Archive for the ‘役に立つ!!心理学コラム’ Category
人とPCとの接点(2)(担当:工藤敏巳)
2015/2/27 >> 役に立つ!!心理学コラム
前回は、「人とPCとの接点(1)」ということで、キーボードやマウスによる操作(詳細はhttp://www.mgu.ac.jp/~shinri/?p=2281をご覧ください)について書きました。
2回目は、未来のインターフェースについて書きます。
2007年にApple社がiPhoneを披露し、世界中の人たちを驚かせました。
画面の下を見たければ、上方向に指を動かします(スワイプ)。また、拡大する時には2本指で広げます。この操作はピンチアウトといいます。また、音声で入力する機能をついていますね。siriです。このiPhone画面を指で操作するインターフェースは、タッチパネルPCなどで採用されていて、NUI(Natural User Interface)と呼ばれています。人間にとってより自然で直感的な動作で操作可能な仕組みや方法のことです。マウスやキーボードでPCを操作する時代から、少しずつ変化しています。
最近では、人や指の動作を認識するデバイスが発売され、PCを身体の動きで操作することもできるようになってきました。こうしたデバイスがWebカメラのようにPCに組み込まれ、音声や動きでPCを操作する時代がやってくるかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=UmCcYfVXZ5w
1月の心理学コラム 映画の話し『塔の上のラプンツェル』(担当:大橋智樹)
2015/1/31 >> 役に立つ!!心理学コラム
『塔の上のラプンツェル(以下、ラプンツェル)』は、2011年に公開されたディズニーのプリンセス映画です。この映画はディズニーのプリンセス映画としてはとても異色の存在で、プリンス(王子様)の扱いが変わっているのです。
プリンセス映画ではプリンスが詳細に描写されることはほとんどありません。白雪姫なんて全体のうち2~3のシーンにしかプリンスが出てこないほどです。しかし、ラプンツェルは違います。なにせオープニングで登場するのは、この映画のプリンスであるフリン・ライダーで、その後もほとんどのシーンに登場します。彼の生い立ちも語られますし、映画の中での成長も描かれるなど、全プリンス映画の中で最も人柄が伝わってくるプリンスなのです。また、彼はプリンスなのに犯罪者なのです!オープニングでも彼はお城のティアラを盗みます。そんな犯罪者が、恋をして更生し、最後は王女ラプンツェルと結婚して物語はハッピーエンド。
ディズニーが男性の集客のためにこのような新しい取り組みをしたという話もありますが、いずれにしても異色の映画であると言えるでしょう。CGの描写も心理学的に素晴らしいのですが、これはまた別の機会に。
2月22日には、上で紹介した映画の分析も含む「ディズニーを心理学する」という現1年生の発表があります(http://web.mgu.ac.jp/pb/event/703.html?_ga=1.50782889.1268576221.1397609857)。どうぞお越し下さい。
ラプンツェルの日本での公開日は2011年3月12日。そう、東日本大震災の次の日です。あれから4年が経ちます。ラプンツェルを観るとき、震災も思い出して下さい。
12月の心理学コラム ノーベル賞受賞を讃える心(担当:木野和代)
2014/12/13 >> 役に立つ!!心理学コラム
2014年ノーベル賞では,日本人3名が物理学賞を受賞されましたね。今週は,授賞式関連のニュースが新聞・テレビでも連日報道されていました。
こうしたニュースを見て,「すごいな~」と思われた方,「ついに受賞!よかったなぁ」と思われた方。
そして,自分が受賞したわけではないのに,なんだか誇らしいような気持ちになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは,同じ日本人が受賞したから,同じ地域・同じ高校/大学の出身だから,・・・などといった理由によるものでしょう。
私自身,名古屋大学出身だからでしょうか,今年は,このニュースに目が行くことが多いです。天野浩先生の笑顔を見ていると,こちらまでうれしい気持ちがしてきます。
こうした反応を客観的にみてみると,「栄光浴」や「自己評価維持モデル」という心理学用語が浮かびます。
「栄光浴」とは,高い評価を受けている個人・集団と自己との結びつきを強調することによって自己評価や他者からの評価を高めようとすることで,自分の印象を操作する方法の一つです(有斐閣・心理学辞典より)。「今年のノーベル賞受賞者は誰だっけ?」と問われて,「私の出身大学の天野浩先生がノーベル物理学賞を受賞」なんて,私が答えたとしたら,これは「栄光浴」とよばれます。「私の出身大学」なんて余計な説明がついていますね。同じ大学の出身というだけで,同じ研究室・学部でもない,授業を受けたことすらないにもかかわらず;笑。
この流れで「自己評価維持モデル」についてもお話したいところですが,もうちょっと説明が長くなりますので,また別の機会に!
(写真1)実は,新聞の切り抜きまでしてしまいました・・・ちょっとした天野先生ファンです。
(写真2)ちなみに,心理行動科学科の在学生たちも頑張っています。学生たちの研究活動は,毎年のように,報道していただいています。
- 写真1
- 写真2
11月の心理学コラム 「義援金募集活動とピグマリオン効果」 (担当:友野隆成)
2014/11/14 >> 役に立つ!!心理学コラム
ココロサイコロ2014の開催が,10日後に迫ってまいりました。私は今回も指導を担当させていただくことになりましたので,2011年度~2013年度に実施した「義援金を寄付する心理」を引き続き2014年度もやることにしました。「持続可能な被災地支援」をスローガンとして活動してきたこのテーマですから,今年も継続してやりなさいという神のお導きだったのかもしれません。
昨年の今頃に書かせていただいたコラムでは,我々の活動において年々募金額が減っていることを指摘しました(単純な募金額の推移のみからの判断ですので,正確さには欠けますが)。このことを踏まえ,2014年度の受講生には2013年度と比べて1円でも多く義援金を集められるような工夫を考えるようにと,予め初回の授業の時に強調しておきました。昨年度よりも受講生の人数が減りましたが,その分少数精鋭で彼女たちならきっとやり遂げてくれるだろうという淡い期待を抱きながら授業を進めていきました。その結果,最終的には見事2013年度を上回る募金額に到達しました!これには,教師の期待が学習者の成績を向上させるという「ピグマリオン効果」が働いていたのかもしれません。募金額が時間の経過とともに減少していくという流れを食い止めた彼女たちの頑張りに,労いの拍手を送りたいと思います。
なお,そうは申しましても,実際に義援金を寄付してくださった方々のお力添えなくしては,今回の結果にたどり着くことはできませんでした。この場をお借りし,改めまして謝意を申し上げたいと思います。ご協力いただき誠にありがとうございました。2014年度の活動で集まった募金額および具体的な寄付先につきましては,今月24日(月・振休)に仙台駅近くのAER2階アトリウムで開催されます「ココロサイコロ2014」で公表予定です。また,我々の発表以外に「ディズニーの世界を科学する」「遊園地を楽しむための心理学」という,どちらもアミューズメントパークに関する刺激的なテーマの研究も発表されますので,是非ご来場ください!
2014年度の大学祭で実施した,義援金募集活動の様子です。皆さんよく頑張りました!
10月の心理学コラム 追試研究で見えるもの(担当:友野聡子)
2014/10/20 >> 役に立つ!!心理学コラム
最近、メディアではある追試実験のことが話題になっているように、心理学でも追試の重要性について考えられるようになってきました(※平石(2013)の心理学ワールドの記事もぜひご参考に)。科学的研究では、ある研究結果が同じ条件下で再現されなければ、その結果は妥当と言い難くなります。心理学も科学的研究の一つですので、調査や実験の結果が再現されることが求められます。ただし、心理学では、そのときどきの調査相手が変化するなどの理由で、完全な追試は難しいという問題があります。
そんな中、今年度に入ってから、とある学生さんから問い合わせのメールが来ました。私の研究論文をもとに追試を行いたく、質問紙に使用した写真を提供してほしい、というものでした(※個人情報を考慮して写真を論文に掲載しなかったのです)。お返事をしてしばらく経つと、追試研究を実施したとの報告がありました。使用した質問紙や取得したデータ、結果の発表資料もご丁寧に送っていただきました。結果は「再現されず」。おそらく、質問紙の構成が実際のものと違ったことなどが原因だったと思われます。
追試の結果は残念なものでしたが、良い発見が2つありました。1つ目の発見は、論文での情報の載せ方についてです。誰でも再現できるようにわかりやすく適切に情報を掲載することの重要性を改めて気づかされました。2つ目の発見は、追試研究で得られる「実際に実験を行う」という体験が、心理学の研究方法を学ぶ上で大変役に立つということです。学生さんたちは、追試を実現するべく、論文をかなり読み込み、結果が出なかった原因についても深く考察していました。
研究者としても教育者としても、この追試のご報告は大変ありがたいものでした。ちなみに、別の研究者からも、同様の追試を学生に実施させたという話もあり(そこでは再現できたとの話も…)、この研究は興味を持って再現してみたくなるもののようです。より再現可能性の高い研究を実現しなければと再認識したと同時に、いずれ私も授業で追試を取り入れたいと思った次第です。
追試研究を実施した学生さんの報告資料の一部です(※長編大作でしたので結果部分のみに集約しました)。画像をクリックすると拡大表示できます。素晴らしい出来に感動しました。
鹿児島大学法文学部3年 伊地知悠紀さん、高宮愛理さん、竹下千晶さん、水本麗花さん、柳由貴さん、ありがとうございました!!









