12月の心理学コラム(担当:木野和代)

2011/12/10 >> 役に立つ!!心理学コラム

震災救援活動と自衛隊員の心

引き続き「ココロサイコロ2011」の話。発表を無事終えてひと段落したところで,少しふり返ってみたいと思います。
私のゼミでは救援・支援する人の心理がテーマでした。夏休み直前まで議論を重ねた結果,自衛隊と大学生ボランティアに焦点を当てることになりました。どちらも力作ですが,今回は自衛隊調査から学んだことについて。

自ら被災しながらも,任務優先で過酷な環境の中での救援・支援にあたった自衛隊員。訓練を積み強靭な心身をもつとはいえ,そのストレスは量り知れません。自衛隊への聞き取り調査から,自衛隊では隊員をPTSDにさせないための対策として,「現場での対応」を充実させていたことがわかりました。また,隊員の心についても具体的なお話をたくさんお聞きし,その状況の過酷さを知ることができました。

しかし,隊員の心を想像はしてもしきれぬものがあったように思います。
当初の研究計画には,個々の隊員へのアンケートもありましたが,衛生科の方の助言で中止しました。その理由は,任務終了後3カ月で,これからPTSDの発症が懸念される時期であり,隊員を刺激する可能性があるためでした。人を傷つけないよう配慮した「つもり」でしたが,まだまだ不十分だったと改めて考えさせられました。

1年生の皆さんにとっても大きな学びであったことを確信しています。

写真:発表直前の集合写真

Leave a Reply

XHTML: You can use these tags: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>