11月の心理学コラム 「義援金募集活動とピグマリオン効果」 (担当:友野隆成)

2014/11/14 >> 役に立つ!!心理学コラム

ココロサイコロ2014の開催が,10日後に迫ってまいりました。私は今回も指導を担当させていただくことになりましたので,2011年度~2013年度に実施した「義援金を寄付する心理」を引き続き2014年度もやることにしました。「持続可能な被災地支援」をスローガンとして活動してきたこのテーマですから,今年も継続してやりなさいという神のお導きだったのかもしれません。

 

昨年の今頃に書かせていただいたコラムでは,我々の活動において年々募金額が減っていることを指摘しました(単純な募金額の推移のみからの判断ですので,正確さには欠けますが)。このことを踏まえ,2014年度の受講生には2013年度と比べて1円でも多く義援金を集められるような工夫を考えるようにと,予め初回の授業の時に強調しておきました。昨年度よりも受講生の人数が減りましたが,その分少数精鋭で彼女たちならきっとやり遂げてくれるだろうという淡い期待を抱きながら授業を進めていきました。その結果,最終的には見事2013年度を上回る募金額に到達しました!これには,教師の期待が学習者の成績を向上させるという「ピグマリオン効果」が働いていたのかもしれません。募金額が時間の経過とともに減少していくという流れを食い止めた彼女たちの頑張りに,労いの拍手を送りたいと思います。

 

なお,そうは申しましても,実際に義援金を寄付してくださった方々のお力添えなくしては,今回の結果にたどり着くことはできませんでした。この場をお借りし,改めまして謝意を申し上げたいと思います。ご協力いただき誠にありがとうございました。2014年度の活動で集まった募金額および具体的な寄付先につきましては,今月24日(月・振休)に仙台駅近くのAER2階アトリウムで開催されます「ココロサイコロ2014」で公表予定です。また,我々の発表以外に「ディズニーの世界を科学する」「遊園地を楽しむための心理学」という,どちらもアミューズメントパークに関する刺激的なテーマの研究も発表されますので,是非ご来場ください!

 

2014年度の大学祭で実施した,義援金募集活動の様子です。皆さんよく頑張りました!

10月の心理行動科学科

2014/11/4 >> 今月の心理行動科学科

10/4(土)午後は秋のオープンキャンパスが行われました。今回は教員の模擬授業の他に学生による学びの成果発表を行いました。

10/11(土)は学科の3年生が社会人コミュニケーション基礎力検定を受検しました。

10/18、10/19は大学祭。心理行動科学科では「ココロミル」を開催しました。学生達が学年を越えて協力し、性格診断や、ストレス検査など心理学を活かした企画を行い、毎年好評いただいています。今年も多くの来場者で会場は大盛況でした。

10月のリレーエッセイ

2014/10/31 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは。工藤ゼミ2年の川崎です。

最近は肌寒くなってきて、そろそろ冬が訪れそうですね。

芸術の秋ということで私は映画鑑賞をしようと思い、『幸せの隠れ場所』と『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲の ロボとーちゃん』と言う映画を見ました。どちらも家族をテーマとした作品で家族の絆や温かさ、ありがたさを感じ後半は涙が止まりませんでした。そこで、私は今年度成人式なので20歳という節目に改めて家族に感謝の気持ちを伝えたいと思いました。

家族に面と向かって感謝の言葉を伝えるなんて照れくさくて言えないものですが、みなさんも自分を支えてくれている家族に感謝の気持ちを伝えてみてはいかがですか。

10月の心理学コラム 追試研究で見えるもの(担当:友野聡子)

2014/10/20 >> 役に立つ!!心理学コラム

最近、メディアではある追試実験のことが話題になっているように、心理学でも追試の重要性について考えられるようになってきました(※平石(2013)の心理学ワールドの記事もぜひご参考に)。科学的研究では、ある研究結果が同じ条件下で再現されなければ、その結果は妥当と言い難くなります。心理学も科学的研究の一つですので、調査や実験の結果が再現されることが求められます。ただし、心理学では、そのときどきの調査相手が変化するなどの理由で、完全な追試は難しいという問題があります。

そんな中、今年度に入ってから、とある学生さんから問い合わせのメールが来ました。私の研究論文をもとに追試を行いたく、質問紙に使用した写真を提供してほしい、というものでした(※個人情報を考慮して写真を論文に掲載しなかったのです)。お返事をしてしばらく経つと、追試研究を実施したとの報告がありました。使用した質問紙や取得したデータ、結果の発表資料もご丁寧に送っていただきました。結果は「再現されず」。おそらく、質問紙の構成が実際のものと違ったことなどが原因だったと思われます。

追試の結果は残念なものでしたが、良い発見が2つありました。1つ目の発見は、論文での情報の載せ方についてです。誰でも再現できるようにわかりやすく適切に情報を掲載することの重要性を改めて気づかされました。2つ目の発見は、追試研究で得られる「実際に実験を行う」という体験が、心理学の研究方法を学ぶ上で大変役に立つということです。学生さんたちは、追試を実現するべく、論文をかなり読み込み、結果が出なかった原因についても深く考察していました。

研究者としても教育者としても、この追試のご報告は大変ありがたいものでした。ちなみに、別の研究者からも、同様の追試を学生に実施させたという話もあり(そこでは再現できたとの話も…)、この研究は興味を持って再現してみたくなるもののようです。より再現可能性の高い研究を実現しなければと再認識したと同時に、いずれ私も授業で追試を取り入れたいと思った次第です。

追試研究を実施した学生さんの報告資料の一部です(※長編大作でしたので結果部分のみに集約しました)。画像をクリックすると拡大表示できます。素晴らしい出来に感動しました。

鹿児島大学法文学部3年 伊地知悠紀さん、高宮愛理さん、竹下千晶さん、水本麗花さん、柳由貴さん、ありがとうございました!!

 

 

大学祭企画「ココロミル」を開催します

2014/10/7 >> その他

宮城学院女子大学の大学祭来場者の人気投票である「MG-1グランプリ」で、昨年・一昨年と2年連続で一位をいただいている心理行動科学会の名物企画「ココロミル」を今年も開催します!

 

●日時:

2014年10月18日(土) 9:45~16:00(入場随時)

2014年10月19日(日) 10:00~16:00(入場随時)

●場所:講義館C401・C402教室

●内容:

・性格診断
・嘘発見器
・ストレス検査
・チャレンジブース(鏡映描写、ストループ、反転眼鏡)
・視覚イリュージョン
・錯視展示

 

今年から、様々なブースをお得に体験することができる「回数券」を導入する予定です!
そして、学科のリーフレット(または写メ)をお持ちいただいた方は、チャレンジブースを無料で体験できます!

また、今年からはココロミルのTwitterアカウントを作成いたしましたので、是非フォローしてみてください!

 

ココロミル

 

(※)心理行動実践セミナー友野(隆)班では、今年も「ココロミル」開催時に東日本大震災の義援金を募集します。C401・402教室の近くに募金ブースを設置しておりますので、ご来場いただいた皆様の温かいご協力を宜しくお願いいたします。