Archive for 2月, 2026
前回7月のコラムにおいては、2025年3月に卒業した犯罪心理学ゼミ1期生の卒業研究「命の大切さを学ぶ教室~京都アニメーション事件被害者等による心情伝達~」について御紹介いたしました。なお、同講演会を宮城県警察と協働で2025年10月11日(土)に本学大学祭においても開催しましたので、HPを参照願います。
さて、今回も卒業研究に関する情報をお知らせします。内容は、闇バイトの抑止です。注目したのは、大学生のSNS上における対人関係です。理由は、若年者がSNS上でのやり取りから、面識のない加害者(リクルーター)から「特技を生かせる」などと誘われ、特殊詐欺等闇バイトに巻き込まれないようにするためです。同研究は、「閲覧のみ」、「他愛のない会話」、「個人情報の開示」及び「深刻な悩み相談」をしているSNS上の相手から、闇バイトを誘われた際の危惧感が異なるかについて調査しました。結果、「深刻な悩み相談」をしている相手から闇バイトを誘われると、他の関係性よりも、危惧感が低くなることが明らかとなりました。つまり、大学生等の若年者は、SNS上において親密な関係、すなわち絶大なる信頼を向けた相手からの誘いであるため、自ずと危惧感が減少し、ひいては加担してしまうことが推察されました。その防止策は、今までの啓発文である「遭ったことのない知人」に加えて
「SNS上で信頼している相手」
「SNS上で悩みを相談している相手」
が闇バイトの加害者であるという心理教育が急務と考えられます。
犯罪被害者等を出さないためには、あらゆる角度から闇バイトへの加担を防ぐことが、必要です。
それでは、またこのコラムでお会いできることを楽しみにしております。
上記詳細については、以下に筆者が取りまとめた論文がございますので御参照願います。
https://www.mgu.ac.jp/miyagaku_cms/wp-content/uploads/2026/02/141_P89.pdf
2月のリレーエッセイ (瀧澤ゼミ2年・佐々木美月さん)
2026/2/4 >> 在学生によるリレーエッセイ
こんにちは!心理行動科学科瀧澤ゼミ2年の佐々木美月です!
後期の授業が終盤になり、今年度が無事に終わろうとしています。
私は、『ボクのいろ』という本を紹介します。もともと別の本を探して本屋に立ち寄ったときに、出会いました。目当ての本は見つからず、棚を眺めているうちに、ふと手に取ったのが『ボクのいろ』でした。話を読み進める中で、自分自身の在り方や他者との違いについて考えさせられました。
本作は、周囲と異なる「色」を持つ主人公の戸惑いや不安を通して、違いを抱えたまま生きることの難しさを描いています。人は集団の中で安心を得るために周囲と同じであろうとしますが、その過程で自分らしさを見失ってしまうことがあります。心理学的に見ても、こうした同調圧力は自己肯定感に影響を与える要因の一つです。主人公が自分の色を受け入れていく姿は、自己理解やアイデンティティ形成の過程を象徴しているように感じられました。
『ボクのいろ』は、違いを否定せず、そのまま受け入れることの大切さを静かに伝えています。この休み期間にさまざまな場所へ足を運んだり、多様な人と交流する中で、自分とは異なるものに触れてみてはどうでしょうか。その経験の積み重ねが、他者を理解しようとする姿勢を育て、日常生活の中で穏やかな人間関係を築くきっかけになるかもしれません。




