【審査員】
株式会社東陽写場 代表取締役社長 後藤浩策
生活文化デザイン学科教員
(藤田嘉代子、大久保尚子、厳爽、須田眞史、安田直民、佐藤芳治)

最優秀賞(1作品)

諏訪 妃南里

諏訪 妃南里

小さなつららが木全体にでき、そのつららの重さで木の枝が所々折れてしまうため春になったら木の形を整えることになるので、綺麗だけれど形を整えるのが面倒なので毎年うんざりしています。

講評

ふと見上げた先にある、厳しい寒さが創り出す氷結の風景。枝から垂れ下がる無数の氷柱のクリスタルを斜光線がくっきりと浮かび上がらせる。モノクロームの世界の中で、常緑樹の透明感のある緑が命の色のように際立っている。構図、色彩、露出とも的確であり、前景・後景のボケ味も効果的。人間にとって「うんざりする」季節にも自然は大小のドラマを繰り返し見せてくれる。こうした誰にも知られることなく生まれ、そして消えてゆく自然界の美しさを見つめている作者のまなざしの確かさを感じる。

優秀賞(2作品)

古川 由佳

古川 由佳

髪型を整えて、化粧をして、着飾って。綺麗になったように見えても中身は何も変わらないもんだな、と化粧を始めてから思いました。外見だけでも綺麗になった自分を見て満足する同級生はよくわからないけど、よくわからないまま周りに合わせて着飾る自分が、なんとなく好きじゃないなと感じます。

講評

画面全体が暖かく柔らかい光でまとめられ、背景のルビー色やエメラルド色が絢爛に滲み、ある意味での満ち足りた雰囲気を醸しだしている。しかしその中で化粧をする少女の表情は幸福感からは遠いように感じられる。足りないものがないはずの都会の生活の中での、ふと感じる倦怠感や退屈感、理由のない焦燥感のような「気分」が良く表現されている。モデルの顔のフレーミング、表情をとらえたシャッターチャンスが秀逸であり、ソフトフォーカス、浅い被写界深度などもこの作品の持つアンニュイな空気感をよく伝えている。

兵藤 桃佳

兵藤 桃佳

いつもと変わらない日々。
あたりまえのようにやってくるこの時間。
友と過ごす大切な時間。

講評

夕方の逆光線の中で語り合う二人の少女。その表情は見えないけれども長く引いた影の中から二人の声が聞こえてきそうな気がする。二人の上半身をカットして影を主役にすることにより、見る人の想像力を引き出すことに成功しており、また人物を右側に寄せてスペース感を出して魅力的な構図を創り出してしている。シンプルな色彩表現がテーマを効果的に表現している。「いつもと変わらない日々」「当たり前のようにやってくる時間」も実はかけがえのない「友と過ごす大切な時間」であることを作者は知っている。そうしたことを見つめている作者のまなざしの温かさを感じる。

特別賞(6作品)

関口 和桜

関口 和桜

私は鍵っ子でいつも退屈な日々を過ごしています。ですが、私が退屈そうにテレビを観ている茶の間には思い出が詰まった写真でいっぱいです。「あぁこの頃は楽しかったなぁ」、「あの頃に戻りたいなぁ」と思いながら満たされない毎日を不足した何かを埋めるようにテレビを観てる様子を撮りました。

講評

退屈そうにうんざりしているご本人のいっぽうお部屋は家族の思い出があふれており、コントラストが面白いと思いました。

水上 蒼斗

水上 蒼斗

雄大な自然とは対照的な人工物が並ぶ姿は、見ていて窮屈でうんざりするという人もいるでしょう。しかし僕は、そんな人の手で創り上げられた生活の風景が好きです。おびただしい数の電柱に張り巡らされた電線が道路の上を覆い、遠くでは無数の配管を束ねた工場が立ち並んでいる。うんざりする程ひしめき合ったこの景色は、まるで街全体が一つの巨大な生き物であるかのようでした。

講評

遠景と近景とその間の緑とのバランスが絶妙に表されていると思います。

鳥飼 菜月美

鳥飼 菜月美

仕方なく勉強を始める。
ココロはどこにあるのか。

講評

なんで!?そこはどこですか?仕方なくそこで始めなきゃいけない状況にとても興味があります。

井上 藍

井上 藍

私は、この日本にうんざりしています。
皆が進めば進む。皆が手を挙げれば挙げる。皆が間違っているといえば悪になる。規律を重んじ、はみ出たものを処分するような学校生活が苦しいと感じています。ただ、こんな私にも心境の変化がありまして、その規律性の中に“美”を感じるようになりました。日本人としての“誇り”を感じるようになりました。私はこの1枚に、そのときの感動を表してみました。

講評

整然と並べられた空席、規律の中の美を見るような心境の変化がとても気になります。

堀 奏太

堀 奏太

「変わりたい」という気持ちでいるけれど「変われない」、
普段通りの、いつもの一歩。

講評

芥の中に映る自分、遠くの鉄塔などの鏡像は、偶然見出されたのでしょうか。象徴的なイメージだけれど作為で映せるものでもないですね。

海野 礼夢

海野 礼夢

寮生活をしている私達は年に2,3回しか親に会うことができません。スマホもパソコンも持ち込み禁止のこの寮で唯一の連絡手段は「公衆電話」。手軽に連絡が取れる現在では「大変そう」とうんざりされる景色ですが、私達にとっては、久しぶりに家族の声が聞ける「うんざりするほど幸せな時間」です。

講評

厳しい校則ではありますが、明るい構図と女子生徒の穏やかな表情から希望を感じました。

応募作品一覧

藤井 崇人

藤井 崇人

昨今、鉄道ファンによる撮影マナーが世間を騒がせてます。特に珍しい車両が通るわけではないのにもかかわらず、遮断機が下りるたびにシャッターをきっています。行き過ぎた行動をすると電車を止めてしまう可能性もあるので、ルールを守って楽しんでほしいと思います。

髙橋 琉志

髙橋 琉志

太陽のない空

大澤 ひかり

大澤 ひかり

サンリオキャラクターズのリトルツインスターズとコラボしていたイルミネーションを撮った写真です。寒くてうんざりしたけど、写真が撮れてよかったです。

宍戸 拓哉

宍戸 拓哉

朝に撮った写真でこれから学校が始まると思うとうんざりする

高橋 旭

高橋 旭

曇天

小口 寿輝

小口 寿輝

学校でぬいぐるみの生き物たちが生きているような写真(ぬい撮り)を撮りました。
左側にいる一番大きいお母さんが、子供たちを連れて、学校の校舎内をさまよっている写真です。親から子まで少しずつ小さくなっているのがポイントです。

三浦 和

三浦 和

校舎から見える工事の景色です。去年まで使っていた校舎が壊されるのを見ていた時の気持ちと題材が似ていたので撮りました。

本多 千愛

本多 千愛

この写真は、旧校舎が壊されている写真です。外は凄く寒く、教室から見える景色がうんざりしていたので撮りました。

本間 柚葉

本間 柚葉

冬になると我が家では欠かせないストーブですが、この給油の文字を見ると寒い中灯油を入れ直しに行けなければいけません。動きたくないけれど灯油を入れ直しに行かなければ部屋が寒くなってしまう。でも灯油を入れ直しに行くとせっかく温まった体が冷えてしまう。2つの気持ちにいつも葛藤しなければならない私の日常を1枚の写真にしました。

加藤 唯花

加藤 唯花

コロナ禍、とあるお店で一目惚れしたサボテンを購入しました。サボテンは世話が楽だと言いますが、どのタイミングでどのくらいの水をやろうかと悩んでしまいます。代わり映えのしない生活に1つやる事が増えました。

宮本 くる海

宮本 くる海

普段小学生などが遊でいる公園も雪が積もってることにより足跡がひとつもないところから誰も立ち寄らなくなっていることが見受けられうんざりしてしまうなと思い撮影しました。

佐々木 来実

佐々木 来実

いつも窓から見える一面に広がる雪と、寒空の下で白鳥たちが餌を食べる風景が印象的だったので撮影しました。また、積もった雪を見ると『起きるのが憂鬱になる時期が来たな』とうんざりしますが、その寒さにも負けずに懸命に生きる白鳥を見ると、自分も頑張ろうと勇気を貰えます。この写真のポイントは青と白のバランスです。

小野寺 凌大

SONY DSC

小野寺 凌大

この写真は雪が降り、積もった景色を映した写真です。初雪なら綺麗でさらさらしているからいいものを、何度も降った後の雪で地面も少し凍っているので、外に出ることもとても煩わしく感じたので撮りました。

齋藤 俊太

齋藤 俊太

普段あまり使うことのない歩道だけど、いざ使うとなると雪が道を塞いで、いくらのけても雪が邪魔をして永遠に「終わらないな…」と思わせてくる雪の多さにうんざりした。

佐藤 大耀

佐藤 大耀

私がこの写真を撮った時は物凄い大雪で、これからの雪かきがとても大変でした。

島野 結

島野 結

母が雪かきをしている写真です。毎年この風景を見ているけど、雪が多くなかなか終わらずうんざりします。

高橋 萌香

高橋 萌香

自宅の外に積もった雪を雪掻きしているところを撮りました。ふわりとした雪ではなくガリガリとした硬い雪だった為、より力を込めて雪掻きするのはとてもうんざりしました。スノースコップを目立たせ、人間の足だけを写したことにより、うんざりするものをより主張できたと思います。

金 優亜

金 優亜

この写真は飼っているウサギが私がお菓子を食べようと袋を開けようとすると毎回ウサギが自分にも「お菓子をくれ」とゲージを噛んで主張してくる様子です。可愛いけれど、ゲージがすぐにボロボロになってたまにうんざりしてしまいます。

小松 亜加梨

小松 亜加梨

冬に限らず学校から毎日同じ道を帰っていく。特に冬場なんかは日が落ちるのもはやいのでうんざりすると思って撮りました。

門谷 有理

門谷 有理

コロナウイルス感染予防のためのマスク生活にうんざりしたのでマスクの写真を撮りました。
一人一人が感染予防をしっかりしてうんざりするマスク生活をしなくてもいい日が来ればいいと思いました。

髙橋 恒成

髙橋 恒成

「少しのんびりしすぎた…」
必ず課題は早めに終わらせる。それぐらい分かってた…はずなのに!
年末年始をゆっくりと過ごしすぎて現実を目にした光景を撮りました。

佐藤 礼

佐藤 礼

毎日宿題などで机に向かって勉強をしなければならない学生にとっては、問題集を見ることがとてもウンザリする景色だと思います。

池田 尚史

池田 尚史

寒い冬の一時。
カラスの黒色が背景の空とゆっくり降っている雪の白色と対比していることによって電線とカラスがよく目立って見えるように撮りました。

渡邉 留唯

渡邉 留唯

冬休みが2週間もない中でこれだけの課題をやらなければいけないという大変さが伝わる1枚にしました。お正月が来る前に終わらせようとしたけれど、あまりの課題の多さにやる気がなくなりそうになる反面、焦りも感じさせる作品です。工夫した所は、積み重なっている課題の山にピントを合わせて斜めから撮ることで立体感を出したことです。

安藤 美咲

安藤 美咲

この写真は、豪雪のため年が明けてから2回目の除雪作業の時に撮った1枚です。自分の足の半分ほど高く積もった雪を、母と共に1時間かけて除雪した写真を撮りました。時折吹雪く中、汗をかきながら何度も雪を運んでいる母の姿が伝わるように撮りました。

井場 純菜

井場 純菜

趣味に没頭したあとの散らかった景色。片付けないといけないのかとどこかうんざりしてしまう。

藤澤 和弥

藤澤 和弥

「ウンザリするもの」と聞いた時、真っ先に思い浮かんだのはあの下校中の電線です。
いつも信号待ちの時にふと見上げると空に覆いかぶさるように煩雑な、人工的な、電線が目に入ります。
ただ、この「ウンザリする」電線が、月と共にレンズに映った美しさに自分は感動しました。
「ウンザリするもの」も「ウツクシイもの」になり得るのだと感じた瞬間でした。

関口 陽菜

関口 陽菜

朝、玄関で見送りをしてくれる小さな家族。
帰宅すると出迎えるように集まってくれるかわいい家族。
我が家の癒し。

小山 響輝

小山 響輝

いつも外を眺めている窓際の友だち。
彼は何を見ているのか、何が楽しいのか。
もしかしたらいつもと違うのか。
彼にしかわからない、いつも通りの景色。

山本 姫李

山本 姫李

いつまで続くかわからないコロナ禍で、思うような生活を送ることができないうんざりする日々にふと見つめた海。風が吹いて、目の前に広がる海の青ときらめく太陽の光が希望となりますように。

片山 伊万里

片山 伊万里

いつもの廊下。
少し違う角度から見たら、いつもと違う友の顔が見えました。

太田 愛菜

太田 愛菜

机の並ぶ教室。全開の窓。風にはためくカーテン。
友と過ごす変わり映えのない1日。
この瞬間には戻れない、毎日の大切な時間。

川又 ひなた

川又 ひなた

廊下で物思いにふける友だち。
何か楽しいことでも考えているのかな。

牧原 芽衣

牧原 芽衣

毎日笑顔で過ごしているけど、それはホントの笑顔なのか。
退屈な日々を無理やり作った笑顔で精いっぱい生きているのか。
苦しくてもつらくても顔に表さずに過ごしている人に気付いてあげられる人になりたい。

松田 玲奈

松田 玲奈

雪かきしても降る雪にうんざり。

鶴ケ谷 花怜

鶴ケ谷 花怜

雪が降り、除雪されていない道は人が歩いた足跡が道となります。そんな狭い道を通る瞬間を撮った1枚です。

町田 博音

町田 博音

毎日通る通学路の脇道のお地蔵様を撮影した一枚。
お花が御供えさえており人情も感じられる一枚にもなっています。
実は毎朝忙しく脇道を見る事がなくお地蔵様がいるのに気づいたのは実は最近です。

水野谷 樹里

水野谷 樹里

この写真は、学校のビオトープを撮影しました。紅葉していてとてもきれいでした。

山田 彩織

山田 彩織

久しぶりの雪に大はしゃぎしてたら手が真っ赤に…

内藤 拓海

内藤 拓海

普段は銀色の普通列車が折り返していくだけの、静かな駅。まわりは山や小川が流れ、住民もそれほど多くはない。そんな風景に蒸気機関車が一両加わっただけで、静かな駅の風景は様変わりする。そんな、普段とのギャップや小さな変化を楽しめる写真をまた撮影しに行きたいです。

西村 洋子

西村 洋子

学校で工事が続いています。トイレ改修、エアコン交換等がコロナウイルス感染前から続いています。いつになったら終わるのだろうと思いました。

関 ことは

関 ことは

買い物に行った帰り、見慣れたお店の看板を見ると、見慣れない生物の姿を見たような気がして写真を撮りました。でも、あとから見直すとそれは雲でした。龍のような姿をした雲。今でも大切な写真です。

野口 大倭

野口 大倭

中学生になった時にバス通学が始まって以来、ひたすらに見てきた、いや、見させられてきた地元のバス停。京都は雪は降っても積もらないといったそんな地域なんです。
しかし、そんな地域に雪が積もった。かれこれ数年ぶりに地元で雪を見ましたから、あまりの新鮮さに我を忘れて写真を撮っておりました。気づけば牡丹雪まみれ、そのままかぜっぴきでした(笑)

近藤 彪乃介

近藤 彪乃介

真冬の早朝。寒さで身震いし、手がかじかんだ。真っ白な風景の中に一点の色が見えた。
柿だった。こんな冬になっても収穫されず腐ってゆくのだろうと考えると、この時代に取り残されているような自分と重ね合わせられ、少し悲しい気持ちになった。

吉田 碧美

吉田 碧美

いくら気合を入れて準備し整えた髪型でも、少し風が吹けば、この通り。朝の忙しい時間を割いて一生懸命に整えたあの時間はなんだったのか!くしでとかしても数秒後には風が…。もう少し容赦して欲しいです笑

神原 乙葉

神原 乙葉

東京都杉並区にある善福寺公園の桜の写真です。毎年、部活動で写真を撮りに行きますが、マスクをして長い時間歩くのでうっとうしくなります。仕方がないのですが、うんざりしています。外出している人が皆さんマスクをしています。早くコロナが終わってほしいと思います。

村石 海夕

村石 海夕

学校の教室から見える風景です。
通っている高校は地元なのでちょうど私の家が遠くに見えます。教室から外を眺めているとずっと地元から出ていない気がして少しうんざりします。でも夏は入道雲が沢山見れるので気に入っています。

白鳥 瑠菜

白鳥 瑠菜

今の時代、皆が当たり前のようにして持っているケータイ。いつ、どこに行くにも、肌身離さず持っている。今の時間を一緒に過ごしている人より、ケータイの操作を優先していませんか?あなたは今どちらの方が大切ですか?

三石 英史マティアス

三石 英史マティアス

窓を開けたら見える景色。夏にしかしない部屋の換気をすると見えるので、私の中で夏のイメージはこれになっている。いつもの夏の景色。都庁を筆頭とするビル群を見ようとすると、気づいたら隣の家を覗いていることがある。バカ野郎!

及川 孔明

及川 孔明

1番嫌いな授業で使う教室。5階まで階段で登らなければ行けないのが尚更嫌いになる理由。
しかし、朝誰よりも早く行ってみたら、写真を撮りたくなるような光が差し込んでいた。