Archive for the ‘役に立つ!!心理学コラム’ Category

3月の心理学コラム(担当:森康浩)家電の使い方のすすめ

2017/3/30 >> 役に立つ!!心理学コラム

気温も暖かくなり、春の訪れが近づいて来たことを感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。
春といえば、新生活が始まる時期ですね。
新生活に向けて新しく家電などを購入する人も多いと思います。
家電を買う際に、何を基準に選びますか?金額ですか?デザインですか?
人によっては、経済性や省エネかどうかを重視する人もいるかもしれません。
そのような環境に配慮した電化製品を買ったとして、どのように使いますか?
環境に配慮しているのだから、少しくらいつけっぱなしにしてもいいかなと思ったりする人もいるかもしれません。
実は、「お目こぼし効果」というものがあって、良い行いをしているのだから、少しくらい不適切な行動をしてもいいかなと思ってしまう特徴があることが議論されています(Catlin & Wang, 2012)。例えば、電気自動車だから、たくさん乗ってもいいかなとか、LEDの電球だからつけっぱなしでもいいかなと思ってしまうことがあてはまります。
環境に配慮したものを買うだけで満足するのではなく、日々の使い方も少し気にしてみると、家計にとって良いことになりますよ!そして、環境にもいいですよ!
4月から新年度が始まりますが、皆様の一層のご活躍お祈り致しております。

 

研究室の新生活に向けて購入した電化製品達

2月の心理学コラム(担当:佐々木隆之) カタカナ表記の話 その1

2017/2/15 >> 役に立つ!!心理学コラム

日本の芸能人でカタカナ表記のタレントは少なくありませんが、その中でちょっと気になる名前があります.EXILEとGENERATIONSの関口メンディ,ジャニーズ事務所の社長のジャニー喜多川などです.アルファベットで書くと,関口メンディはMandy Sekiguchiでありジャニー喜多川はJohnny Kitagawaとなります.メンディはマンディ・ムーア(Mandy Moore)と,ジャニーさんはジョニー・デップ(Johnny Depp)と同じつづりです.また,アグネス・チャンさんとジャッキー・チェンさんは,ともにChanさんです.このような表記の違いが起こる理由の一つは,日本語と外国語で母音が一対一に対応していないことです.共通日本語には5つしか母音が存在しないため,倍以上の母音がある英語の発音を日本語に当てはめるとき,きれいに対応するわけではありません.マンディともメンディとも聞こえる音があるため,表記の違いが起こるのです.もう一つの理由としては,日本語のひらがなやカタカナ表記と違って,アルファベット表記の読み方が多様だということがあります.英語の辞書を見ると,多くの単語に複数の発音が書かれています.どの発音を選ぶかによって、対応するカタカナが違ってくると考えられます.
母音の数といえば,琉球語の中には母音が3つしかない方言があります.また,東北地方の方言の中には,発音上「し」と「す」,「ち」と「つ」が区別されない例があり,発音される母音の数が表記される母音の数より少なくなることがあります.母音がどのように認識されるかも,心理学的に興味深いテーマの一つとなっています.

今年も卒論が完成しました.

今年も卒論が完成しました.

学年末が近づいてきました.4年生は卒論も仕上げ,社会へ出る準備や学生生活の最後を楽しむことに忙しい毎日を過ごしています.立派な社会人として巣立っていくことを祈念したいと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人とPCとの接点(6)(担当:工藤敏巳)

2017/1/30 >> 役に立つ!!心理学コラム

またまたポケモンGoの話から.
ポケモンGOは世界中でダウンロードされたゲームアプリで,社会現象にまでなっていますね.いろいろなところで問題を引き起こしてくれていますが・・・.そのゲームには仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の最先端技術が組み込まれていて,おそらく,2020年に開催される東京オリンピックまでにPCを取り巻く環境は激変し,VRやARの市場規模はより一層拡大していることでしょう.

新しもの好きのゼミ生が,VRの研究をしたいというのもので,HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を購入してみました.まだ,セッティングが終了したところですが,結構楽しめます.

面白そうな研究があります.オレオっていうお菓子ありますよね.大変美味しいクッキーです.それを画像処理をして大きさを変えて被験者に食べさせる研究です.すると,被験者は通常サイズのものを食べたときより,大きく見えるオレオを食べると満腹感をより感じたというのです.ダイエットに活かせるかと思います.

12月の心理学コラム 映画の話『ラブ・アクチュアリー』(担当:大橋智樹)

2016/12/19 >> 役に立つ!!心理学コラム

今回はこの季節にオススメの映画をご紹介しましょう。『Mr.ビーン』シリーズや『ノッティングヒルの恋人』,『ブリジットジョーンズの日記』などの脚本を手がけたリチャード・カーティスの初監督作品です。彼はDVDの特典映像の中で,自分の頭の中にはたくさんのラブストーリーがある。ラブストーリーを作り続けたら,一生,ライブストーリー以外の作品を世に出せなくなりそうなので,この初監督作品の中にすべてを表現した,という趣旨の発言をしていますが,まさにそういう作品です。

身分を超えたイギリスの首相と秘書の恋,言葉を超えた作家とウェイトレスの恋,障害を抱えた弟とその姉のきょうだい愛,友人の妻へのかなわぬ恋心,単なる身体目的の欲望の恋?,会社経営者とその従業員の許されざる恋,その経営者と妻の夫婦愛,そして,小学生同士の初恋などなど,たくさんのLoveがこれでもかと詰めこまれ,それぞれのLoveの行方をたった135分の中で形にするという脚本家としての見事な手腕が光る作品です。すべてのストーリーをハッピーエンドで終わらせていないところも,私は好きです。

Loveはあらゆる心の動きをともなうとても高度で複雑な,そして大切な営みです。本場イギリスのクリスマスの景色とともに,Loveについて考えてみてはいかがでしょうか。


※画像はYahoo!映画から

11月の心理学コラム:メタボのくまモン(担当:木野和代)

2016/11/12 >> 役に立つ!!心理学コラム

「くまモンは昔やせていたけど,熊本のおいしいものをいっぱい食べて,メタボになったんですよ」とアトレ川崎であった熊本フェアでの紹介に会場が沸いたとのこと(10月21日の朝日新聞)。ユーモアあふれる紹介だと感心。

新聞記事の写真には初代くまモンの姿も。確かに背が高くてやせている。そのせいか、怖がられたりして不評だったとのこと。その後,ミッキーマウスなどの成功例を研究して,今に至ったという。

現在は,全体に丸みを帯びて,4頭身から3頭身サイズへ。メタボになって,愛嬌のあるかわいい姿となった。

正高信男著「0歳児が言葉を獲得するとき」の中では,赤ちゃんは大人に「かわいい」という感情をかき立てる形質(=幼児図式)を備えていて,これが大人から子育て行動を引き出す原動力になっているという動物行動学者のローレンツの主張が紹介されている。そして,著者は,かわいいと感じるプロポーションの最適値は,約3.1頭身ではないかとしている。実際,昔朝日新聞で連載されていた4コマ漫画の「フジ三太郎」,花とゆめコミックスで連載されていた「パタリロ」。いずれの主人公も長きにわたる連載期間中に形態が変化し,晩年に至って約3.1頭身に収斂しているというのだ。

この他,かわいいと感じさせる特徴には,目鼻口などの顔のパーツの大きさや位置のバランスなどもあげられている。仕草や行動などもかわいいと感じさせる要素だろう。近年かわいいの心理学的研究も広がりを見せている。皆さんも周りにあるかわいいものに共通の特徴を探してみるとおもしろいかもしれない。

我が家のクマたちから