11月の心理学コラム:映画の話『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』(担当:大橋智樹)

2021/11/29 >> 役に立つ!!心理学コラム

 「鬼滅の刃」は少年ジャンプに2016年から2020年まで連載されていたマンガ作品です。大正時代を舞台に、鬼と鬼狩りとの戦いが描かれています。2020年には「無限列車編」として映画化され、日本国内の興行収入1位となりました。2019年には『竈門炭治郎 立志編』、2021年には『遊郭編』テレビアニメ化され、さらに続編の放送も決まっている大人気作品です。
 この作品の人気の理由はさまざまに考察されていますが、ここでは一つの特徴を取り上げようと思います。それは「悪役の背景」です。多くの物語には正義を行う者と悪を行う者が登場し、それらの戦いを描く作品はとても多いのですが、この作品は悪役である鬼の背景が丁寧に描かれることに特徴があります。
 『遊郭編』で戦った鬼は、もともとは貧しい人間の兄妹でした。その二人が鬼になった経緯が、戦いの終わったあとの一話分を使って丁寧に描かれるのです。幼いころから、さげすまれ、うとまれ、社会から排除された先に、彼らは鬼になる道を選んだストーリーが、見る者の心を打つのだろうと思います。
 悪役にも優しい光を当てること、それがこの作品の人気の源の一つだろうと私は思います。同時に、私たちの社会はそれを実践できているだろうか。そんなことも考えさせられる作品でした。

11月のリレーエッセイ(友野ゼミ1年 佐藤美京さん)

2021/11/22 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは!1 年友野ゼミの佐藤美京です。
今月に入ってから、日が短くなり気温がぐっと下がりました。体調を崩しやすい季節ですから、上着(衣服)などで温度調節をしながら健康に気を付けて生活してくださいね。

さて、衣服といえば、少し前に講義館前で衣服回収をしていたのを見かけた方も多いのではないでしょうか。今回はその衣服回収についてお話させていただきます。あれは11月23日に行われる「ココロサイコロ」に向けての活動でした。
私たちの班では、不要になった衣服を発展途上国に物資支援という形で寄付いたします。それと同時に、行動誘導についての心理を調べました。
実験方法は、12日間の間行われ、講義館前スペースにて衣服を回収。文字表記がされていない四季をデザインした4つの箱を春夏秋冬の順に設置。寄付してくださった方々には各自自由に衣服を入れてもらい、寄付後にアンケートにもご協力いただきました。
私たちの仮説として文字表記がなくても、箱のデザインを見て季節に合った衣服を入れてくれるのではないかと考えています。まだ、まとめている途中ですので結果は分かりませんが、自分たちの発表がしっかり出来るように準備を進めていきたいと思います。

10月のリレーエッセイ (佐々木ゼミ 2年:花屋 怜奈さん)

2021/11/2 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは!2年佐々木ゼミの花屋怜奈です。

秋は「食欲の秋」や「芸術の秋」、「スポーツの秋」などと言われることが多いですよね。秋は美味しいものが多いですし、楽しいことがたくさんありますね!私はどの季節も好きですが、夏から冬前までの季節はとくにわくわくします。

さて、芸術の秋ということで、私が所属している「仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団」についてお話させていただきます。
私は中学、高校と吹奏楽部でコントラバスを担当してきました。高校の時の顧問の誘いで高校3年生の1月から練習に参加しましたが、今まで慣れ親しんだ吹奏楽とは何もかもが違っていました。自分が周りの邪魔になってたら申し訳ないなどと思い、音を出すのが怖くなってしまった時もありました。しかし、同じパートの方が「申し訳ないって感じなくていいんだよ、自分が好きでやっていることなんだから自分が満足いくように弾ければいいんだよ」と言ってくださったことで、とても心が楽になりました。また、「失敗してもそれは悪いことではないし、そこから直していけばいいだけだから」とも言ってくださいました。その言葉が演奏を楽しむことや、失敗から学んでいくことを改めて気づかせてくれました。
11月3日に秋の定期演奏会があります。私にとってオーケストラの演奏会は2回目で、まだ不安はありますが、今回は音を楽しめるように頑張ります。指揮者練習の際に、指揮者の方が話の中で「本番はうまくいくのです」とおっしゃっていました。うまくいくために準備や努力はもちろん必要だと思いますが、このような気持ちで舞台に立てたらきっと本当にうまくいくのだろうなと思います。同じパートの方や指揮者の言葉を胸に、演奏を楽しんできます!

皆さんも自信がなくて辛いことや、上手くいかずに苦しいことがあると思います。しかし、何事も楽しむことが一番です!楽しめたらもう勝ちです!辛いことも苦しいこともありますが、楽しんでおけば嫌な思い出にはならないと思います。楽しんでいきましょう~(^^)

私が学んでいる心理学は、幅の広い学問です。私のオーケストラでの経験もきっと役に立つことがあると思います。実験レポートで忙しい学年ですが、大学の勉強も頑張ってます。

10月の心理行動科学科

2021/10/31 >> 今月の心理行動科学科

10月7日から3年生の学科就職支援「Pナビ!」が始まりました。セミナーや、面談を通して、就職活動の不安を解消し、前向きに活動できる企画です。
10月16・17日に大学祭とオープンキャンパスがオンラインで開催されました。心理行動科学科は学科の学びを活かした企画「ココロミル」を毎年開催していましたが、残念ながら今年も発表を取りやめました。毎年大変好評をいただいている企画なので、年内に何らかの形で発表できるように準備を進めていることろです。準備が整い次第お知らせします。
10月22日に1年生と3年生が論理文章能力検定を受けました。学びの質の保証として、ものごとを客観的に考える力や的確に表現する力の獲得の確認のため、1年生と3年生の全員が受検しました。
10月23日は総合型選抜二次試験が行われました。入学が決まった高校生の皆さんを迎える日を楽しみにしています。

10月の心理学コラム:「真正面」なミッフィー(担当:千葉陽子)

2021/10/13 >> 役に立つ!!心理学コラム

 ミッフィーが好きです(副手のたかのさんも!)。モノトーンやシンプルなものが好きな所以か、なんともいえない魅力があります。無表情なので、自身の感情を投映することを許容してくれているところが好きなのかもしれません。高校時代、アニメのミッフィーがTVで放映されていました(ちなみにうさこちゃんとじてんしゃいう題名でした)。アニメの中のミッフィーは、自転車に乗りながらもこちらを向いていました(写真参照)。森の中の木をかき分けながらどんどん前に進んでいくミッフィー。その身体能力の高さに衝撃を受け、友人とその話題で沸いたのが昨日のことのようです。危ないですよ、前向いてください!という突っ込みを誰もが入れていたはずです。いつも真正面を向いているミッフィー。これには、作者の強い想いがあることを最近知りました。いつもミッフィーたちが正面を向いている理由は「子どもたちの正直なまっすぐな目に応えたい。嬉しい時にも悲しい時にも目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたい」という気持ちのあらわれなのだそうです。

高い身体能力を発揮する!?ミッフィー

 乳児期の知覚・認知発達研究において、乳児の奇跡的ともいえる「顔」の認知についてはよく知られています。生まれたばかりの乳児の視力は0.02程度であるにも関わらず、生まれて一度も顔を見た経験がない新生児でも顔を選好することが様々な実験で明らかにされています。またある縦断的研究によって、月齢の低い乳児にとっては、顔は正面顔であり、横顔は顔とみなされない可能性が示されています。

 真正面をみつめるミッフィーを見習いつつも、世界をいつも真正面から受け止めていたらしんどい気がしてきます。たまによそ見しながら、生きていくのがよさそうです。