12月の心理学コラム ノーベル賞受賞を讃える心(担当:木野和代)

2014/12/13 >> 役に立つ!!心理学コラム

2014年ノーベル賞では,日本人3名が物理学賞を受賞されましたね。今週は,授賞式関連のニュースが新聞・テレビでも連日報道されていました。

こうしたニュースを見て,「すごいな~」と思われた方,「ついに受賞!よかったなぁ」と思われた方。

そして,自分が受賞したわけではないのに,なんだか誇らしいような気持ちになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは,同じ日本人が受賞したから,同じ地域・同じ高校/大学の出身だから,・・・などといった理由によるものでしょう。

私自身,名古屋大学出身だからでしょうか,今年は,このニュースに目が行くことが多いです。天野浩先生の笑顔を見ていると,こちらまでうれしい気持ちがしてきます。
こうした反応を客観的にみてみると,「栄光浴」や「自己評価維持モデル」という心理学用語が浮かびます。

「栄光浴」とは,高い評価を受けている個人・集団と自己との結びつきを強調することによって自己評価や他者からの評価を高めようとすることで,自分の印象を操作する方法の一つです(有斐閣・心理学辞典より)。「今年のノーベル賞受賞者は誰だっけ?」と問われて,「私の出身大学の天野浩先生がノーベル物理学賞を受賞」なんて,私が答えたとしたら,これは「栄光浴」とよばれます。「私の出身大学」なんて余計な説明がついていますね。同じ大学の出身というだけで,同じ研究室・学部でもない,授業を受けたことすらないにもかかわらず;笑。

この流れで「自己評価維持モデル」についてもお話したいところですが,もうちょっと説明が長くなりますので,また別の機会に!

(写真1)実は,新聞の切り抜きまでしてしまいました・・・ちょっとした天野先生ファンです。
(写真2)ちなみに,心理行動科学科の在学生たちも頑張っています。学生たちの研究活動は,毎年のように,報道していただいています。

 

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