2月の心理学コラム(担当:佐々木隆之)

2013/2/23 >> 役に立つ!!心理学コラム

リズムの話(2)

リズムの話(1)を書いたのは大分前になりますが,そのとき,日本人は3拍子が苦手だということを書きました.古くから日本にある八分の六拍子の音楽として「阿波踊り」がありますが,その「チャンカチャンカ」というリズムはジャズなどの「スウィング」と比較されることがあります.「阿波踊り」と「スウィング」の決定的な違いは,そのアクセントの位置にあります.「阿波踊り」は拍の表,つまり「チャンカチャンカ」の「チャ」の場所にアクセントがあり,「スウィング」では拍の裏,つまり「チャンカチャンカ」の「カ」の場所にあります.スウィングとそっくりのリズムは,沖縄の音楽に見られます.「カチャーシー」の掛け声は,「イーヤサッサ」とか「アイーヤ」などですが,この「イーヤ」というのがスウィング感をだすために最適なのです.歌ってみるとわかりますが,「イ」はあごが閉じ,「ヤ」はあごが大きく開きます.そのため,自然に「ヤ」の場所にアクセントがつくので,スウィングのノリとなるのです.阿波踊りは海流に乗って琉球から伝来したという主張がありますが,このノリの違いは単なる変形の範囲を大きく超えているように思えます.阿波踊りとカチャーシーのノリの違いは,手の動きにも表れています.興味のある人は比べてみてください.

写真は,本文とは全く関係ありませんが,学生たちと作ってみた錯視パターンです.一番上の左から2番目の「I」と一番下の右から2番目の「I」を比べてみると,上の方が明るく見えますが,実は全く同じ色です.

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