3月の心理学コラム:2023年度を終えて(担当:森康浩)
2024/3/31 >> 今月の心理行動科学科
とうとう2023年度も最後の月となりました。今年は過去一番多い卒論の数となり8件の卒論を指導しました。どのようなテーマの卒論があったかというと、「音楽経験と社会的スキルの関係」、「ポイ捨てを抑制するための音声の効果」、「文字情報から読み取れる感情」、「SNSから始まる関係性の進展」、「災害時に生じる正常性バイアスの効果」、「不安な場面でのぬいぐるみの効果」、「対人魅力を上げる香の効果」、「炎上を助長する言葉の効果」を取り扱いました。
また、学年ごとにさまざまな研究を行い、3年生は泉中央の活性化のプロジェクトの一環として行った七北田公園でのオシャピク(おしゃれピクニック)の取り組みの効果を検討しました。2年生は参考文献としてあげている「影響力の武器:実践編」の内容を踏まえて、研究の問いを見つけて、4つの研究を行いました。どのような研究を行ったかというと、センターステージ効果と真ん中を選びやすい傾向がありますが、3次元の状態だと何を選ぶのかということを検討したり、目標を遂行する際に幅のある目標を設定した方が継続しようとする傾向があるが、どのような幅が有効かなどを検討しました。1年生は11月に行われたココロサイコロで発表しましたが、「印象形成」に注目して、SNSのストーリー、人間関係(後輩、店員さんとお客さん)、お土産、匂い、会話に注目して検討を行いました。
自分が大学時代の恩志から「心理学は人に関わることすべてに関わる」と教わり、今でも授業や研究をする際に、日常の中に隠れている心理学をあぶり出しながら、面白い知見を突き止めようとしています。来年度も、もうすぐ始まりますが、面白い研究が学生とできるように一緒に勤しんでいきたいと思います。