8月の心理学コラム「カタカナ表記の話 その2」(担当:佐々木隆之)

2017/8/26 >> 役に立つ!!心理学コラム

カタカナ表記の話 その2

前回(2017年2月)に日本の芸能人のカタカナ表記について書きましたが、今回はその続き,子音の話です.
ジャッキー・チェンとアグネス・チャンは,どちらも名字がChanだということは前に書きましたが,チャンといえばチャン・グンソクを忘れてはいけません.チャン・グンソクをアルファベットで表記すると,Jang Keun-Sukです.どうしてJangがチャンになるかというと,子音のカテゴリ境界が言語によって違っていることによるものです.日本語の「チャ」と「ジャ」の境界とハングル(朝鮮語)の「チャ」と「ジャ」の境界はずれていて,ハングルの「ジャ」のうちの一部は日本語の「チャ」に聞こえます.グンソクの「グ」と「ク」にも同様の子音のカテゴリ境界のずれが存在します.ペ・ヨンジュン(Bae Yong-Joon)の「ペ」と「ベ」の間も同様です.「ペ」と「ベ」の境界は,英語とタイ語の間で最も大きな違いがあり,スペイン語ではその中間に境界があるという研究報告があります.
日本語の中でも,中田を「なかだ」と読ませるか「なかた」と読ませるかという違いがあります.濁音となる「なかだ」は東日本に多く,清音の「なかた」は西日本に多いそうです.西日本で朝鮮語や中国語の影響が大きかったことが影響している可能性があります.
大学ももうすぐ夏休みが終わり,後期が始まります.10月には大学祭が開催されますが,学科でも例年に増して面白い企画を考えています.ぜひご来場ください.写真は,今年度の大学祭の実行委員です.

大学祭実行委員です.

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