1月の心理学コラム(担当:工藤敏巳)

2013/1/30 >> 役に立つ!!心理学コラム

今年もよろしくお願いいたします。

悩んでいる人に接していると、「時間が解決してくれるよ」とか「時が経てば忘れるよ」と慰めの言葉をかけたくなります。これをグラフで表すと横軸が時間軸、縦軸が悩み(程度や重要度)にでもなるのでしょうか。数式だと、yt= f(t,e)と表すことができます。tが時間、eは事態、f(t,e)は人のパーソナリティや価値観、ytはt時点の悩みとなります。「時が経てば忘れるよ」というのは右下がりのグラフで「時間が経てば、その悩みは自然に消失するよ」ってことでしょうか。
実際のところ、ある時点において本人にとっては重要な悩みであったかも知れないが、取り巻く環境が変わったり自身の価値観や考え方が変わったりしたことにより悩みが問題視されなくなってしまったことを言い表しているのだと思います。逆に悩みが増幅することがあるかもしれません。価値観や考え方が変わる、いわゆる自己成長に伴って悩みが悩みでなくなったり悩みが大きくなったりもする、悩んで成長していきます。数式で表すと f(t+1,e) = a * f(t,e) となるのでしょうか。

こうした表現方法を工学系の領域ではリターンマップと呼んでいます。近年、心理学でもこうした手法(ダイナミカルシステムアプローチ)を用いて研究が進めらるようになってきました。
面白そうなので、私が関わっている競技のゲーム分析で挑戦してみました。競技場の俯瞰図に相手が打球・投げた・蹴ったボールの落下位置を時系列的に表現し相手チームの戦術分析を行なうことはどの競技でも日常的に行なっています。しかし、こうした表現方法では直感的に理解しにくく右往左往しておりましたが、リターンマップで表現すると、実に今まで見えなかったものがよく見えてきます。

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