Archive for 10月 17th, 2016

10月の心理学コラム:フィールドに一緒に出て行きましょう!!(担当:森康浩)

2016/10/17 >> 役に立つ!!心理学コラム

 

 

こんにちは。森康浩です。10月から心理行動科学科の一員となりました。どうぞ、よろしくお願いします。初回なので、自己紹介も兼ねながら、心理学の話をしようと思います。
専門は、社会心理学・環境心理学です。社会心理学は社会を対象としています。心理行動科学科のモットーである「心理学は机の上だけで学べない!!」というように、社会心理学も同様です。社会は机の上にあるわけでもなくて、本の中にあるわけでもなく、実際に皆さんが存在しているところに社会があるのです。そのため、社会心理学は実際の社会で起っていることや問題点に対して、心理学の観点からアプローチしていくことが求められます。私の研究のスタイルとして、フィールドに出て行くことを念頭に置き、実際の行動や行動の結果を観察・測定することをします。
具体的にどんなことを研究してきたかというと、主に環境配慮行動について研究してきました。環境配慮行動とは、環境問題に対して負荷の低い行動をどのようすれば促進することができるかを検討する分野です。特に家庭ごみの不適正排出行動の抑制や家庭での省エネ行動の促進を対象としてきました。
ここまで、読んだ人はそれって社会心理学なの?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、立派な社会心理学です。環境問題のような社会問題は、人々の行動が集積することで起きる現象で、社会的ジレンマの側面があります。また、ごみ捨て場に分別されていないごみや曜日が違うごみが常に排出されていたらどう思いますか?ルール守ればいいのにと思う人もいれば、他の人もやっているなら自分も分別しないで捨ててもいいかなと思う人もいるかもしれません。これは、まさしく社会規範です。
現実の社会には、心理学者が関わることで、解決の糸口が見えてくるものが数多くあります。社会をよくするための意義のある研究を皆さんと行なっていければなと思います。フィールドに出て、社会を心理学という観点からアプローチしていく力を一緒に磨きましょう!!

 

 

 

 

 

 

家庭ごみの不適正排出を抑制するための調査を行なっていたときの写真です