園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2023.09.20 祈り

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あんなにうるさいくらいに鳴いていたセミたちは素敵なパートナーを見つけ数年後同じように鳴く子孫を残してその生涯を終えたのでしょう。その座を引き継いだ秋の虫たちが夕方になるとセミたちに負けないくらいのボリュームで大合唱を始めます。そんな賑やかな虫たちとは対照的で鳴くことはないけれど、この季節の虫の代表の一つと言えばトンボでしょう。聞くところによると、これから秋が深まると驚くほどの数のトンボたちが遊覧するかのように北園庭や園舎上空などを飛び回るというのです。その先発隊なのでしょうか、最近、玄関前のロータリーの桜の枝や畑の野菜を支える支柱などあちこちの枝や棒のてっぺんでトンボたちが羽根を休ませています。そんな中に背中の赤いトンボが畑の支柱に止まっているのに気づきレンズに収めていたのですが、その支柱にトンボを捕まえようとしてるカマキリがいることに気づきました。トンボにその存在が気づかれないように微動だにすることなくじっとしている姿は祈りを献げいるかのよう。多くの方がご存知かと思いますが、カマキリが獲物をねらうとき、胸の前でカマをそろえてじっとしている姿が“祈り”を連想させたことから、日本ではカマキリを「おがみ虫」と呼ぶ地方があり、また、英名のカマキリはPraying mantisと呼ばれるほどです。そんなカマキリの存在に気づいてしまい食されないようにしているのか、はたまた全く気づいていないのか、お互い根比べをしているかのようにじっとして動かないカマキリとトンボ・・・。そんな生き物の様子をじっと見ている園長。虫たちからは妙な人間も自分たちをじっと見ていると思っていたのかもしれませんが、どちらを応援すべきか、どうなるのか想像しながらず〜っと見ていても飽きることがない風景・時間でした。また、先日子どもたちが植えたキャベツの上をモンシロチョウたちが乱舞していましたが、彼らも卵を産むために最高の場所を探し、キャベツ畑へやって来たはずです。だとすると卵が孵る前に何とか対策を講じないと青虫に食べられてしまうこともあり得ます。一見虫たちの活動が感じられなくなった時こそ気が抜けないのかもしれません。そして、ロータリーの近くに植えてある木にこれまで見られなかったおがくずのような不思議な物が付いているので、何らかの虫が木に穴を穴を開けたのではと思い、おがくずらしきものを触ってみたところ、簡単に崩れたと思ったら、アリが作ったトンネルでした。いつどのように作ったのか知る由もありませんが、その器用さと、これから涼しくなる前に暖を取ることができるような環境づくりを始めていたとすれば驚きでしかありません。果たしてその真相はいかに・・・。

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