5月の心理学コラム:『消滅可能性自治体』(担当:大橋智樹)
2024/5/10 >> 役に立つ!!心理学コラム
「人口戦略会議」は4月24日、全国744市町村を「消滅可能性自治体」と発表しました。地域ブロック別ではわが東北が165自治体で最高なのです。これは、国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月に公表した2050年までの地域別将来推計人口に基づいて分析し、子どもを産む中心的な年齢層である20~39歳の女性人口の増減に着目したものです。この”若年女性”の減少率が50%以上である自治体は消滅する可能性がある(高い)として示したものです。
たしかに、いまの科学では女性の出産によってのみ人口は維持または増加されるのであって、”若年女性”が減っている=出生数も減る=人口が減るという構図は正しいでしょう。逆に言えば、若い女性を増やし、出生数も増やさないと、人口減少は止まらないとも言えます。
一方で、女性の活躍を推進させるためのさまざまな施策に国は躍起になっています。ここでの「女性の活躍」とは、家庭以外での仕事上の活躍を指しているのでしょうから、女性が男性と同じく働き続けることが目標とされるわけです。
この2つのこと、すなわち、「女性が子どもを産むこと」と「女性がバリバリ社会で働くこと」をどう両立させるかが、人口減少にどうブレーキをかけるかの答えなのだろうと思います。
ただ、最近ちょっと考えるんです。カナダの人口は4,000万人、オーストラリアは2,700万人、オランダ1,800万人です。人口で言えば、日本の50年先と同じくらいの国はたくさんある。人口減少にブレーキをかけることだけを考えるのではなく、人口が減っても豊かな国を作ること*も*考えても良いかもしません。
図:消滅可能性自治体マップ(朝日新聞のサイト(https://www.asahi.com/special/population2024/)より引用)