6月の心理学コラム: 潜在化しやすい犯罪被害とは(担当:浅野晴哉)
2024/6/7 >> 役に立つ!!心理学コラム
宮城学院女子大学心理行動科学科の教員になり、1年が過ぎました。ゴールデンウイークが終わり、皆様方も本格的に学業や仕事に打ち込んでいるのではないでしょうか。一方、ペースが上がらないなど何となく疲れを感じている方は、1年前のコラムにおいて五月病について触れましたので御参照いただければ幸いです。
さて、今回は私の専門である犯罪被害者等支援に関して取り上げます。去る5月23日に宮城県庁講堂で「令和6年度宮城県犯罪被害者等支援連絡協議会総会」が開催されました。本総会は全面的に改正された「宮城県犯罪被害者等支援条例」(以下「改正条例」という。)施行後、初となる会議でした。また、僭越ながら「犯罪被害者等の心理と支援~潜在化しやすい犯罪被害の検討~」と題し、私が講演させていただきました。
その理由は、改正条例第21条に「被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する支援」が掲げられているためです。被害が潜在化しやすい犯罪被害者等とは「子ども、障がい者、高齢者、性犯罪・性暴力被害者、配偶者からの暴力による被害者等」とあります。なぜ潜在化しやすいのでしょうか。例えば、第1に示された「子ども」の性犯罪被害は、監護者、教師、支援者及び塾講師など本来子どもを性犯罪から守り、かつ、性犯罪を受けたときに子どもが支援を求める信頼すべき大人が加害者になるためです。子どもは、本来支援を受けるべき大人からの被害であるからこそ、訴える力を失います。加害者はこれらの関係性に乗じて長期かつ反復した性暴力を繰り返し「被害が潜在化」します。その子どもは長期反復性の被害により、心のみならず身体にも甚大な影響を受けるのです。
これを防ぐには、このような犯罪被害を受けている人が多いという現実を、私たち一人一人が知ることです。つまり、現実を知り、これらの問題を「見逃すことができない」という認識が芽生え、潜在化した犯罪被害者等への支援体制構築につながるのです。
どうか、このコラムが皆様にとって、犯罪被害を潜在化させないという気運を醸成するための第一歩になることを祈念いたします。
それでは、またこのコラムでお会いできることを楽しみにしております。
5月の心理行動科学科
2024/5/31 >> 今月の心理行動科学科
新緑の季節です。学内は藤、ツツジが満開となりました。
5月21日には学友会執行委員会主催の新入生歓迎会があり、心理行動科学科の1年生も参加しました。
「イントロクイズ」や「ピンポン玉移動ゲーム」、「クレープ作り」を実施し、大変盛り上がりました。
5月25日は大学後援会総会が行われ、保護者の方々が総会、進路相談、学科の懇談会に出席されました。
爽やかな初夏の季節、ぜひ行楽やお散歩を楽しんでくださいね。
5月のリレーエッセイ(友野ゼミ3年・千葉桜子)
2024/5/17 >> 在学生によるリレーエッセイ
皆様ごきげんよう。私は友野ゼミ3年の千葉桜子と申します。気温差が激しい日々ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?私は楽しいゴールデンウィークが終わりいよいよ夏がやってくるのかと身構えているところです。
今回は私のゴールデンウィークについてお話しようと思います。私はゴールデンウィークに母校の高校の演劇部の単独公演を見に行きました。私の所属していた演劇部では単独公演が3年生の集大成のようなもので、1年生のころからどれだけ成長したかを表す場でもあります。私は卒業してから毎年観劇しているため、後輩たちの成長がわかりやすく、今回も楽しく観劇させていただきました。
観劇してふと思いたったのでここに書きますが、演劇というのは自分を客観的に見ることが必要になる時が多々あります。私はその客観視する感覚を忘れないように読書や映画、演劇を鑑賞すると必ず自分を客観視するような時間を設けています。
皆様は自分を客観的に見ることができていますか?これは就職活動にも役立つものではないかと私は感じています。主観的になってしまうと本来見たい、見せたいものが変わってきてしまうので時には自分を客観的に見ることが大切だと思っています。ぜひこの機会に自分を客観視してみてはいかがでしょうか。それでは。
5月の心理学コラム:『消滅可能性自治体』(担当:大橋智樹)
2024/5/10 >> 役に立つ!!心理学コラム
「人口戦略会議」は4月24日、全国744市町村を「消滅可能性自治体」と発表しました。地域ブロック別ではわが東北が165自治体で最高なのです。これは、国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月に公表した2050年までの地域別将来推計人口に基づいて分析し、子どもを産む中心的な年齢層である20~39歳の女性人口の増減に着目したものです。この”若年女性”の減少率が50%以上である自治体は消滅する可能性がある(高い)として示したものです。
たしかに、いまの科学では女性の出産によってのみ人口は維持または増加されるのであって、”若年女性”が減っている=出生数も減る=人口が減るという構図は正しいでしょう。逆に言えば、若い女性を増やし、出生数も増やさないと、人口減少は止まらないとも言えます。
一方で、女性の活躍を推進させるためのさまざまな施策に国は躍起になっています。ここでの「女性の活躍」とは、家庭以外での仕事上の活躍を指しているのでしょうから、女性が男性と同じく働き続けることが目標とされるわけです。
この2つのこと、すなわち、「女性が子どもを産むこと」と「女性がバリバリ社会で働くこと」をどう両立させるかが、人口減少にどうブレーキをかけるかの答えなのだろうと思います。
ただ、最近ちょっと考えるんです。カナダの人口は4,000万人、オーストラリアは2,700万人、オランダ1,800万人です。人口で言えば、日本の50年先と同じくらいの国はたくさんある。人口減少にブレーキをかけることだけを考えるのではなく、人口が減っても豊かな国を作ること*も*考えても良いかもしません。
図:消滅可能性自治体マップ(朝日新聞のサイト(https://www.asahi.com/special/population2024/)より引用)
4月の心理行動科学科
2024/4/30 >> 今月の心理行動科学科
暖かい陽気と共に、新年度がスタートしました。
4月4日に入学式が挙行されました。
心理行動科学科は95名の新入生を迎え、式後はクラス担任との懇談教室に移動し、学科の先生方と初対面をしました。
4月5日からは各学年のガイダンスが行われました。
4月7日の午後から1年生はオリエンテーションキャンプに出発しました。今回の会場は秋保の緑水亭でした。
4月8日、オリエンテーションキャンプから帰ってきた1年生は、まず情報教室でPCを使用して科目登録を行い、その後、在学生の案内で学内ツアーを行いました。
4月9日から授業が始まりました。
4月24日には学友会総会が開催されました。
新入生にとっては、あっという間の1ヶ月だったのではないでしょうか。