2023.04.12 虫や鳥の目と人の目
先週、ギターを背負い野外炊飯場の近くを通ったときのことです。どこからともなくいい香りが漂ってくると思ったら春に香りを振りまくジンチョウゲ(沈丁花)が咲いていることに気づきました。梅雨の時期頃に咲くクチナシ、秋に咲くキンモクセイなどもそうですが、小さな花が広い範囲(園庭)に香りを振りまくことに驚きます。その花の香りは人間を喜ばすためにあるわけではなく、昆虫等に種や実ができるのを手伝ってもらうため、昆虫等に寄ってきて欲しいから香るのです。しかし、子どもたちも花の香りに敏感に反応し、時に虫たちのように受粉の手伝いをしているように思うことが多々あります。同様に、森の中で見つけてきた木の実も小動物の代わりに子どもたちが運んでいることもあるでしょう。皆さんご存知かと思いますが、花が鳥や虫たちを誘き寄せるための戦略の一つが花に色を付けることです。虫たちの目には、人間にはない紫外線センサーがついていて、人間には見えない光が見えるのですから自然の不思議さは数知れません。青山学院大学教授、福岡伸一先生著「動的平衡2」には蝶の幼虫たちはどんなにお腹が空いていても、自分の食性以外の葉には見向きもしない。違う葉っぱを置いても餓死してしまうこと、それは、限りある資源をめぐって異なる種同士が無駄な争いを避けるために、生態系が長い時間かけて作り出したバランスであると書かれています。そう考えると、こども園の森にそび立つ木々や草花はこの地で何年間も地域の変化を見守りながら、虫や鳥たちに休憩する場を与え命を繋いできてくれていたことを思い知らされます。昨日ひかり組の子どもたちが収穫したタケノコが厨房で調理され提供されましたが、ほんのりと残る苦味と独特な食感、全てが春を感じさせてくれましたが、そんな経験が今後も続くことを願わずにはいられません。
Contents
- 2025.07.11 ホクホク
- 2025.07.10 HOTがホッとに!?
- 2025.07.09 微笑ましい
- 2025.07.08 涼を求めて
- 2025.07.07 興味津々
- 2025.07.04 注目の的
- 2025.07.03 夏ノ暑サニモマケヌ・・・
- 2025.07.02 着々と!?
- 2025.07.01 気の毒だけど
- 2025.06.30 今日の一コマ