11月のリレーエッセイ(森ゼミ2年 熊谷未悠)

2020/11/28 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは。森ゼミ2年の熊谷未悠です。
2020年もあと少し、冷気が深まり一段と寒さを感じる今日このごろ、皆さん御元気にお過ごしでしょうか。今年は、前期がリモート授業だったため実感が湧きませんでしたが、気付いたらあっという間に後期も後半になってしまいました。時の経過は早いものです…

さて、私たち2年森ゼミは後期に入り38人となった新体制で、2021年2月20日にAER仙台で行われる、MG-Pスクエアに向けて研究を行っています。6つの班が「影響力の武器 戦力編」という本を元に、それぞれお題を決めて研究している最中です。この本は、人間関係において”大きな結果”をもたらす、”小さな工夫”について着目しており、日常で活かせる心理学の知恵を得ることができます。知っているだけで賢くなれそうですよね!少し興味が湧きませんか?!ちなみに、私の所属している班は「先延ばし」について研究しています。学校の課題など、ついつい先延ばしてしまう事って結構ありますよね…
研究内容については実験や調査の真最中のため、詳しくお話しすることができないので、ご興味をお持ちの方は、是非当日会場に足をお運びください。お待ちしております!

これからも新型コロナウイルスの感染対策を徹底し、元気に過ごしましょう!

11月の心理学コラム:新型コロナウイルスCOVID-19とヒューマンエラー(担当:大橋智樹)

2020/11/27 >> 役に立つ!!心理学コラム

この1年、世界を支配したCOVID-19は、私の専門であるは産業におけるヒューマンエラーの防止ととてもよく似ています。今回は、そのお話をしましょう。
両者がよく似ているのは、「何もしなければ起こらない/かからない」という“完璧な対策がある”という点です。ヒューマンエラーは何らかの業務や作業があって初めて発生するので、現場が止まっていれば基本的には起こりません。COVID-19への感染も、一人家にじっと閉じこもって人との接触を避けていればかかりません。
でも、ヒューマンエラーを起こしたくないからと現場を止めていたら、そこには何も生まれません。もちろんお金も入ってきません。COVID-19への感染を恐れて家に閉じこもっていても同じです。人とのコミュニケーションや、現地に自分で足を運ぶことによって生まれるリモートでは得難い貴重な経験はできません。ですから、“完璧な対策”は選択肢になり得ないので、どちらも一定のリスクを受け入れながら活動していくという選択肢しか残らないのです。

実はこのような、アクセルとブレーキを同時に踏むようなことは、ヒューマンエラーや感染症以外でも起こっています。たとえば、車や列車、飛行機を利用することも一定の事故のリスクを受け入れることですし、進学や結婚といった人生の選択でも同じです。社会にも人生にも、あらゆる人間の活動にリスクはつきものなのです。
大学は、そういった問題をきちんと捉えて、後悔の少ない選択ができるようになるための力を身につける場です。文系学問に位置づけられながら理系的要素を多分にもつ心理学は、そういった力を身につけるためにうってつけな学問だと思います。ぜひ、一緒に心理学を学びましょう!

10月の心理行動科学科

2020/10/30 >> 今月の心理行動科学科

10月1日から3年生の学科就職支援「Pナビ!」が始まりました。
セミナーや面談を通して就職活動の不安を解消し、前向きに活動できるよう支援しています。
その成果は、4年連続の就職率100%として表れています。
10月4日は総合型選抜一次試験が行われました。
10月10日は大学祭でした。今年は在学生・教職員のみが参加できる学内開催となりました。
心理行動科学科は学科の学びを活かした企画「ココロミル」を毎年開催していましたが、今年は参加を見合わせました。
10月21日には今年度中止となった心理学検定に代わる試験を学内で実施しました。
試験に先立ち、10月8日に学科で対策講座を開きました。
10月24日は総合型選抜二次試験が行われました。
10月30日には1年生と3年生全員が論理文章能力検定を受けました。

10月のリレーエッセイ 佐々木ゼミ4年 鈴木怜奈さん,本間彩さん

2020/10/29 >> 在学生によるリレーエッセイ

こんにちは。
佐々木ゼミ4年の鈴木伶奈、本間彩です。2020年も最近は肌寒い日が続き、マスクが感染予防のみならず、防寒対策としても活躍してくれているのではないでしょうか。
今年は時間の流れが例年よりも早く感じています。4年生だからなのか、コロナ禍だからなのか…。
今年の卒業論文中間発表例年より2か月遅れで開催されたため、最終締切がすぐそこまで迫ってきているようにも感じられます。
私たちは、前期はリモートによる実験を行い、実験で使用する道具を事前に郵送したり、オンライン上でも伝わるような実験内容の説明を考えたりすることがとても大変でした。しかし、後期には対面授業が解禁されたことで、1,3年生に協力していただき前期よりも多量のデータを得ることができました。ご協力していただき本当にありがとうございました!!
今後もまだまだ危機感を持ちつつ、私たちの研究が順調に進められるよう協力し、楽しみながら卒業論文を完成させたいと思います!

PCに向かってデータ整理をしています.


データ整理の様子 その2

10月の心理学コラム:理論と経験のミスマッチから学問は進む!?(担当:木野和代)

2020/10/10 >> 役に立つ!!心理学コラム

以前とりあげた「認知的不協和理論」では,「人気のタピオカのお店で長時間行列に並ぶことになったけれど,待った甲斐あって美味しくて満足だった,また行きたい」ということが起こります。しかし,理論ではうまく説明できないケースがあるようです。

濱(1991)は,経験に照らし合わせてみると,その商品の品質が劣悪だったときは満足(しようと)しないのではないか,という考えから,それを確かめる実験を行いました。それは,大学祭の模擬店(たこ焼きの屋台)でのフィールド実験でした。
コスト(待ち時間が長いか短いかの2パターン)と商品の品質(食材などの質が高いか低いかの2パターン)を組み合わせた4つの条件を設定し,条件間でお客さんのおいしさの評価を比較したのです。
結果はというと,高コスト(長時間待ち)の場合には,低品質のたこ焼きが提供されるとおいしさの評価が低くなる傾向にありました。つまり,経験からの予測どおり,品質の低い商品に対しては認知的不協和理論が適用できないことが示されたというわけです。

学科実習室の各種学会論文集コーナー

これは,日本心理学会の研究大会で報告された研究で,以前ゼミの学生さんが,学科の実習室にある資料から見つけて,授業で紹介してくれたものです。授業では,学んだ心理学の理論を,身の回りの様々な出来事にあてはめて考えてみてもらいます。皆さんも座学で理論を学んだら,経験と照らし合わせて検討してみてください。面白い研究に発展することがあるかもしれませんよ。

文献:濱 保久 (1991). 待てば待つほど美味しくなるのか?―大学祭模擬店における認知的不協和理論の検証― 日本心理学会第55回大会発表論文集, p.680.