宮城学院女子大学(以下「本学」という。)は,建学の精神,スクール・モットー「神を畏れ,隣人を愛する」に基づき,「愛のある知性を。」にあらわされる教育理念の具現化に向け,本学の教育の質の保証及び向上に恒常的・継続的に取り組むための内部質保証に関する方針および手続ならびに組織体制等について,以下に定める。また,これらをもとに本学の教育機関としての責任を果たすものである。

Ⅰ.本学における内部質保証に関する方針(内部質保証に関する基本的な考え方)

1.内部質保証システムの構築

本学の設置にかかる理念・目的の実現に向けて,本学における教育研究活動等に対して不断に自己点検・評価を行い,PDCAサイクルを適切に機能させ,自己点検・評価の実質化が図れる内部質保証システムを構築する。その際に全学を掌る機関レベル,学部・研究科等の学位プログラムレベル,授業科目レベルの3つのレベルが相互かつ適切にリンクするよう構築することが重要である。

2.教育の基本方針の策定

本学の理念・目的をふまえた「学位授与方針」,「教育課程の編成・実施方針」および「学生の受け入れ方針」(以下「3つの方針」という。)を策定し,その方針を明確化するとともに「3つの方針」に基づき展開された教育活動の質を保証するために教育活動の有効性の検証とその検証結果を踏まえた改善・向上を恒常的・継続的に行う。

3.教育研究活動の質保証

本学に設置する学部・学科,研究科およびその他の組織は,自らの教育研究活動等に関しては,「3つの方針」の適切性,学生の「学修成果」,教員の「教育成果」および「研究成果」等について定期的に自己点検・評価を行い,改善・向上を図り,教育研究活動の質保証を行う。

4.外部からの評価

本学の内部質保証システムは,自己点検・評価結果の客観性及び妥当性を高めるために第三者機関による認証評価および本学が定める学外者による外部評価等の結果に基づき自らの教育研究活動等に関しての改善・向上を図る。

5.社会への公表

本学における自己点検・評価,第三者機関による認証評価および本学が定める学外者による外部評価等の結果を積極的に公表し,自らの教育研究活動等の質の向上を図り,教育,学習等が適切な水準にあることを大学自らの責任で説明し証明していく。

Ⅱ.本学における内部質保証推進組織体制

1.三役会議

本学の内部質保証に責任を負うため,学長,副学長等により構成される本学における最重要意思決定機関として大学の運営を掌握する組織であり,全学を掌る機関レベルの内部質保証システムの構築の役割を担う。

2.学長連絡会議

三役会議を含む大学運営にかかる執行役員(「宮城学院女子大学教授会役員等選任規程」第2条第一号から第四号,第五号のうち室長,第十号および研究科長ならびに担当課長をいう)より構成される大学の運営・意思決定に係る調整・執行機関として位置づけられ,機関レベルおよび学部・研究科等の学位プログラムレベルの内部質保証システムとの連携が図られる。

3.学長戦略室

三役会議の直轄に位置するIR(Institutional Research)を主たる任務とする組織として置かれ,学生の「学修成果」,教員の「教育成果」および「研究成果」等に関わる情報を収集するとともに分析を行う。また,自己点検運営委員会の報告をもとに検証を行い,改善・向上の一連のプロセスを構築し,三役会議に対して教育研究活動の質保証に必要な提案を行う。

4.自己点検運営委員会

委員長を学長とし,教育研究活動等に関する事項の点検・評価の実施方針を策定し,本学に設置する学部・学科,研究科およびその他の組織に対して定期的に自己点検・評価を実施するとともに報告を行う。

5.学部(学科,専攻)・研究科(専攻),各センター(委員会)等

自らが行う教育研究活動等について,「3つの方針」の適切性,学生の「学修成果」,教員の「教育成果」および「研究成果」等に関する自己点検・評価を定期的に行い,自らPDCAサイクルを適切に機能させることにより,学部・研究科等の学位プログラムレベルおよび授業科目レベルの内部質保証システムとの連携が図られる。

6.理事会

理事会は学校法人としての理念・目的を示し,設置学校の運営にかかる財務や組織等に関する点検・評価を行い,内部質保証体制を構築するとともに,設置学校の改革・改善に必要な経営資源を適切に整える。

Ⅲ.本学における内部質保証の検証(点検・評価)

「建学の精神」,「3つの方針」,学長が定める方針等に基づく教学計画の適切性・実効性,教学マネジメント機能や内部質保証システム機能の有効性について評価・検証するため,関連する情報やデータを収集・把握し,IRに基づく分析結果を活用する。また,第三者機関による認証評価および本学が定める学外者による外部評価等,有識者による評価・提言結果を活用する。これらを活用し,教育研究活動等の質の向上を推進するため,教学計画,教学マネジメント機能や内部質保証システム機能等の改善を図っていく。これら一連の手順は,関連規程および「アセスメントプラン」においてこれを定める。なお,その概要は以下の通りである。

1.授業科目レベル(年間2回)

各教員が自らの担当する授業について,必要なデータに基づいて点検・評価を行い,改善計画を練る。改善計画は学部(学科,専攻)・研究科(専攻)において点検・評価し,必要があれば計画の修正を求める。学科・専攻において確認した改善計画は教務センターおよび専攻主任委員会に集約し,FD活動に結びつけて教育の質の向上を図る。

2.学位プログラムレベル(年間1回)

学部(学科,専攻)・研究科(専攻)が自らの運営する学位プログラムについて,必要なデータに基づいて点検・評価を行い,改善計画を練る。改善計画は教務センターおよび専攻主任委員会において点検・評価し,必要があれば計画の修正を求める。教務センターおよび専攻主任委員会において確認した改善計画は教授会および研究科委員会に報告し,必要があれば学則の改訂等を行う。

3.機関レベル(年間1回)

各部局が自らの担当する教学活動について,必要なデータに基づいて点検・評価を行い,改善計画を練る。改善計画は自己点検運営委員会において点検・評価し,必要があれば計画の修正を求める。各部局において確認した改善計画は教授会および研究科委員会に報告し,全学的な内部質保証を推進する。

Ⅳ.第三者による認証評価

1.認証評価機関

本学は認証評価機関を公益財団法人大学基準協会と定め,政令(学校教育法第109条第2項および学校教育法施行令第40条)の定める期間の7年以内に認証評価機関による認証評価を受審する。大学評価結果および大学評価結果に付された問題事項に関する提言に対しては,自己点検運営委員会を経由して学長戦略室,三役会議において迅速かつ適切に判断を行い,改善・向上の一連のプロセスを構築し,関係組織等に改善指示を行う。

2.外部評価委員会

本学が行う自己点検・評価結果をもとに内部質保証システムの妥当性及び客観性を高めるため,学外の学識経験者等により構成される委員会を設置し,第三者の立場から検証を行い,教育研究活動等の質保証に必要な改善・向上にかかる提言を学長に行う。提言に対しては,自己点検運営委員会を経由して学長戦略室,三役会議において迅速かつ適切に判断を行い,改善・向上の一連のプロセスを構築し,関係組織等に改善指示を行う。

Ⅴ.本学における内部質保証推進状況の公表

大学全体の内部質保証によって創出された教学諸活動等の成果等を積極的に公開し,社会への説明責任を果たす。