現代ビジネス学科の商品開発

現代ビジネス学科では、学科開設以来、ゼミナールにおいて実践的な活動に力を入れてきました。それぞれのゼミナール(「ビジネス研究演習」「ビジネス実践実習」)では、PBL(Problem Based Learning:問題・課題解決型学習)を導入し、地域や社会が抱える課題を解決するための方策について、具体的かつ詳細に考察しています。企業との連携活動やフィールド調査などを通して、地域の現場で地域の課題を発見し、解決にみちびくための活動や商品開発などに取り組んでおり、その一部をご紹介します。

石巻フードツーリズム研究会×石原慎士ゼミ

マーケティングを専門とする石原ゼミでは、開発する商品を地域課題の解決をはかるための手段として位置づけており、地域の現場で地域の方々と連携し、地域資源を活用しながら地域産業の活性化に資するための商品を開発しています。
特に、東日本大震災で被災した石巻市の企業とともに地域性を生かした商品を代々にわたって開発しており、2021年度は、石巻に伝わる練り物の文化を生かした商品を開発する「石巻おでんプロジェクト」、石巻の郡部地域に伝わる製法を適用した唐揚げの普及を目指す「石巻どぶ漬け唐揚げプロジェクト」等を進めてきました。
学生たちは経営者や開発担当者との打ち合わせ、生産現場での試作や試験販売会の実施、評価の分析作業を行いながら商品の完成度を測定しました。また、商品のパッケージやプロモーション、POPやリーフレットの制作なども行い、理論の学習だけではできないビジネススキルの獲得にもつながっています。

石巻おでん

石巻市の企業6社(石巻フードツーリズム研究会)と連携して開発した「石巻レトルトおでん」は、原材料をおでん種からスープに至るまで国産にこだわっており、素材本来が持つ味わいを引き出すため化学調味料を使用していません。常温保管が可能であり、温めるだけで手軽に本格的な味を楽しめる商品です。この商品は水野水産株式会社様のオンラインショップや、いしのまき元気いちばなどで購入できます。

石巻どぶ漬唐揚げ

「どぶ漬け」とは「汁気があるタレなどに具材をどっぷりと漬け込む」という調理法のことです。石巻市の内陸部では、唐揚げを調理するときに鶏肉などの具材を長時間にわたって漬け込んで甘辛い味を中心まで浸透させます。肉の芯まで味がしみ込んだ唐揚げは、冷めても美味しく召し上がることができます。どぶ漬唐揚げの開発にあたって、ゼミ生は石巻地域の住民の方々にヒアリング調査を行い、試作を繰り返して漬けダレを完成させました。

「古今東北」シリーズ×宮原ゼミ・渡部美紀子ゼミ

「古今東北」は、2015年に食の震災復興支援のために「コープ東北」・「みやぎ生協」・「日専連」が出資して設立された㈱東北協同事業開発のブランドです。2017年以後、宮城学院女子大学現代ビジネス学部の学生たちが「古今東北」の新たな商品開発に携わる機会をいただき、様々な商品開発に携わりました。

宮城県産めぐみ野梅干使用 旨味すっきり梅昆布ドレッシング(ノンオイル)

めぐみ野のブランドの梅干を使用しており、出来立てをすぐに瓶に詰めているため、開封時に風味も楽しめる商品です。めぐみ野ブランドの梅干しは、宮城県角田市の特産品の梅をしそと塩で漬け込んでおり、合成着色料、保存料は使用していません。トロっとしたまろやかな味わいで、梅の風味と色合いを活かすために、うすくちしょうゆを使用、ノンオイルで仕上げています。
製造は内池醸造株式会社が引き受けてくださり、何度か学内で試食会を行った後に完成しました。

ふわっと香るゆずポン酢

登米にあるヤマカノ醸造と共同開発したポン酢です。ゆずの香りを活かしたポン酢を提案して商品化されました。香り高い宮城県産のゆず果汁に特選丸大豆醤油と、三陸産の昆布、枕崎産のかつお節だしをブレンドしてできた逸品です。

元気チャージにんにくふりかけ

学生たちが自炊やお弁当の時に、ご飯のお供に気軽に食べられるふりかけを2種類提案しました。にんにくが大好きな学生が、臭いを気にしないで食べられるふりかけを発案しました。青森県産の低臭にんにくを使用し、卵と白ごまをたっぷりブレンドすることで、マイルドなふりかけになりました。

スイーツシリーズ

これまでの「古今東北」の商品にスイーツを加えてはという学生たちの意見で、バームクーヘンやカステラ、ロールケーキが提案されました。
「しっとりバターバウム」および「しっとりバターかすていら」は、お茶の井ケ田との共同開発で、どちらも青森産小麦と白石産の竹鶏たまごとバターをたっぷりつかったコクのある味が学生たちに人気です。

株式会社カプセルボックス×渡部順一ゼミ

ポータブルマルシェ

2020年7月に始まったレジ袋有料化によって、エコバッグの需要が高まりましたが、既存のエコバッグ製品は洗濯機で洗うことができない、持ち運びする際にかさばって収納しづらいという課題がありました。また強度面の不安もあり、それらを解決する理想のエコバッグを作成したいと考えました。
本商品は、外側はピーチスキン生地、内側はポリエステルを使用しているため、洗濯機で洗うことができます。また、ポリエステルは撥水効果があるため、濡れたものを入れても表面に滲みにくいという特徴もあります。A4サイズのファイルも余裕を持って入る大きさなので、収納力も十分です。肩にかけることもできますので重いものも入れても持ち運びが容易です。使用しない時は、折りたたんでコンパクトになるため携帯にも便利です。

株式会社ミッシング・ピース×渡部順一ゼミ

モザイクキャンドル

私たちは、地元宮城県で事業を展開している企業さんに商品製造を委託したいと考え、宮城学院女子大学のクリスマスマーケットなどでお世話になっているLamp of hopeさんにご協力いただき、モザイクキャンドルを製作しました。大学内の礼拝堂にあるステンドグラス3点をモチーフに3種類製作し、親しみを感じられるようにしました。本商品は、火をつけなくても本体がステンドグラスのように光を通し、本体のみで美しいと感じることができます。また、1つ1つを手づくりしており、オリジナリティがあるため、温かみが感じられます。微かにいい香りがするので癒し効果があります。

マメムギモリノナカ×渡部順一ゼミ

ミツロウラップ

ミツロウラップとは、綿100%の布にミツロウ・天然樹脂・植物油を染み込ませたもので、洗って繰り返し使える食品ラップのことです。
メリットは手で温めると柔らかくなり、様々な形にフィットすることです。そのため、残り物の器にふたをしたり、使いかけの野菜を包んで保存することができます。また、ミツロウには天然の抗菌性と保湿性があり、包んだものの鮮度を保つ役割をします。さらに、形状を記憶するため、折りたたんで皿として使うこともできます。おもてなしでテーブルを華やかにしたり、アウトドアで食器の代わりに使うのもおすすめです。デメリットとしては、ロウが主成分のため、熱に弱く、電子レンジの使用や熱湯で消毒ができません。また、生肉・生魚に直接触れないように使用する必要があります。お手入れは、普段は食器を洗いうように水洗いで十分ですが、汚れが気になる時はスポンジに少量の洗剤をつけて優しく洗います。交換時期はみつろうコーティングが取れてサラサラの布の感触になったタイミングです。

三陸石鹸工房KURIYA×渡部順一ゼミ

オリジナル石鹸

新型コロナウィルスの流行により手を洗う機会が増え、石鹸の需要があるのではないかと考えました。女川町の三陸石鹸工房KURIYAとコラボし、自然由来で肌に優しくまた気分の上がる石鹸を製作することにしました。
石鹸の原料は、宮城県の自然素材である海草・シルク・米ぬかなどをベースとして作られています。一口サイズのチョコレートのように、キュートな見た目が印象的な石鹸で、シルク、豆乳、にんじん、わかめなどの自然由来の成分を一粒にギュッと閉じ込めて作られています。
アロマの香りがするので、リラックス効果がもたらされることも期待されます。

RUB-LAB×渡部順一ゼミ

MGオリジナルマスク

衛生グッズは、1年を通して時期を問わずに利用できます。使えない商品ではなく、使える商品を製作したいと考え、マスクが必須であるこのご時世に需要の高い衛生グッズに、大学ロゴを入れてオリジナルマスクを作ることにしました。マスクは消耗品であるため、購入してもすぐに廃棄してしまう不織布マスクではなく、洗って再使用可能な布マスクを選びました。

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現代ビジネス学部現代ビジネス学科 副手室:022-277-6208