10月のリレーエッセイ 佐々木ゼミ4年 鈴木怜奈さん,本間彩さん
2020/10/29 >> 在学生によるリレーエッセイ
こんにちは。
佐々木ゼミ4年の鈴木伶奈、本間彩です。2020年も最近は肌寒い日が続き、マスクが感染予防のみならず、防寒対策としても活躍してくれているのではないでしょうか。
今年は時間の流れが例年よりも早く感じています。4年生だからなのか、コロナ禍だからなのか…。
今年の卒業論文中間発表例年より2か月遅れで開催されたため、最終締切がすぐそこまで迫ってきているようにも感じられます。
私たちは、前期はリモートによる実験を行い、実験で使用する道具を事前に郵送したり、オンライン上でも伝わるような実験内容の説明を考えたりすることがとても大変でした。しかし、後期には対面授業が解禁されたことで、1,3年生に協力していただき前期よりも多量のデータを得ることができました。ご協力していただき本当にありがとうございました!!
今後もまだまだ危機感を持ちつつ、私たちの研究が順調に進められるよう協力し、楽しみながら卒業論文を完成させたいと思います!
10月の心理学コラム:理論と経験のミスマッチから学問は進む!?(担当:木野和代)
2020/10/10 >> 役に立つ!!心理学コラム
以前とりあげた「認知的不協和理論」では,「人気のタピオカのお店で長時間行列に並ぶことになったけれど,待った甲斐あって美味しくて満足だった,また行きたい」ということが起こります。しかし,理論ではうまく説明できないケースがあるようです。
濱(1991)は,経験に照らし合わせてみると,その商品の品質が劣悪だったときは満足(しようと)しないのではないか,という考えから,それを確かめる実験を行いました。それは,大学祭の模擬店(たこ焼きの屋台)でのフィールド実験でした。
コスト(待ち時間が長いか短いかの2パターン)と商品の品質(食材などの質が高いか低いかの2パターン)を組み合わせた4つの条件を設定し,条件間でお客さんのおいしさの評価を比較したのです。
結果はというと,高コスト(長時間待ち)の場合には,低品質のたこ焼きが提供されるとおいしさの評価が低くなる傾向にありました。つまり,経験からの予測どおり,品質の低い商品に対しては認知的不協和理論が適用できないことが示されたというわけです。
これは,日本心理学会の研究大会で報告された研究で,以前ゼミの学生さんが,学科の実習室にある資料から見つけて,授業で紹介してくれたものです。授業では,学んだ心理学の理論を,身の回りの様々な出来事にあてはめて考えてみてもらいます。皆さんも座学で理論を学んだら,経験と照らし合わせて検討してみてください。面白い研究に発展することがあるかもしれませんよ。
文献:濱 保久 (1991). 待てば待つほど美味しくなるのか?―大学祭模擬店における認知的不協和理論の検証― 日本心理学会第55回大会発表論文集, p.680.
9月の心理行動科学科
2020/9/30 >> 今月の心理行動科学科
9月10日に今年度の入学式が行われました。入学式の後には各学科で新入生歓迎行事が行われ、心理行動科学科では、学内や秋保森林スポーツ公園で歓迎イベントを行いました。
9月11日卒論中間発表会が行われました。4年生が学生たちと教員を前に、現在取り組んでいる卒論のテーマを発表しました。質問に答え、アドバイスを得て、さらに深く進めていくことができる貴重な場です。
9月12日から後期の授業が開始されました。新入生にとっては、始めての大学での授業です。
9月18日は宮城学院の創立記念日でした。
9月27日今年度初の対面によるオープンキャンパスが開催されました。大橋先生による学科紹介・入試説明や、教員、学生との個別懇談が行われました。
10月11日にはWEBオープンキャンパスが開催されます。大学ホームページよりお申し込みのうえ、ご参加お待ちしております。
9月のリレーエッセイ(友野ゼミ1年 伊関亜花梨さん)
2020/9/28 >> 在学生によるリレーエッセイ
こんにちは。友野ゼミ1年の伊関亜花梨です。残暑の厳しい時期も終わり、9月後半では少しずつ涼しく、秋めいてきました。
9月10日に入学式、そして歓迎イベントが行われ、後期から私たち1年生にとって半年遅れの大学生活が始まりました。
自粛期間によって、今まで私たちが当たり前のように過ごしてきた日々のありがたみを感じると共に、当たり前のことはすぐに変化してしまうという現実を改めて実感しました。また、前期のオンライン授業や感染対策をしながらの大学生活は、私たちにとって貴重な体験とも言えます。
私たちのために協議を重ね、対面授業の再開を決めてくださり、入学式だけでなく歓迎イベントで交流の機会を作ってくださった先生方、先輩方に厚く御礼申し上げます。先生方、先輩方、家族、そして友達に支えられながら私たちは楽しい大学生活を送ることができています。
マスクやアルコール消毒が手放せないなど、まだまだ元の生活に戻るには時間がかかりますが、大学の教室で授業が受けられること、友達と隣で笑い合うことができることが本当に幸せに感じます。この喜びをこれからも忘れず、感染対策に注意を払いながら日々を過ごしていきます。
9月の心理コラム (担当: 佐々木 隆之)
2020/9/25 >> 役に立つ!!心理学コラム
音楽の聞き方
音楽を聞くといっても,初めて聞く音楽と繰り返し聞く音楽とでは,認知処理に大きな違いがあります.知っている曲を繰り返し聞くときの聞き方は,「再認」と呼ばれます.頭の中に記憶している音楽と,聞こえてくる音楽を照合するのが「再認」です.配信音源では,聞こえてくる音は常に記憶内容と同じです.音楽はいつも期待通りに進行し,期待が裏切られることはありません.一方,初めて聞く音楽は,比較する記憶が頭の中にはないので,まったく新しいものとして知覚認知の処理が行われます.そこでは,聞いている人の持っている音楽の知識や経験によって,いろいろなレベルの予測が働きます.次に何が起こるかワクワクしながら聞く人も多いでしょう.そこでは,期待通りだから面白いと感じたり,期待を超えたから面白いと感じたり,いろいろな要因が複雑に働いています.初めて聞く音楽の知覚認知処理と感じ方の関係については,わかっていないことが多く,これからいろいろな角度から研究する余地があります.
大学は半年遅れの入学式を行い,対面授業を開始しました.通常の形態に戻っただけなのに,とても新鮮な感じがします.いろいろな制約はありますが,徐々に本来の大学の姿に戻ることを願っています.