4月の心理学コラム:春といえば「知る」「気づく」「つながる」(担当:浅野晴哉)

2023/4/26 >> 役に立つ!!心理学コラム

はじめまして。私は、本年4月1日に犯罪心理学担当として着任しました浅野と申します。もちろん、本サイトの登場は初めてになりますので、簡単に自己紹介をします。

私は、本年3月までは宮城県警察、それ以前は児童相談所や中学校において心理臨床をしておりました。今回は、その経験から「春」に関連する心理的反応と対応について紹介します。

春といえば、寒さ厳しい冬が終わり、活動的になる一方、入学、人事異動等環境の変化から対人関係においてストレスを抱える季節です。ゴールデンウィークを過ぎたあたりから、いつの間にか体調不良に悩まされ、学校や会社において疲弊し、時には、家から出ることも難しくなる方もおられます。これは、一般に、五月病と言われる反応かもしれません。そのような場合は医療機関や心理職に相談するのが最善ですが、ここでは、心理臨床家としての対処方法を提案します。

1つ目は、「知る」ことです。最近、新入生と対話していると、新しい環境に適応するため疲弊している様子が見受けられます。時には気分の落ち込み、集中力の低下、食事や睡眠の乱れなどの反応が現れることもあります。つまり、春という時期は、誰もがこれらの反応が現れやすい時期であるということを知識として「知る」ことが大切です。

2つ目は、「気づく」ことです。この時期の心理的反応について知ることで、「やる気が出ない」「何となく疲れる」など自分の心理的反応について「気づく」ことが可能になります。その結果、セルフチェックとして生活習慣の見直し、休養、趣味や落ち着ける時間の確保など自分自身をケアすることができることから、「気づく」ことが大切です。

3つ目は、「つながる」ことです。家族、友人、先生などに話し「つながる」ことで、孤立感の防止や環境要因への配慮を受けることも可能になります。加えて、専門の医師や心理職、身体に不調が現れた際にはかかりつけ医に通院することも「つながる」ことです。ココロのみならず自分自身全体をケアするためにも「人」と「つながる」ことが大切です。

さて、皆さんへのメッセージとして「知る」「気づく」「つながる」について紹介しました。私自身を振り返りますと、今の私に一番必要なテーマであったと「気づき」ましたので、このコラムをとおして皆さんと末永く「つながる」ことといたします。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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