Archive for 10月 2nd, 2015

【現場部4】JAXA|宇宙航空研究開発機構

2015/10/2 >> 現場部

8/27~28の2日間、茨城県つくば市にある、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に行きました。

この企画は、人類動態学会という学術団体が主催するもので、年に一回、全国の大学から教員と学生が集います。産業に関わる現場を見て、現場の方の話を聞き、それらに基づいて、学生たちだけでディスカッションをし、その結果を発表するという研修会です。今年度はJAXAが会場で、全国9大学から50人以上の院生・学生たちが集まり、本学科からは学部2、3年生10名が参加しました。

JAXAの展示館では、ISS(国際宇宙ステーション)に物資を届ける「こうのとり」(8/19に種子島宇宙センターから打ち上げ成功したばかり)や、宇宙実験棟である「きぼう」の実物大模型を見たりして、説明を受けました。また、JAXAの有人宇宙技術部門の方々(心理学者もおられます)から宇宙に人を送り出すことの難しさ、楽しさについて伺いました(撮影は遠慮して欲しいとのことでした…)。
なんと、古川聡宇宙飛行士も参加してくださり、興味深いレクチャーをしていただいただけでなく、質疑にも応えていただきました!JAXAの方々は、皆さんとても柔和で聡明な方でした。

その後、大学横断的に作られたグループに分かれ、主催大学(今年は早稲田大学)から与えられたテーマについてディスカッションをします。今年のテーマは、なかなかの難題でした。これを一晩かけて考え、翌日の昼過ぎにはプレゼンまで持っていくという課題に学生たちだけで取り組みます(教員たちは温かく見守るだけ)。
1)地球から重力の異なる環境に到達したクルーと、その環境で数年間暮らしたクルーとが、親睦大会をしたときに、後者が必ず勝てる競技は何か。
2)地球とは異なる重力環境の中で健康を維持する目的で実施するレクリエーションを考えよ。単なるエクササイズではなく、楽しんでできること。
※地球より高重力環境と、地球より低重力環境を、上のいずれかに割り当てること。一方を高重力環境としたら他方は低重力に(逆もまたしかり)しなければならない。

一泊二日の経験で、学生たちはいろいろなことを学びます。大学の偏差値が必ずしも人間の能力と比例しないこと、自分ができないと思っていたことが意外にできること/自分ができると思っていたことが意外にできないこと、他大学の先生が学生にどのように接しているか、見ず知らずの人たちと目標を共有することの難しさ・楽しさ、そしてなにより、「何でもやってみないと分からないこと」を学べたのだと思います。

これぞ現場部!、これぞ心理行動科学科!な二日間でした。
(大橋記)