7月の心理学コラム(担当:佐々木隆之)

2010/7/27 >> 役に立つ!!心理学コラム

 

リズムの話(1)

日本人は3拍子のリズムが不得意だと言われます。確かに、明治以前の日本の古い音楽には3拍子のリズムはなく、2拍子系の音楽しかありません。「真室川音頭」や「佐渡おけさ」、「阿波踊り」のように8分の6拍子の音楽はありますが、これも2拍子とみなしてよいでしょう。千昌夫の「星影のワルツ」は往年の名曲ですが、この曲に合わせて聴衆が手拍子を打つと、1拍目、3拍目、2拍目、1拍目、…、と奇妙なことになります。欧米人ならばきっと3拍子を感じ取って1拍目に手拍子を打ち続けることになるでしょう。
音楽のリズムを研究していると、このように、民族や文化によってリズムの感覚が異なることに気づかされることがあります。一方で、民族や文化の違いを超えて知覚の特徴が共通に表れる場合があります。私は、20年以上にわたりオランダの研究者と一緒に研究を行っていて、日本人とオランダ人を比較することがあります。私たちが行っている研究では、どちらの国の被験者でも同じような結果になることが多いのです。
今、ワールドカップサッカーの真っ最中ですが、昨日(7月6日)の早朝には準決勝がありました。先週、研究の打ち合わせのためにオランダに行ったのですが、共同研究者のお宅で一緒に日本チームの試合を見ました。もちろん共同研究者も日本を応援してくれました。付き合いとしてはサッカーのような研究以外の話題もとても重要です。そこで、昨日は朝3時半に起きて応援することになったわけです。ついでに、今日も一日、オランダの国の色であるオレンジ色のユニフォームを着て勝利を祝いました。

写真はゼミの授業風景です。右端にオレンジのユニフォームが…

※佐々木先生の教員リレーエッセイはこちら

6月のリレーエッセイ(工藤ゼミ2年:石川あゆみさん)

2010/6/27 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは、工藤ゼミ2年の石川です!
最近は梅雨の時期ということで、雨の音に癒されています。
夏が来るのも時間の問題、あっという間にやってきそうですね。

さて、私たち工藤ゼミではスポーツ心理学について学んでいます。
工藤先生は学生をしっかり見ていてくれて、とても頼りになる先生です。現役スポーツ少女もいれば、汗をかきたくないから運動は嫌い、と極端ですがメンバーも個性的で様々です。今は運動部ではないのですが、スポーツをしていた私としてはよく分かり共感できる部分や、逆に初めて知る発見もありとても楽しいです。

また、宮城県内の大学横断プロジェクトにゼミの有志が参加していて、「ヘルシアを飲むと本当に体脂肪が燃焼しやすくなるのか」という実験をしています。週に3本ヘルシアが配布され、美味しく飲んでいます。特殊な万歩計をつけているのですが、やはりつけていると、歩くように意識するので最終的な効果が楽しみです。

実験で飲んでるヘルシア(を持つ私)

オープンキャンパスにはぜひいらっしゃって、宮城学院の雰囲気を是非、体験してみて下さい。
そして少しでも心理が気になった方や、興味があれば足を運んでみて下さいね。
新しいことに興味を持つチャンスかもしれないですよ。

6月の心理学コラム(担当:高田利武)

2010/6/27 >> 役に立つ!!心理学コラム

 

他人への目を自分にも向ける

私たちはよく集合写真を撮りますね。この写真は4月の新入生オリエンテーションキャンプ時のものです。私は最後列の右から4番目にいます(矢印)。どうして分かる? 自分の顔や姿の特徴を知っているからです。となりの佐々木先生も分かります。彼の特徴を知っているからです。でも、今はまだ新入生諸姉は誰が誰だか全然分かりません…
写真の中の人を、私は対象として眺めています。私の視線はその人々に向かっています。同じように、私の視線は私に向かっています。つまり、私は私を対象として見ているのです。「佐々木先生を知っている」ように「私自身を知っている」のです。もし、学生諸姉が分からないのと同じように、私自身が分からなくなったら… 大変なことです。
「自分を対象として見る」ことは、一部の類人猿を除けば人間だけができます。人間でも赤ちゃんなどにはできません。私は最近、昔に比べ「丸くなった」と言われます。もしかしたら、私は自分を対象として眺めるくせがつき、私の欠点を自分で直そうとしたせいかもしれません。もしそうなら、それは心理学を学んだメリットだったのかも…

※高田先生の教員リレーエッセイはこちら

5月のリレーエッセイ(佐々木ゼミ3年:菅原彩さん他)

2010/5/27 >> 在学生によるリレーエッセイ

私たちは佐々木ゼミの3年生です。

佐々木先生を含め心理行動科学科の先生たちは、とても個性的で面白い方々がたくさんいます。特に、佐々木先生は優しくてのんびりした感じの癒し系の先生です。

佐々木先生のゼミでは、視・聴覚に関わる色々な先行研究や先生が行った実験を知ることができます。実際に実験に参加して、自分たちでレポートを書いたりすることもあります。
ただ話を聞いているだけだと眠くなるという人も、佐々木先生なら飽きたり眠くなったりすることはないと思います。多分(笑)。時々心地よすぎて眠くなります。時々。

宮城学院女子大学の心理行動科学科では、よくイメージされるような心理学から、「これも心理学?」といいたくなるようなマニアックな部門まで学べる楽しい学科です。興味をもってもらえたら嬉しいと思います。

ここから菅原が担当します。
5月14日、新入生歓迎スポーツ大会が行われました。

このスポーツ大会に毎年心理行動科学科の1年生が出場していて、白熱した試合を見せてくれます。今年の1年生もみんなで声を出し合いながら、競技出場者・応援ともに一丸となっていました^^

みんなで1つのことに向かって協力するっていいなぁと、スポーツ大会が行われるたびに感じます。今回はお手伝いという形での参加でしたが、すごく楽しめた1日でした。

参加したみなさん、お疲れ様でした!

5月の心理学コラム(担当:木野和代)

2010/5/27 >> 役に立つ!!心理学コラム

 

映画で学ぶ心理学(1)

『12人の優しい日本人』という映画をご存知ですか。私が好きな作品の一つです。
「もし日本に陪審員制度があったら」という設定で,ある男性の死が殺人か事故か,被告人の殺意をめぐり12人の陪審員が激論を交わします。この議論の過程がとても面白いのです。外見で人を判断したり,個人的な問題を投影したり…。コメディですのでデフォルメされていますが,他者の内面的な特徴や心理過程を私たちがどのように捉えようとするのかがよくわかります。このような過程は、心理学では対人認知の問題として扱われています。
また,目撃証言と事実をつないで現場の状況を推論していくところは見所です。目撃証言の信憑性について考えるには記憶に関する知識が役立ちます。心理学は多くの実験に基づいて記憶のメカニズムを明らかにしてきました(詳しくはいずれコラムに登場するかも!?)。

裁判員制度がスタートして1年。裁判員制度は陪審員制度とは異なりますが,この映画は裁判において人の心がどのように働くのかを考える一つの材料となりうるように思います。そんなことも考えながら12人の行動を観察すると,単なるコメディとして以上に作品をたのしめるかもしれません。興味をもたれた方,一度観てみてはどうでしょうか。