11月の心理学コラム:私こそ真のミッキー・ファン?(担当:木野和代)

2018/11/19 >> 役に立つ!!心理学コラム

「ミート・ミッキーに660分待ち」というニュースが、今日(11月19日)のゼミで話題になりました。
1928年11月18日はミッキーがスクリーンデビューを果たした日で、昨日は90歳の誕生日。「記念日をお祝いしたい」と、TDLの「ミッキーの家とミート・ミッキー」にたくさんの人が押し寄せたとのことです。整理券が配られたものの、グループの誰かは並んでいなくてはいけないルール。
11時間待ちと聞いただけで疲れてしまい、そんな行列に並ぶなんて信じられない…と思ってしまうのは私だけではないようで、学生たちも同じように驚いていました。

実際に何時間も待った人たちはさぞかし疲れたことでしょう。ですが、それ以上に、うれしさや満足感で満たされ、ミッキーのことが一層好きになった人も多かったのではないでしょうか。そんな現象を「認知的不協和理論」で説明することができます。
認知的不協和理論とは、二つの矛盾する「認知」を同時に持つと、私たちはしばしば不快な気持になりますが、その不快感を軽減するために、矛盾する認知のどちらか一方を変えてしまったり、片方の認知を弱めてもう一方を強めたり、一方の認知を補強する情報を探したり、矛盾する認知に関する情報を選択的に避けたりするというものです。

何時間も待って、90歳の誕生日にお祝いの気持ちを伝えたことで、ミッキーへの親近感を強め、「それくらい私はミッキーが好きなんだ」「ミッキーも喜んでくれた」「楽しかった」と思いたい、というわけです。
夢の国TDLのお話なのに、夢のない話をしてしまいましたね・・・。ですが、こうしたことは、誰でも日常生活のいろんな場面で出くわしているのではないでしょうか。

さて、ミッキーのおかげで6年前に書いたコラム(2012.11.12upload)で予告していた「続き」が、ようやく書けました(笑)。続きとはどういう意味かは、皆さんで考えてみてください。

以上、卒業研究で誕生日プレゼントを題材にしている学生たちとの会話からでした。写真は彼女たちの卒業研究中間発表会資料の一部。

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