あらゆるメディアの中で生活の一部に選んでもらえるラジオ番組を作りたい

ラジオ3 パーソナリティ サッカー実況中継 ディレクター 青木 朋子さん

ラジオの仕事を志すきっかけは?

小学生の頃からラジオに慣れ親しんでいて、小学校、高校、大学は放送部や委員会に所属していました。特に好きだった番組「赤坂泰彦のミリオンナイツ」で、阪神淡路大震災で被災した女性が1年後に電話出演し、当時とてもラジオに救われたという話をしていたんです。そのことに感動し、ラジオの仕事に就きたいという思いがますます強くなりました。

ラジオ局への就職は難関では?

大学時代に放送部の先輩がラジオ3で月1回番組を担当していて、私と後輩も参加していました。ラジオ・テレビ局でのアルバイト経験もありましたが、メディア系への就職活動は狭き門ですべて不採用。結局、一般企業に就職したのですが、ある日ラジオ3でお世話になった方から欠員が出たと連絡を頂いたんです。当時の職場には申し訳ないと思いつつ退職し、ラジオの道に進みました。

仕事の内容を教えてください。

例えば生放送の情報番組の場合は事前にゲストの情報を調べて質問内容を考えておきます。ベガルタ仙台の実況中継では、中継場所を借りる申請から回線の申し込み、移動の手配、実況者が話しやすい環境作りなど多岐に渡ります。番組制作の収支を考えることも大切です。コミュニティFMは少人数運営で一人何役もこなしますので、自分のやりたいことがすぐに提案でき、実現しやすい環境が魅力です。

印象的だったエピソードがあれば教えてください。

東日本大震災の時、街で見つけた炊き出しなどリアルタイムの情報をTwitterに書きこみました。すると見た人が拡散してくれたり、番組内でも逐一紹介する流れが自然にできました。家族が見つからないという情報を放送すると、後日「無事家族に会えました」とお礼を言われたり。ラジオ3を聴いてくれている方がいると実感できて、やりがいを感じました。

今後の夢や目標は?

ラジオ3は来年の2月で開局25周年を迎えます。様々なインターネットメディアに人は流れても、ラジオはなくてはならないものであってほしい。私は震災の時にスマホのラジオアプリで仙台空港の被害を知り、ラジオを携帯する大切さを実感しました。非常時に限らず、普段から皆さんがラジオを聴く習慣がつくような番組を作っていきたいと思います。

マスコミ志望の学生にアドバイスをお願いします。

この仕事は、いつどんな人と仕事をするかわからないので、学生時代に様々なことに興味を持ち、見て聞いて、体験しておくのが良いと思います。私のような就職の例もあるので、多方面にアンテナを張り、顔を出して人脈を作るなどいろいろ種を蒔いておくと、声をかけてもらうチャンスがあるかもしれないので、やりたいことにはあきらめず挑戦してください。