4月のリレーエッセイ (浅野ゼミ4年・舟越愛白さん)
2025/4/22 >> 在学生によるリレーエッセイ
浅野ゼミ4年の舟越愛白です。
私が大学生活の中で特に力を入れて取り組んでいるのが、犯罪心理学ゼミでの研究です。卒論のテーマは「傘の紛失」です。
大学構内は治安が良く、安心して過ごせる場所ですが、それでも「傘がなくなった」という声を時々耳にします。置き忘れや勘違いもあるかもしれませんが、中には盗難と思われるケースもあるのでは?という疑問から、私たちの研究はスタートしました。
環境犯罪学の文献を読み、犯罪が起きやすい場所や状況について理解を深める中で、傘の“種類”や“置かれている場所”、“目印の有無”など、紛失や盗難に影響する要素を見つけ出すための調査を行いました。学生課への聞き取りやアンケート調査を通して、データを集め、分析を重ねています。
さらに今後は、学内の異なる場所に傘を設置し、「目印がある場合とない場合で紛失率に差が出るのか?」という点を実験で検証する予定です。こうした取り組みを通して、私たちの身近な環境がもっと安心・安全になるヒントを探していきたいと思っています。
大学での学びは、教科書や授業だけでなく、こうした実践的な活動を通して広がっていくのだと日々実感しています。残りの学生生活でも、自分の興味や関心を大切にしながら、さまざまなことにチャレンジしていきたいです。
4月の心理学コラム:遊びを学びに!(担当:宮下達哉)
2025/4/15 >> 役に立つ!!心理学コラム
はじめまして。2025年4月1日より着任した宮下 達哉(みやした たつや)と申します。初登場です。担当は感性心理学です。今回のコラムでは簡単な自己紹介として,私の研究のきっかけをお話ししようと思います。
私が大学生のころ,お友達と一緒に美術館に行ったときのことです。そこである絵画を観ていた時に,私は「この絵,きれいで好きだなあ」と思ったのですが,一方の友達は「これ,あんまり良くないよ。そんなにきれいでもないし」と評価がまったく違うものでした。そのとき,なんで同じ絵画を鑑賞しているのに,こうも評価が真っ二つに分かれるのだろう?と思いました。こうした評価の違いを,何か心理学的に検討することはできないだろうか,と思ったことが私の研究のきっかけでした。
上記の美術館に行って絵を見たということは,遊びでした(正確には,卒論で煮詰まって息抜きで行った遊びです笑)。タイトルにも書かせて頂きましたが,遊びに行ったときの経験やふとした疑問を,心理学的に検討したらどうなるかという視点は重要だと思っています。思いがけないところに,心理学的な観点から検討できることがあったりします。例えば,「メイクに対する印象」とか,買い物に行って「○○商品のパッケージがカワイイと思った」とか。言い換えれば,心理行動科学科がモットーにしている「心理学は机の上だけで学べない!!」ですね。
日常のいろんなところにある感性心理学を学ぶための種を,学生の皆さんと一緒に考えたり,研究を行っていけたらなと思います。どうぞよろしくお願いします!

第20回日本感性工学会春季大会(2025.03.05)で ポスター発表をしたときの写真です
3月の心理行動科学科
2025/3/30 >> 今月の心理行動科学科
3月11日、東日本大震災から14年が経ちました。
何事も無く1日を過ごせたことに改めて感謝しました。
3月18日に学位記授与式の予行演習を行いました。4年生は久しぶりに登校しガウン・博士帽を受け取りました。
卒業前講座では、いよいよ社会人スタートを目前にし、社会人になる前に知っておきたいポイントを講師の方から学びました。「他のどこでも受けられない講座を卒業前のタイミングで受けられて有意義でした」「社会に出る不安が和らいだ」との声が多くとても好評でした。
3月19日は学位記授与式が行われました。今年度は卒業生総代を本学科の加藤さんが担当し、これまでの学生生活を振り返りながら感謝を述べました。その後のクラス懇談会では、クラス担任の木野先生から学位記を一人一人に手渡しました。
3月28日にオープンキャンパスが行われ、学科紹介や模擬授業を実施しました。多くの高校生のみなさんや保護者の方にご来場いただきました。
2月の心理行動科学科
2025/2/28 >> その他, 今月の心理行動科学科
まだまだ寒い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
大学は1月末で授業は終了しましたが、2月は補講、連講を実施しました。
2月3・4日にA日程一般入学試験が行われました。秋田、山形などの地方会場においても無事に実施されました。
2月8日に電力ビル1Fのグリーンプラザで第12回MG-Pスクエアを開催しました。1年生から4年生までの全ての在学生及び教員の中から希望者が自由に研究成果を展示発表しました。高校生や心理学を知らない方にとっても分かりやすいような、発表の工夫を行う姿が見られ「実践」を通しての学びとなりました。今年度は、過去最大の計63題もの研究発表が行われ、様々な心理学領域での発表を行いました。発表を聞きに100名以上の来場者の皆様にお越しいただきました。有難うございました!
2月21日に早期合格者の集いが行われました。参加したみなさんは上級生と一緒にグループワークを行い、交流を深めていました。
2月の心理コラム:ヒス構文 (担当:木野和代)
2025/2/14 >> 役に立つ!!心理学コラム
先月実施された大学入学共通テストの国語の問題で「ヒス構文」が登場した、とテスト終了後にSNSで話題になっていました。ヒス構文ということばは初めて聞きましたが、問題文の中の該当部分のやりとりを見る限りでは、「交流分析」における「ゲーム」にあたるのではないかと思いました。
「交流分析」は、精神科医エリック・バーンが創始した心理療法です。簡単で親しみやすいことから、精神分析の口語版ともいわれています。交流分析は、3つの欲求理論と4つの分析理論からなりますが、後者の一つが「ゲーム分析」です。「ゲーム」は簡単にいうと対人関係の中で繰り返される悪い癖のことで、会話を交わしているお互いの間に不快な感情が残るのが特徴の一つです。
代表的なゲームの例として「はい、でもゲーム」があります。これは、 相手に相談を持ちかけておきながら、相手からの提案に対し、「はい、でも」と言って反論を続けるパターンを繰り返すものです。そして、結局は、相手に無力感を抱かせることになります。このような会話を日常で見聞きした経験があるのではないでしょうか。では、ゲームに気がついたらどうしたらよいでしょうか? ゲームが行われているときは、「大人の自我状態」が働いてない状態にありますので、これを働かせることを意識したり、いつもの交流パターンを変えてみたりなどが考えられますが、詳しくは交流分析の理論について知っていただいてからがよさそうです。交流分析については、また機会があれば取り上げてみたいと思います。

毎年10月の大学祭における学科企画「ココロミル」で実施している性格診断では宮城学院式のエゴグラム(MEG)を体験していただいています。エゴグラムは交流分析の構造分析に使われるものです。