園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2023.10.30 大切さと難しさ

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「園長先生行くよ〜!」職員室にいた僕に玄関先から5歳児ひかり組の子どもたちに声をかけられました。今日は先日看板を取り付けた旧幼稚園まで手作りの道具を持って柿を取りに出かけました。美味しい果物やお菓子が身近にある近年、時間をかけて柿を取り、さらに皮を剥いて干し柿を作ったり、渋を抜いて食べることも無くなってきたことでしょう。そで以前に庭に柿の木が植えられているなんてこともなくなり、柿を取る習慣も途絶えつつあるような気がします。そんな子どもたち先生たちに自分が経験したことがある梯子や高枝切り鋏を使うことなく収穫する原始的な術(すべ)を事前にT先生に伝授しておきました。前述のように子どもたちに急き立てられながら一緒に幼稚園に向かいました。看板の効果があったのでしょう、いくつかの実は熟して落ちたか動物たちに食べられていた形跡がありましたが、幸いなことにほとんどが残っていて、念願の柿取り体験をすることができました。事前にレクチャーしていた成果が実り子どもたちにも取り方をしっかり伝えながら柿の実をる取るT先生の上手なこと!そして、初めての体験に喜ぶ子どもたち。そこだけ(その時間だけ)昭和に戻ったかのようでした。幼稚園の柿の木だけで全員が経験することも可能でしたが、これから寒くなるにつれ食べ物が少なくなるため、人間が独り占めすることなく、生き物(鳥たち)たちのために必ずいくつか残すようにと小さい頃に教えてもらっていたことも伝え(理解してもらい)取ることができなかった子どもたちはこども園の目の前にある、現在使用されていないシャロン寮の庭にある柿の木の柿を取り合計39個収穫することができました。このような経験を他のクラスの子どもたち先生たちに伝えることが文化や伝統を伝えるためにも大切です。しかし、経験なくして伝えることはできません。幸いなことに学院内(こども園)には様々な環境が存在します。それをどう生かすか、それが一人ひとりに求められているのでしょう。

さて、柿取りを終え園に戻ってくる際、素敵なものを作るために、夏、たくさんのトチの実を拾った正門付近のトチの並木でトチの葉の茎を拾い集めてもらいました。しかし、子どもたちも先生たちも単なる枝が何になるか想像もできないのでしょう。「何を作るの?」「何するの?」「・・・?」そんな質問と表情ばかりが返ってきました。これまでの経験上、とても喜んでもらえるものを作ることができるのですが、果たして、僕が思っているような反応・結果となるでしょうか・・・。それは僕次第でしょうが・・・。

一方、園に戻り北園庭に行ってみると、在園児に混ざって子育て支援室の赤ちゃんDayにお見えになった保護者と子どもたちが楽しそうに遊んでいましたが、そんな中、4歳児そら組のM先生と子どもたちがキャベツ畑にしゃがみ込み、キャベツを穴だらけにしている青虫を捕まえるのに一生懸命になっています。農家の方ならばすぐに潰してしまうのでしょうが、子どもたちは「可哀想だから」か「可愛い」と言って飼育ケースやふるいに大切そうに入れていました。この様子であれば、結球することも子どもたちの口に入ることもなく青虫たちに食べ尽くされてしまうことでしょう。

そうそう、土曜日のことです。北園庭から見える隣接する水の森公園北西部に当たる森の下草刈りや倒木の伐採作業が行われていて機械音が響いてきました。土曜日登園の子どもたちと園庭開放で来園した子どもたちの中にその音と作業する方々に興味を示しフェンスから離れようとしない姿が見られました。来週土曜日にも作業が続くようですが、経験上、足場が悪い中での作業はとても大変で難儀します。来週以降、園庭からの眺めが間違いなく変わるかと思いますが、作業をしてくださる皆さんの大変さに感謝し、素敵な環境を楽しみたいと思います。

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