園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2024.01.19 特別な世界

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「森林浴にはリラックス効果がある」「自然の中にいると心が安らぐ」と言われていますが、実際に森林浴で癒されたという方も多いと思います。日本では1982年に、林野庁の長官が“森林浴”を提唱し、森林療法の概念を確立し、自然美を見直し、森をつくる意欲を高めようとの想いから「海水浴」「日光浴」を真似て作られた言葉だそうです。その森林浴のには「フィトンチッド」と「マイナスイオン」の2つ効果があることがわかっています。フィトンチッドは、樹木などが発散する化学物質のことで、植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことで微生物の活動を抑制する作用があるそうです。一方、マイナスイオンは、大気中に存在する分子の集合体で、天然のマイナスイオンは森の中、特に水しぶきのあがるところに多く存在していて爽快感、静けさ、空気の清浄さがあり、それらには快適性を向上させる効果があるそうです。嬉しいことに森のこども園は森の中にあり、フィトンチッドとマイナスイオンを日々浴びる環境が整っているということになるかと思います。

ところが、今日、宮城学院中高弦楽班の生徒さんたちに来てもらい広場(ホール)で行われた「森のおんがく会」は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの音がホール内に響き渡り、森に出かけることなくとも森林浴ができること、音楽の楽しさ、素晴らしさを体感・再認識させてもらいました。この音楽祭、子どもたちがホールに集まる前に音合わせと進行のリハーサルをしてくれたのですが、リハーサルとは全く違う(予期せぬ)子どもたちの反応に驚きと喜びが混ざり合ったのでしょう、緊張もほぐれ奏者と聴衆が一体となった素敵な時間になりました。ほんの30分程度の音楽会(コンサート)のため何時間、何日もかけて練習を重ねてくれたであろう弦楽班の皆さんに感謝します。このような贅沢な時間を過ごさせてもらえるのは宮城学院の素晴らしさの一つであることは間違いありません。附属施設としてこれからも大学、中高との交流を行いwin-winの関係が持てればと思っています。

さて、給食後、そろそろお昼寝の時間となったころ、未満児クラス前の廊下から誰かの泣き声が聞こえてきます。一体誰が泣いているのだろうと思っていたら、程なくして1歳児ぶどう組のM君が0歳児もも組のF先生に抱っこされ気分転換のために職員室へやってきました。そんなM君に「どうしたの?お散歩にでも行ってきたら?」と声をかけたら「うん」との返事が返ってきたので「誰と行く?」と尋ねたら何と「園長先生」というのです。F先生というだろうと思っていたのでびっくりしたのですが、ご指名をいただいたのでM君のリクエストに応え気分転換のために散歩に出かけることになりました。ところがこんな時に限って鳥が中々見つけられず、学生生協付近まで来てしまったにも関わらず、まだ帰りたくないというので家政館のエレベーターに乗り4階まで上がりそこから講義館までさらに歩き、講義館のエレベーターで一階まで降りて園に戻ってきました。結局散歩の目的であった鳥を見つけることはできすに戻ってくることになりましたが、気分転換ができて機嫌も戻り、すんなり眠ってくれたとのこと。今度はM君だけでなくみんなで講義館にお散歩に出かけて来ることを担任の先生たちに伝えましたが、そんなこともできそうなのが附属施設の強みでしょう。そうそう、昨日に引き続き教頭の先生と幼稚園の荷物整理に出かけ暗くなってきたので園に戻る時、皮肉なことにM君が見たかった驚くほどの数の鳥(カラス)が電線に等間隔に止まっていたかと思ったら一斉に飛び立ち空が黒くなりました。あんなに鳥を見たいと言っていたM君でもあの数の鳥を見たらまた泣き出してしまったかもしれません。

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