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1月の心理学コラム:ビデオ通話はどのくらい本当の自分を映しているの?(担当:森康浩)

2021/1/22 >> 役に立つ!!心理学コラム

対面でのかかわりを持つ機会が減ってきている昨今ですが、その代わりにビデオ通話でコミュニケーションをとる機会がとても増えていると思います。

授業やセミナー、会議もビデオ通話で行われたりしますが、ビデオ通話でのコミュニケーションにはどのような特徴があるのでしょうか?

ビデオ通話では、胸から上の2次元の情報が映し出されます。
人はその人から得られる外在的な情報をもとに内面的なことを推測して
印象を形成します。
つまり、ビデオ通話ではすべての情報があるわけではなく、欠損した情報からその人はどんな人なのかを推測します。

今年の実践ゼミでは、ビデオ通話でしかかかわりのなかった1年生同士がそれぞれの身長や好きな色、血液型、出生順を推測して回答するということを行いました。
その結果、どの項目に関してもあまり正しく回答できていないということがわかりました。
つまり、本当の自分とは異なる印象を相手に持たれてしまっているということになります。

また、今年の卒論では、ビデオ通話の映り方によってはどのような印象になるかを調べました。うなずきや身振り手振りといったノンバーバルコミュニケーションに関連したことや映っている画角による影響を検討しました。その結果、うなずきが多いほどポジティブな印象であること、身振り手振りが大きいと乱雑という評価をする一方で、親しみやすく、積極的で、元気と評価されることも分かりました。
映り方の画角については、画面に顔が寄って近いと元気、外交的と評価されて、遠いとおとなしそう、頼りないと評価されるようでした。

どういう風に見せたいかを考えて、映り方を気にするのも重要かもしれません。

ビデオ通話を題材にいろいろなことを調べてみましたが、ほかにも心理学とかかわる面白いことがあるので、検討を重ねていこうと思います。