Archive for the ‘役に立つ!!心理学コラム’ Category

人とPCとの接点(6)(担当:工藤敏巳)

2017/1/30 >> 役に立つ!!心理学コラム

またまたポケモンGoの話から.
ポケモンGOは世界中でダウンロードされたゲームアプリで,社会現象にまでなっていますね.いろいろなところで問題を引き起こしてくれていますが・・・.そのゲームには仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の最先端技術が組み込まれていて,おそらく,2020年に開催される東京オリンピックまでにPCを取り巻く環境は激変し,VRやARの市場規模はより一層拡大していることでしょう.

新しもの好きのゼミ生が,VRの研究をしたいというのもので,HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を購入してみました.まだ,セッティングが終了したところですが,結構楽しめます.

面白そうな研究があります.オレオっていうお菓子ありますよね.大変美味しいクッキーです.それを画像処理をして大きさを変えて被験者に食べさせる研究です.すると,被験者は通常サイズのものを食べたときより,大きく見えるオレオを食べると満腹感をより感じたというのです.ダイエットに活かせるかと思います.

12月の心理学コラム 映画の話『ラブ・アクチュアリー』(担当:大橋智樹)

2016/12/19 >> 役に立つ!!心理学コラム

今回はこの季節にオススメの映画をご紹介しましょう。『Mr.ビーン』シリーズや『ノッティングヒルの恋人』,『ブリジットジョーンズの日記』などの脚本を手がけたリチャード・カーティスの初監督作品です。彼はDVDの特典映像の中で,自分の頭の中にはたくさんのラブストーリーがある。ラブストーリーを作り続けたら,一生,ライブストーリー以外の作品を世に出せなくなりそうなので,この初監督作品の中にすべてを表現した,という趣旨の発言をしていますが,まさにそういう作品です。

身分を超えたイギリスの首相と秘書の恋,言葉を超えた作家とウェイトレスの恋,障害を抱えた弟とその姉のきょうだい愛,友人の妻へのかなわぬ恋心,単なる身体目的の欲望の恋?,会社経営者とその従業員の許されざる恋,その経営者と妻の夫婦愛,そして,小学生同士の初恋などなど,たくさんのLoveがこれでもかと詰めこまれ,それぞれのLoveの行方をたった135分の中で形にするという脚本家としての見事な手腕が光る作品です。すべてのストーリーをハッピーエンドで終わらせていないところも,私は好きです。

Loveはあらゆる心の動きをともなうとても高度で複雑な,そして大切な営みです。本場イギリスのクリスマスの景色とともに,Loveについて考えてみてはいかがでしょうか。


※画像はYahoo!映画から

11月の心理学コラム:メタボのくまモン(担当:木野和代)

2016/11/12 >> 役に立つ!!心理学コラム

「くまモンは昔やせていたけど,熊本のおいしいものをいっぱい食べて,メタボになったんですよ」とアトレ川崎であった熊本フェアでの紹介に会場が沸いたとのこと(10月21日の朝日新聞)。ユーモアあふれる紹介だと感心。

新聞記事の写真には初代くまモンの姿も。確かに背が高くてやせている。そのせいか、怖がられたりして不評だったとのこと。その後,ミッキーマウスなどの成功例を研究して,今に至ったという。

現在は,全体に丸みを帯びて,4頭身から3頭身サイズへ。メタボになって,愛嬌のあるかわいい姿となった。

正高信男著「0歳児が言葉を獲得するとき」の中では,赤ちゃんは大人に「かわいい」という感情をかき立てる形質(=幼児図式)を備えていて,これが大人から子育て行動を引き出す原動力になっているという動物行動学者のローレンツの主張が紹介されている。そして,著者は,かわいいと感じるプロポーションの最適値は,約3.1頭身ではないかとしている。実際,昔朝日新聞で連載されていた4コマ漫画の「フジ三太郎」,花とゆめコミックスで連載されていた「パタリロ」。いずれの主人公も長きにわたる連載期間中に形態が変化し,晩年に至って約3.1頭身に収斂しているというのだ。

この他,かわいいと感じさせる特徴には,目鼻口などの顔のパーツの大きさや位置のバランスなどもあげられている。仕草や行動などもかわいいと感じさせる要素だろう。近年かわいいの心理学的研究も広がりを見せている。皆さんも周りにあるかわいいものに共通の特徴を探してみるとおもしろいかもしれない。

我が家のクマたちから

10月の心理学コラム:フィールドに一緒に出て行きましょう!!(担当:森康浩)

2016/10/17 >> 役に立つ!!心理学コラム

 

 

こんにちは。森康浩です。10月から心理行動科学科の一員となりました。どうぞ、よろしくお願いします。初回なので、自己紹介も兼ねながら、心理学の話をしようと思います。
専門は、社会心理学・環境心理学です。社会心理学は社会を対象としています。心理行動科学科のモットーである「心理学は机の上だけで学べない!!」というように、社会心理学も同様です。社会は机の上にあるわけでもなくて、本の中にあるわけでもなく、実際に皆さんが存在しているところに社会があるのです。そのため、社会心理学は実際の社会で起っていることや問題点に対して、心理学の観点からアプローチしていくことが求められます。私の研究のスタイルとして、フィールドに出て行くことを念頭に置き、実際の行動や行動の結果を観察・測定することをします。
具体的にどんなことを研究してきたかというと、主に環境配慮行動について研究してきました。環境配慮行動とは、環境問題に対して負荷の低い行動をどのようすれば促進することができるかを検討する分野です。特に家庭ごみの不適正排出行動の抑制や家庭での省エネ行動の促進を対象としてきました。
ここまで、読んだ人はそれって社会心理学なの?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、立派な社会心理学です。環境問題のような社会問題は、人々の行動が集積することで起きる現象で、社会的ジレンマの側面があります。また、ごみ捨て場に分別されていないごみや曜日が違うごみが常に排出されていたらどう思いますか?ルール守ればいいのにと思う人もいれば、他の人もやっているなら自分も分別しないで捨ててもいいかなと思う人もいるかもしれません。これは、まさしく社会規範です。
現実の社会には、心理学者が関わることで、解決の糸口が見えてくるものが数多くあります。社会をよくするための意義のある研究を皆さんと行なっていければなと思います。フィールドに出て、社会を心理学という観点からアプローチしていく力を一緒に磨きましょう!!

 

 

 

 

 

 

家庭ごみの不適正排出を抑制するための調査を行なっていたときの写真です

9月の心理学コラム 「多人数か少人数か(その2)」 (担当:友野隆成)

2016/9/23 >> 役に立つ!!心理学コラム

1年生の皆さんが本学に入学してから,もうすぐ半年が経ちます。大学での初めての定期試験を経験し,これまた初めての長期休暇を過ごして,先週後期の授業が始まりました。皆さん有意義な夏休みを過ごすことができたでしょうか?

 

さて,今回もまた「多人数か少人数か」というお話です。

 

心理行動実践セミナーでの私の担当班では,今年もまた義援金募集活動を行いながら,これまでに蓄積してきた研究成果を踏まえた実験と調査を行うべく,現在鋭意準備中です。

 

昨年度までは,1チームあたりの構成人数をほぼ均等にするために,人数にばらつきがあった場合は移動をしてもらっていました。しかし,今年度は例年より多い4チーム構成(今までは3チームが最大でした)とし,人数の調整を行わず,基本的に全員が第一希望のチームで活動ができるようにしました。そうしましたところ,少ないチームは3人,多いチームは9人となりました。果たして,このような人数差が,結果にどのような影響をおよぼすでしょうか…。

 

なお,今年も本学大学祭において,義援金募集活動をおこないます。10月15日(土)・16日(日)の両日とも,本学講義館4階C401・C402近くのスペースで,10時~16時の間にブースを設置します。多くの皆様にご協力をいただけましたら,幸いです。そして,集まった募金額や具体的な寄付先,そして上記「多人数か少人数か」の回答につきましては,11月23日(水・祝)に仙台駅近くのAER2階アトリウムで開催されます「ココロサイコロ2016」で公表予定です。詳細が決まりましたら,大学ホームページなどでお知らせいたしますので,こちらも是非ご来場ください!

 

写真では分かり辛いですが,右手前のチームが9人,そのやや左奥のチームが3人です。もうすぐ全チーム企画が確定します。