9月の心理学コラム 街中の音 (担当:佐々木隆之)

2013/11/2 >> 役に立つ!!心理学コラム

先週,オランダに行ってきました.ライデン大学の先生と20年以上一緒に研究をしているので,毎年のように行き来しています.ライデン大学は,1575年に創立の世界でも最も古い大学の一つで,日本ではシーボルトのいた大学として知られています.ライデンの植物園や博物館には,シーボルトの持ち帰った植物や標本が数多く残っています.ニホンオオカミのはく製や人魚のミイラなど,いろいろな意味で珍しいものも残されています.

ライデン市に滞在中,ホテルでひと休みしていると,外から楽しそうな音楽が聞こえてきました.なんだろうと思い,窓から通りを見てみると,五人乗りの自転車に真っ赤な服を着た人たちが乗って,それぞれが太鼓やラッパなどをもって演奏しながら走っていました.五人乗りの自転車は,縦一列にサドルが並んでいるもので,初めて見ました.五人乗り自転車も,それに乗った楽隊も,日本では見られない光景なので,写真を撮ろうと思う間もなく,音を残して視界から消えていきました.このように,光景が音と一緒に強い印象を残すことはよくあることです.

以前,オランダに住んでいた時,珍しい光景を近所で見ることがしばしばありました.初夏のある日,近所に馬の足音とざわめきが聞こえてきました.なんだろうと思って窓から見てみると,写真1のように,飾り立てた馬車が通りに止まっていました.隣人に聞いたところ,花婿が,馬車を仕立てて花嫁の家に迎えに行くところだといいます.間もなく,近所の人たちに見送られて,鈴の音,馬の足音とともに花嫁のところに向かって出発しました.

また,9月のある日,住宅地では珍しいストリートオルガンの音が聞こえてきたので,行ってみると,ご近所さんたちがオルガンの音に合わせて踊っていました(写真2).4軒先の家の奥さんの誕生日ということで,オルガンを頼んでパーティーでした.オルガンは,写真3のように,とてもきれいな装飾のものでした.

オランダの街中の珍しい音の例を紹介しましたが,どのような街もそのような音で成り立っています.日本の街中の音も,外国人が聞いたら珍しく感じるものがあるに違いありません.

(このコラムは,9月28日に投稿したものですが,手違いによってアップに失敗していたため,遅くなりましたが,再度アップしました.)

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