4月の心理学コラム(担当:佐々木隆之)

2020/5/8 >> 役に立つ!!心理学コラム

魅力の心理学

多くの女子学生が魅力にかかわる心理学に興味を持っており,ゼミや卒論のテーマとしてファッションや化粧を取り上げることがあります.化粧やファッションには目の錯覚を利用したものがあり,データに基づく実証的な研究が行われています.例えば,パンダの目は,周囲に黒い部分があるために実際よりも大きいと判断されます.この現象は,領域誤認効果(パンダの目効果)として学術的に研究されているのです.また,アイシャドウは,目の陰影による奥行き処理を利用しています.私たちは上方から光が当たっているものとして陰(かげ)を解釈しています.シャドウを入れると,自然にそこにはでっぱりがあるように見えるのです.

日本人は,錯覚を利用したものを含め,精細な化粧が得意なようで,そのテクニックはアメリカのショウビズ界でも高く評価されています.映画「フラッシュダンス」などのメイクを担当したカオリ・ナラ・ターナーはエミー賞を受賞しているし,数々の映画で特殊メイクを手掛けた辻一弘も昨年アカデミー賞を受賞しています.

そのようなテクニックは,また,「詐欺メイク」としてSNS上で多くの「いいね」を獲得しています.「盛れる」フォト加工アプリとメイクテクニックは,若い女性の強い味方になっているようです.

今年度はcovid19の影響で,さまざまな活動が制限されていて,まだ新入生を大学に迎えることができていません.そんな中でも遠隔での授業を始めることとなります.ほとんどの教員や学生にとって初めての経験であり,手探りで始めることとなります.

行動を自粛しながら,一日も早く平常通りの大学生活が始められることを願っています.

 

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