6月の心理学コラム:映画の話『アデライン、100年目の恋』(担当:大橋智樹)

2019/6/30 >> 役に立つ!!心理学コラム

学生さんたちを見ていると一つ心配になることがあります。それは,年を取りたくないと思っている人が少なくないことです。少なくないというのは事実でないかもしれません。おそらく多くの学生さんはそう思っているでしょう。そしてこのことは,学生さんに限らず,世の中の多くの人々,どちらかといえば男性よりも女性がそう思っているように感じます。たしかに若さは魅力の一つです。年とともに良くない方向に変化するものはたくさんありますし,それを受け入れたくないという気持ちもわからなくはありません。

この映画の主人公アデラインは,29歳の時に起こった事故をきっかけに歳を取らなくなります。年を取りたくない女性にとっては夢のような話でしょう。しかし,見た目が変わらないことを不審に思ったFBIに追われたりして,名前や住所を変え続ける生活を送ることになります。恋愛をしても,成就する前に逃げてしまいます。彼女は幸せだったわけではないのです。この映画を見ればきっと年を取りたくなります。(続きは映画を見てください)

「年を取ることをネガティブにとらえないこと」。学生さんたちには繰り返し伝えています。年齢とともに失うものもあるでしょうが,代わりに別の何かを手に入れればいい。アデラインにはなれないし,仮になれたとしても幸せじゃないのだから,受け入れるのです。毎年必ずやってくる誕生日を喜べるかどうかは,考え方次第なのです。

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