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3月の心理学コラム 映画の話し『シックス・センス』(担当:大橋智樹)

2013/3/10 >> 役に立つ!!心理学コラム

『シックス・センス』は、ハリウッドの大スター、ブルース・ウィリスと天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメントの共演作で、心理学の名作です。ブルースはマルコムという児童心理学者child psychologistを演じますが、児童心理学者が登場するから心理学の名作だというわけではありません。心理学、特に、臨床心理学(あるいは精神医学)が抱える「正常とはなにか、異常とはなにか」という大きなテーマに挑んだ作品だからです。

ハーレイ演じるコールは幽霊dead peopleを見ることができ、幽霊と会話をすることができる少年です。臨床心理学的には“異常”者です。マルコムはコールを“正常”にしようと治療しますが、しかし、コールは“本当に”その能力を持っているのです。映画は、コールが幽霊を救っていく様子を描くことで、彼が“正常に”“異常”であることを証明していきます。そして、決定的な証明はマルコム自身がすることになります。おっと、ブルースと私の個人的な約束がありますので(映画を観た人なら分かります)、これ以上は言えません(^_-)-☆ 映画を観て、正常・異常の難しさについて考えてみてください。

なお、この映画の原題はThe Sixth Sense。直訳すれば六番目の感覚。すなわち、第六感。日本語でも英語でも、五感は普通の能力で、それを超える能力を第六感と表現する共通点も興味深いですね。