4月の心理学コラム:桜とサクラ(担当:瀧澤 純)

2024/4/18 >> 役に立つ!!心理学コラム

仙台では桜が咲き、散り始めています。今回はカタカナの「サクラ」、つまり仕込みの偽客について書きます。

サクラでイメージされるのは、イベントや商売事で客のふりをして盛り上げる人だと思います。一方で心理学の実験でも、「実験について知っているのに、知らないふりをしている人」をサクラと呼びます。英語でいうと、confederate(共犯者・共謀者)やcooperator(協力者)です。

私の卒業論文や修士論文は、ペアのうち一人が言葉で指示をするサクラで、もう一人の実験参加者が指示を理解するときの視線や手の動きを検討しました(瀧澤,2010)。下の画像は実験参加者の視点を簡略化したものです。電池が入った箱と、その奥にいるサクラが見えます。実験前にはサクラに「この場面では『大きい電池を下に動かして』と言ってください」などの仕込みをして、指示の言葉が一定になるようにしました。また、サクラには実験の仮説を教えないようにしたり、実験の内容を知らないふりをする練習をしたり、サクラの方も大変な思いをしながら協力してくれました。

私にとってサクラとは、出会いと別れを想像させる花であると同時に、大学生と大学院生時代の思い出がよみがえる言葉です。あなたにとってのサクラはどんなものですか。

文献
瀧澤純  (2010).  指示対象の理解における自己中心性に及ぼす学習の効果  首都大学東京・東京都立大学心理学研究,20,37-44.

 

3月のリレーエッセイ(木野ゼミ2年・髙橋雪姫)

2024/3/19 >> 在学生によるリレーエッセイ

みなさん、進級や進学などの節目をきっかけに、自分を取り巻く人間関係に、小さいものから大きいものまで、変化を感じたことはありませんか? また、些細なことで学校や外に行きたくないかも……なんて思ったことはありませんか?
ご挨拶が遅れました、木野ゼミ2年髙橋雪姫です!私は少しだけ“心理”っぽいことをみなさんにお話したいと思います。

考えが負の方向へ走ると止まらなくなり、この世界に自分の味方は一人もいないと思ってしまうこともあるかもしれません。「自分は一人の世界を生きている」と思っているかもしれません。しかし、必ず自分は誰かに影響を与え、自分も周りから影響を受けているもので、生きていく上で他者とのつながりは必ずあるものです。
出会いの春、別れの春と言いますが、新しく出会う人との関係構築はもちろん、これまでに関わりのあった人たちとの関係を継続し、強めていくこともできます。
春目前の今、私たちの周りにいてくれる人を大切にしながら、共に世界のたくさんのことを知っていくべきだと私は思っています。人との縁は蔑ろにできないもので、気づいた時に自分の周りにいる人たちを大切にするべき人だと思います。

私たち一人ひとりが、かけがえのない大切な存在です。そんなかけがえのないあなたと、周りのかけがえのない人たちが、 素敵な毎日を送れることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

春は桜が満開のキャンパス。今年も満開の美しい桜に期待です!

2月の心理行動科学科

2024/2/29 >> 今月の心理行動科学科

少しずつ日差しが春めいてきましたね。

大学は1月末で授業終了しましたが、2月には補講、連講があります。

2月3・4日にA日程一般入学試験が行われました。

2月10日に電力ビルグリーンプラザでMG-Pスクエアを開催しました。
1年生から4年生までの全ての在学生及び教員の中から希望者が自由に研究成果を展示発表しました。

2月22日に早期合格者の集いが行われました。
参加したみなさんは上級生と一緒にグループワークを行い、交流を深めていました。

MG-Pスクエアの様子

2月のリレーエッセイ(大橋ゼミ1年・佐藤朱里)

2024/2/27 >> 在学生によるリレーエッセイ

私は先日友人とカフェに行きました。いつもはカフェラテやココアなどを頼みますが、その日はいつもは頼まないものに手を出してみたくなり、名前でなんとなく美味しそうだなと思ったエスプレッソを頼もうとしました。しかし、友人に「苦すぎるやつだからやめろ」としつこく忠告を受けました。ですが私は友人の言う事をそこまで信じず、注文することにしました。そこでまた、店員さんにも苦い商品だけど大丈夫かと確認されました。ここまで来た時少し不安になりかけましたが多少苦くてもどうにかなるだろうと思いエスプレッソを注文しました。ドキドキしながらエスプレッソを待っていると出てきたものは驚くほど小さいティーカップでした。 しかしまだ、シルバニアファミリーサイズだと友人と冗談を言い合えるほどの余裕は残っていました。そして、どんな味なんだろうと期待しながら一口飲むと一気に絶望しました。私は砂糖やミルクを加えなんとか飲み切ることに成功しました。私は友人と店員さんの忠告を思い出すとともに、新しいものに挑戦するのは少し控えようと思いました。エスプレッソを美味しいと思える日はくるのでしょうか。私はもうしばらくは飲みません。

 

2023年度の木野ゼミ「卒業研究」

2024/2/26 >> 学生による実践研究成果

2023年度の木野ゼミ『卒業研究』を,2024年2月10日に東北電力グリーンプラザ アクアホール(電力ビル1階)で開催された「MG-Pスクエア」において報告させていただきました。当日,発表で使用したポスターを以下にご紹介します。ご来場いただき,ありがとうございました。

● 発表1 ●
動物動画はポジティブ感情を引き起こすのか―動画内容と音の有無による影響―
発表者:浅野亜衣莉・一戸萌佳・葛巻彩
発表資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF:約750KB)

● 発表2 ●
大学生の「悩み方」と自己開示の深さおよび過剰適応との関連
発表者:板橋怜奈・佐藤夕愛
発表資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF:約950KB)

● 発表3 ●
職場で理不尽な扱いを受けた際の感情とストレス対処行動―相手との関係性と理不尽な扱いを受ける頻度に着目して―
発表者:太田侑李架・松平麻衣
発表資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF:約910KB)

● 発表4 ●
自己否定への返答における直接表現とあいまい表現が対人印象に与える影響
発表者:木曽綾音・坂井美桜
発表資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF:約460KB)

● 発表5 ●
SNS利用におけるリスク認知および読者層認知が個人情報公開に及ぼす影響―XとInstagramの比較から―
発表者:武山桜羽・脇山莉奈
発表資料はこちらからダウンロードいただけます(PDF:約490KB)