Archive for 12月, 2023

12月の心理行動科学科

2023/12/31 >> 今月の心理行動科学科

朝晩の冷えが厳しくなってきましたね。

12月9日に試験に受かるための心理学講座を行いました。

この講座では、異なる専門をもつ3人の心理学者が、認知心理学・感情心理学・社会心理学というそれぞれの専門の立場から、人生の中で何度も直面する「試験」にフォーカスを当ててお話をしました。

12月16日は総合型選抜Ⅱ期試験を実施しました。

12月27日で授業は終わりますが、4年生は卒論仕上げ作業で年末年始も忙しそうです。
卒論の締め切りは、1月9日です。

みなさん、よいお年をお迎えください。

試験に受かるための心理学講座の様子

12月のリレーエッセイ(友野ゼミ4年・佐藤永美香)

2023/12/27 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは!友野ゼミ4年の佐藤永美香です。

今年は、冬にしては暖かいなと思ったら急に寒くなったり、気温が安定しませんね。
インフルエンザが流行ってるみたいなので体調には気を付けてください!

特に私たち4年生は”卒論”の締切が迫ってきていて、風邪なんて引いてられないです…。
卒論制作のための実験が終わり、ほとんどの人がまとめに入っていると思いますがみんな苦戦してますね…早く終わりたい…。

4年生になり、学校へ来る回数が減っていましたがここ最近はたくさんの人が毎日学科図書室に集まっていて賑やかです。
私も生協でカップラーメンとお菓子を買い、食べながら卒論に取り組む日々ですが、そんな学生生活もあと数ヶ月で終わってしまうと思うと寂しい気持ちになります。
大学に入学して2年ほどは思い描いていた大学生生活とは程遠いものでしたが、そんな中でも楽しく4年間過ごしてきました。
20歳を超えてからほんとに年々時間が進んでいくのが早くて早くて…就職したくないのでこのまま時が止まればいいのにと最近ずっと考えてます笑

そんなこと言ってても卒論提出までとにかく頑張るしかないです!
みんな頑張って卒業しましょう!

2023年もありがとうございました。良いお年を!!

 

12月の心理学コラム:記憶に良い場所(担当:瀧澤 純)

2023/12/12 >> 役に立つ!!心理学コラム

年末年始はまさに、大テスト時代!

今の時期は、期末テスト、資格試験、小中学校・高校・大学の受験対策で頭を悩ませている人もいるでしょう。「どうすれば覚えられるか?」という疑問に対するひとつの答えは、「覚えるときの環境を、思い出すとき(テスト本番)となるべく同じにするとよい」です。

その根拠として、GoddenとBaddeleyが1975年に発表した研究を紹介します。彼らは、大学のダイビングクラブに所属する18人を対象に、記憶の実験を行いました。なぜダイビングかというと、陸上で学習して陸上で思い出す場合、陸上で学習して「水中」で思い出す場合、水中で学習して陸上で思い出す場合、水中で学習して水中で思い出す場合という、4つの場合を比較するためです。実験の結果は図のように、「学習する場所と思い出すときの場所が一致していると、一致していない場合に比べて、記憶の成績が高い」となりました。

図 実験で思い出された単語数の平均値(Godden & Baddeley, 1975)

この実験を拡大解釈すれば、部屋、机やイス、机に置くもの、周囲の景色、場所の明るさ、温度、音、いる人など、学習するその場にあるものをできるだけ本番と同じにするとよい、となります。

また、GoddenとBaddeleyが5年後に発表した研究から、手がかりがある状況で思い出すときには、このような効果がみられないことが示されています。ということは、学習するその場にあるものには、ヒントなしで思い出す場合の手がかりのような役割があると考えられます。

教員である瀧澤としては、テストのためだけに学んでほしくはない。とは思いつつも、テストでは力を発揮してもらいたい。あなたの学習する場所を見直してみませんか?

 

文献
Godden, D., & Baddeley, A.  (1975).  Context‐dependent memory in two natural environments: On land and underwater.  British Journal of Psychology, 66, 325–331.

Godden, D., & Baddeley, A.  (1980).  When does context influence recognition memory?  British Journal of Psychology, 71, 99–104.