6月の心理学コラム:『緑の季節について』(担当:森 康浩)
2021/6/21 >> 役に立つ!!心理学コラム
新緑の季節となりました。街のあちこちで緑が生い茂りとても気持ちがいい季節だと思います。特に定禅寺通りのケヤキ並木は四季折々の顔を見せますが、きれいな景観でとても好きな場所です。車で通る度に、歩いて散歩したいなといつも思います。
このような植物がある景観とリラックスには関係があることが、心理学的にも議論されているのです。
人の特徴として、勉強や仕事をしているときは意識的に対象に注意を向けて、そのことについて取り組むということをします。意識的に注意を向けているので時間が経過することで疲労もたまります。人には他の注意を向けるやり方があって、何気なく無意識的に何かをみるというものもあります。このように自然と向けられる自動的な注意をするときに回復をしようとします。自動的に向けられる注意を引くものの特徴として、魅力的なもの、広さを感じられるものがあります。自然や植物がある景観はこの特徴に合致するので、意識的に注意を向けているときに、ふと自然に注意がいくことでそれまでに感じていた疲労が回復するということになるのです。また、外科的手術をした後に病室から樹木のある景色が見える患者さんの方が、入院日数少なく、鎮痛剤の量も少ないということもわかっています。自然の景色を見るということはとても、いい効果があるので、皆さんも取り入れてみてください。私の研究室からも、中央芝生広場が見え、緑の季節を堪能しています。