Archive for the ‘役に立つ!!心理学コラム’ Category
9月の心理学コラム 「多人数か少人数か(その2)」 (担当:友野隆成)
2016/9/23 >> 役に立つ!!心理学コラム
1年生の皆さんが本学に入学してから,もうすぐ半年が経ちます。大学での初めての定期試験を経験し,これまた初めての長期休暇を過ごして,先週後期の授業が始まりました。皆さん有意義な夏休みを過ごすことができたでしょうか?
さて,今回もまた「多人数か少人数か」というお話です。
心理行動実践セミナーでの私の担当班では,今年もまた義援金募集活動を行いながら,これまでに蓄積してきた研究成果を踏まえた実験と調査を行うべく,現在鋭意準備中です。
昨年度までは,1チームあたりの構成人数をほぼ均等にするために,人数にばらつきがあった場合は移動をしてもらっていました。しかし,今年度は例年より多い4チーム構成(今までは3チームが最大でした)とし,人数の調整を行わず,基本的に全員が第一希望のチームで活動ができるようにしました。そうしましたところ,少ないチームは3人,多いチームは9人となりました。果たして,このような人数差が,結果にどのような影響をおよぼすでしょうか…。
なお,今年も本学大学祭において,義援金募集活動をおこないます。10月15日(土)・16日(日)の両日とも,本学講義館4階C401・C402近くのスペースで,10時~16時の間にブースを設置します。多くの皆様にご協力をいただけましたら,幸いです。そして,集まった募金額や具体的な寄付先,そして上記「多人数か少人数か」の回答につきましては,11月23日(水・祝)に仙台駅近くのAER2階アトリウムで開催されます「ココロサイコロ2016」で公表予定です。詳細が決まりましたら,大学ホームページなどでお知らせいたしますので,こちらも是非ご来場ください!

写真では分かり辛いですが,右手前のチームが9人,そのやや左奥のチームが3人です。もうすぐ全チーム企画が確定します。
8月の心理学コラム(担当:佐々木隆之)
2016/8/29 >> 役に立つ!!心理学コラム
「縁起を担ぐ」話
スポーツ選手の中でも,プロ野球の前田健選手(広島東洋カープから大リーグロサンジェルス・ドジャースに移籍)は,えんぎ担ぎのルーチンが多いことで有名です.登板の前日から数えると22個もあるそうです.その中で気になるのが「グラウンドに入るときには左足から」と「ラインは左足でまたぐ」というものがあります.他の20個は意識して行っているのだろうと思いますが,この2つはちょっと違っている可能性があります.実は,マエケンさんが意識しなくても,グラウンドに入る足やラインをまたぐ足は決まっているのです.皆さんも階段を上るときの1歩目や線をまたぐときの足は無意識のうちに決まっています.わかりやすいのは,パンツをはくときに先に入れる足が決まっていることで,逆にすると大きな違和感を覚えます.日常生活の多くの行動は,無意識のプログラムで順番が決まっていて,それを崩すと滑らかな行動にならなくなってしまうのです.マエケンさんの場合,意識しないと右足から入るので,意識してそれを代えているというのであれば,意味のある験担ぎということになりますが,そうでなければ取り立てて言うようなことではないのです.
夏休みも終わり,大学祭が近づいてきました.今年も来場される皆さんに楽しんでもらえるよう,心理行動科学会の学生たちが準備に取り組んでいます.10月15日(土),16日(日)の両日ですので,是非ご来場ください.写真は,今年度の大学祭企画を運営している学生たちです.
7月の心理学コラム:人とPCとの接点(5)(担当:工藤敏巳)
2016/7/31 >> 役に立つ!!心理学コラム
巷ではPokemonGoが大流行りである。私もどんなゲームだろうか覗いてみたくて、iPadにインストールして試してみた。自宅のソファーから動かないので、ちっとも面白くないゲームであったが、うろうろ歩き始めれば面白いのかもしれない。ジムに行くなど、からだを動かしてゲームを楽しめばいいのだが、そこまでやる気にはなれない。
そんなブームに乗っかって、先日行われた本学オープンキャンパスの本学科ブースにてポケモンを表示させてみたら、大変好評であった。KINECTで来場者の動きを認識し、その動きに合わせてポケモンを表示させたり動かしたりする、いわゆる拡張現実(AR)もどきである。KINECTもVersion2に上がり、動作の認識だけなく、指先の認識や手の開閉(グー、チョキ、パー)も認識できるようになったので、プログラミング次第ではいろいろ楽しめる。
音声でキャラクターのいくつかを表示させるようにした。KINECTでも音声認識が可能であるが、今回は、System.Speechを利用した。一人で静かな部屋内での認識率は高かったが、大勢のいる教室では思った通りには認識してくれなかった。KINECTでは音声の方向まで検出できるみたいなので、次回まではKINECTの音声認識エンジンを使ってみようと思う。
1995年のハリウッド映画『ユージュアル・サスペクツ』(The Usual Suspects)は私の大好きな映画の一つです。前にご紹介した『スティング』(The Sting)もそうですが,この映画にも大どんでん返しがありますから,内容を詳しくはお話しできません(笑)
この映画は,ケヴィン・スペイシーという俳優さんのすごさによって成り立っていると言っても過言ではありません。この俳優さんは『セヴン』(Seven)の犯人役で注目を集め,この『ユージュアル・サスペクツ』でアカデミー助演男優賞をとりました。彼のすごさは,ラストの1分に現れます。見逃さないで下さい。
さて,一方で,『ズートピア』です。昨年公開され,話題になりました。肉食動物も草食動物もみんな仲良く暮らすズートピアという“理想の街”の警察官になったうさぎ・ジュディの物語です。この映画は,ディズニー映画にしては珍しく,社会的なメッセージが前面に押し出されています。そのメッセージとは「平等なんていうけどそんなに簡単じゃない!」そして,「誰だって,先入観(特に偏見)を持ってるよねー」です。
実は,『ユージュアル・サスペクツ』も,観る者の先入観や偏見を利用してストーリーを組み立てています。先入観も偏見も心理学の重要な研究テーマの一つ。映画制作者や俳優さんは,そういった人間の心理をたくみに利用して名作を生み出しているのです。
ユージュアル・サスペクツを観れば,この画像の意味が分かります
5月の心理学コラム:婚活と産業カウンセラー(担当:木野和代)
2016/5/12 >> 役に立つ!!心理学コラム
所用で盛岡に出かけました。市内を歩いていると,すれ違った女性が「先生・・・!?」と!
なんと卒業生でした!なぜか彼女とは卒業後に偶然仙台の街中でばったり出くわすことが多かったのですが,まさか盛岡ですれ違うとは思っていなかったので,一層嬉しい偶然でした。
以前会ったときには,産業カウンセラーの資格をとりたいので,仕事をやめて地元に帰るつもりだ,と聞きましたが,その後,無事,資格を取得したとのことでした!
現在は,産業カウンセラーとしての仕事にはついていないそうですが,「資格取得のために勉強したことは,婚活で活かせました!」とのこと。で,近々ご結婚だとか!
すれ違いざまの立ち話だったので,簡単なやりとりで終わってしまいましたが,いったい婚活にどう役立ったのかが気になります。
カウンセリング態度を「傾聴」といいますが,これが初期の人間関係づくりに役立った,ということでしょうか?
「傾聴」とは,’’Active Listening’’ を和訳したことばです。 ’’Active’’ ですから,積極的・意欲的に,相手の話を聞くわけです。
具体的には,①共感的理解(自分が相手の立場に立つというイメージを持つ)と,②受容(相手の言うことを拒否したり反対したりしないで聴いてみる),③自己一致(相手について感じたことを可能な限り正直に相手に伝える)で臨みます。カウンセラーの方々は,こうした態度を身につけて,クライエントと関係づくりをし,クライエントに寄り添うわけです。
産業カウンセラーの場合は,心理学関連の勉強以外に労働法の勉強もします。それも相手の職場での状況(生きづらさ,人間関係の苦しさ)を理解し,軽くするのに役立つのかもしれません。
いずれにせよ,心理学の知識を自分のものとして,さらに態度で示すことで人間関係の役に立つことが多いんですよ。勉強してみるとわかります!

天然記念物の石割桜。石の割れ目を押し広げ成長を続けているそうです。盛岡市にて。