園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2023.09.05 貴重な体験

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全国各地で松の木の内部に1㎜ほどの小さな線虫(マツノザイセンチュウ)が侵入して松の木を枯らしてしまう伝染病「松くい虫」による被害が出ています。御多分に洩れず宮城学院の敷地内でも同様の被害の様子が見られ、こども園でも北園庭の斜面や南園庭を望む斜面の枯れた松を8月に伐採してもらいましたが、今日は森の中で立ち枯れしてしまっていた松の木の伐採作業が行われることになりました。何を隠そう、僕は昨日から子どもたちにも先生たちにも普段中々見ることが出来ない大木の伐採作業を何としても見てほしいという思いがあり、昨日から楽しみで仕方がなく遠足の前日の子どものように(子ども以上に!?)雨が強くならないことを願いいつも以上に喜んで出勤しました。そして朝の受け入れを終えた頃、作業に当たってくださる方々が素敵な作業服に身を包み、チェーンソーを始めとする様々な道具を持って来園し、作業の現場確認・下準備が始まり、しばらくすると下草を刈る刈り払い機のエンジン音が響いたと思ったら、笹藪の中の切り株の根元にスズメバチの巣があったようで駆除作業が行われ、その後、以前伐られ置いてあった丸太がどかされ、伐採に邪魔になる木が伐られ、いよいよメインの木の伐採作業となりました。その間、複数のクラスの子どもたちが様子を見にきてくれましたが、けたたましいエンジン音、燃料の匂い、ハシゴを使うことなく信じられない所まで登っていくプロの技にびっくり仰天!また、綺麗な赤い実が付いた枝を子どもたちのところへ運んでくると夢中になって実を摘んで大喜び。しかし、給食の時間もあり。松の木が倒れる時に立ち会うことが出来たのは、どんぐりくらぶに来てくれていた子どもたちと保護者の方々だけとなりました。ものすごい音をたてて倒れた(倒された)松の木、「樹齢100位じゃないかな?」とのことでしたが、一世紀も森の中に立っていた木がたった1㎜ほどの虫たちによって枯れてしまうことを考えると複雑な感情が湧くとともに、これ以上枯れることがないように、マツノザイセンチュウを運ぶことになるカミキリムシにも気をつけなければならないと思いました。そうそう、松を伐るために伐られたコナラの切り株にアリが集まっていましたがきっと甘い樹液があるのでしょう。そんなことからも生き物の世界の多様性、不思議を感じることができた素敵な1日になりました。伐られた松の木、カミキリムシの駆除のため硫黄臭い薬品が掛けられビニールが被せられました。2週間程度は子どもたちが穴を開けたり、登ったりしないように気をつけなければならないのですが、それが一番難しいことかもしれません。

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