そんな揺れでした。富岡駅は私が降りた1時間後に津波にのまれ、次の列車は少し手前の駅でぐにゃりと折れ曲がりました。まさに九死に一生を得る、そういうタイミングでの被災でした。

その後、今日までずっと、いろんな事を考えさせられてきました。中でも、研究者として築き上げてきた考え方や生き方を、根こそぎさらわれたかのような喪失感との戦いはなかなか壮絶でした。もちろん、3ヶ月が経とうとしている今でも、それらを取り戻すには至っていません。まだまだ戦いは続きそうです。
しかし、研究者にとって最も大切なことは、物事をどれだけ多面的にとらえられるか、だ。私はそう考えていますから、つちかったものを失うつらさよりも、これを機に新たに何かが自分の中に芽生えることに期待しています。

東北の地が、いつの日にか、新たな芽吹きとともに震災からの復興を遂げますことを。大学も、学科も、そして私たち教員も、被災地域の一員としての責務を果たしていきます。

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