6月の心理学コラム:食べることの心理学(担当:千葉陽子)

2023/6/27 >> 役に立つ!!心理学コラム

食べることが好きです。小学生の頃、給食で余ったヨーグルトのじゃんけん争奪戦で1週間勝ち続けたのは私です。

さて、皆さんは共食と孤食、個食という言葉をご存知ですか?私を例にすると、たとえ塾や部活動で遅く帰宅しても、必ずそばに誰かがいて会話しながら食事をする環境を両親が与えてくれていました(共食)。自分だけ家族とは別の食べ物を食べること(個食)は到底許されず、当時は窮屈さを感じていたものです。独り暮らしを始めた頃は、アパートで一人(孤食)でご飯を食べなければならず、全然味がしないもんだと戸惑ったものです。現在は、共食、孤食それぞれの良さを知り、美味しいという感覚に違いはなくなりました。共食は「何を食べるかよりも誰と食べるか」が大事と思いつつも、でもやっぱり根が食いしん坊なのでせっせと美味しそうなお店を探し、提案しています。

従来の研究では、孤食よりも共食時の方が美味しさの評価が高いといわれています。食べ物自体への評価というより、共食者との会話といった相互性の程度が重要ということが明らかになっています。また、摂食量については、共食により増加し、孤食よりも栄養摂取面において望ましい食事になるという結果が示されています1)。確かに、色んな料理をオーダーして皆でシェアできるのが、共食の醍醐味ですね。

スマホを見ながら食事をしていませんか?ながら食べは唾液や消化酵素の分泌がされにくく、健康への悪影響が懸念されています。お腹も心も満たされる食事をしたいものです。

写真は、最近食べたかき氷(マサラチャイ、瀬戸内レモンミルク、あんず麦茶しるこ)です。

1) 山中祥子・長谷川智子・坂井信之(2016). だれかと食べるとたくさん食べる?だれかと食べるとおいしい? 行動科学, 54(2) 101-109.

 

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