園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2024.03.21 オランウータン

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宮城学院が桜ヶ丘の地に移転する前から根を張り何十年も成長し続け、宮城学院の変貌を見てきた可能性がある北園庭の斜面に立っていた数本の松の木。春、その中の一本が松食い虫によって枯れてしまい伐採されてしまい二本だけが残っていたのですが、そのうちの一本も夏には緑色だった葉が日に日に茶色に変わり始め、素人目にも枯れてしまったことがわかっていました。その松の木と数ヶ月前の強風で倒れてしまったモミの木を今日・明日二日間かけて伐採してもらうことになりました。しかし、園庭を取り囲むフェンスにも隣接する森との間にある有志鉄線が張られているフェンスも被害にあってはいけません。広い土地であればある程度の枝を切り落とし、根本から切り倒せばいいのでしょうが、そうはいかないため、建物の3階程度はあろう木に命綱一本で登り、チェーンソーとロープ等を使って少しずつ枝を切り落とす作業となりました。普段、なかなか間近で見ることができない作業ですので、怪我につながることがない範囲で作業を見ることを許してもらい、子どもたちが先生たちと一緒に作業を見守りました。子どもたちが園庭にやってくる前に下準備を終えた木に登っていく様子を見ていた子どもたちから「すご〜い」とか「お猿さん見た〜い」といった声が聞こえてくるだけでなく、作業をしてくださる方の中に外国人の方いることに気づいた子どもたちが「英語の人だ!」と興味を示し、フェンス越しに話し掛け会話を楽しんでいるのです。通じなかったらとか間違ったらとか恥ずかしいとか考えてしまいがちな大人と違い怖いもの知らずな子どもたちがとても自然で羨ましく思えました。

さて、皆さんご存知かと思いますが、“オランウータン”とはマレー語で“森の人”という意味です。森のこども園ほどではありませんが、幼稚園教諭3年目から長く勤務した幼稚園には当時、“オランウータンの森”という森があり、子どもたちがそこで丸太渡りをしたり、木登りをしたり、木の実を拾ったり、竹の子を収穫するなどして遊んでいましたが、その姿はまさに“オランウータン”でした。木に登って枝を切り落としてくださっていた職人さんもお猿さん(オランウータン)であり「お猿さんみたい」といっていた子どもたちも日々森で遊んでいるのですから“オランウータン”であると思ってニヤニヤしてしまいました。さて、明日どんな作業が続き子どもたちがどんな反応を見せてくれるか楽しみです。枝がなくなっただけでも雰囲気が変わるのですから根本からなくなれば更に景観が変わるのは言うまでもないのですが、一本だけ残った松も樹勢が良くないのが気になるところです。

  

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