7月の心理学コラム:初期設定の力(担当:森康浩)
2022/7/21 >> 役に立つ!!心理学コラム
うちの子供は回転ずしが大好きです。何を食べたいと聞くと必ずといっていいほど候補にあがります。
回転ずしでは、高級なネタを1貫で提供するところもありますが、基本的には一皿に二貫乗っているのが普通です。食べる方からするとレーンを回る皿に2貫ずつ乗っているのでたいして気にせずに食べると思います。しかし、日常を注意深く見ると、最初に設定されているものをついつい受け入れてしまうことが多くあります。このようなことを初期設定といいます。
日本では臓器提供の意思表示として、免許証に選択肢があってそれに意思を書き込むことで臓器提供に対して同意しているのか確認することができます。しかし、ここに意思を書き込んでいる人もいると思いますが、いない人も多いと思います。フランスやスペイン、北欧では、すでに印がつけられており印を外さないと臓器提供に同意していることになってしまいます。そのため、自分の意思を表明するする人が多くなっています。
Googleの社員食堂では、野菜などのヘルシーなものが取りやすく、カロリーの高いものは取りにくくなっており、自然と健康的な食事ができるような状況となっているそうです。
つまり、設定される状況の違いによって人の行動は変化してしまうことになりますし、最初に与えられた状況にあわせて行動しようとする傾向もあります。
普段の日常を振り返って、初期設定に従っていつの間にか受け入れてしまっていることが他にもあるか考えてみましょう。