12月の心理学コラム:都市伝説の話(担当:大橋智樹)

2019/12/30 >> 役に立つ!!心理学コラム

一部の心理学者の間で伝えられる“都市伝説”があります。それは,「心理学者は自分に足りないところを研究対象とする」というもの。交渉下手な交渉心理学者とか,社会性のない社会心理学者とか,記憶に自信がない記憶心理学者とかetc.です。
私の専門はヒューマンエラー(人間のミス)です。そして,私はとてもミスの多い人間ですので,さしずめ「ミスの多いミス心理学者」と言えるでしょう。最初から意識して自分のミスを研究しようと思ったわけではありませんが,私には当てはまるようです。
学生さんにもよく話す逸話があります。まだ一人暮らしをしていた時,回覧板をアパートの隣の家に届けなければならないことがありました。忘れないようにしようと,玄関前の内開きのドアに立てかけて寝たのです。どかさなければ出かけられないので,忘れないだろうと思ったわけです。
しかし,次の日,私は見事に回覧板をどかし,玄関を開けて外に出ていました。でも鍵をかけた瞬間に,あっ!と気づいたのです。苦笑いをしながら鍵を開け,回覧板を小脇に挟んで,,,次に回覧板の存在に気づいたのは,職場に着いた時でした。助手席にちょこんと座っている回覧板を見つけて思わず笑ってしまいました。
人間はそういうことをする生き物なんです。だから心理学はやめられません。

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