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 > 第1章 - 5. 学事暦の中止・延期

 1 - 5 . 学事暦の中止・延期

 (1) 大学

- ア . 学位記授与式 -
学長協議会(3月14日(月)10時開催)において、学位記授与式(3月19日)を予定通り実施し、証明書他を渡す方針を決定した。しかし、第1回全学院緊急対策本部会議(3月15日(火)開催)の決定(3月中は学生生徒の登校を可能な限り避ける)を受け、学位記授与式を含む3月の行事をすべて中止にすることを決定した。学位記等を原則として郵送することを大学ホームページに記載し、震災で自宅が被害に遭っている事も想定されたため、大学宛に送付先をメールで返信するよう指示し、送付先の確認された卒業生から発送を始めた。3月29日現在で卒業生766名中604名の発送完了、その後は各学科と連携をとりながら発送作業を進めたが全学生への発送が完了したのは7月下旬だった。

- イ . 入学式 -
学長協議会(3月18日(金)10時開催)において、新学期の開始日及びガイダンス期間のスケジュール等について決定した。会議には新学長も陪席した。

- ウ . 学事暦の変式 -
学事日程の変更については、教務部長が素案を作成し学長協議会で審議の上決定した。入学式は中止とし、代わりに4月6日に大学ホームページ上で学長が入学許可宣言を出すこととした。新学期は校舎の復旧状況に鑑み5月の連休明けから開始することとし、5月6日に新入生ガイダンス、5月7日に在学生ガイダンスをガイダンス内容を縮小して行うこととした。前期授業回数は、文部科学省高等教育局大学振興課発「東北地方太平洋沖地震の発生に伴う平成23年度学事日程などの取り扱いについて」(平成23年3月25日事務連絡)において、授業期間については「10週又は15週の期間について弾力的に取り扱って差し支えない」と示されたことから、原則13回(管理栄養士、保育士関係科目を除く)とした。
前期授業終了日は例年より10日ほど遅くなったが、夏季休業期間を短縮し後期学事日程は極力変更しないこととした。3月30日、4月5日の教務部委員会の審議を経て、4月6日に教授会で承認された。学生に対しては、4月18日に大学ホームページにガイダンス日程を掲載し周知した。また、4月25日には授業内容一覧(シラバス)及び時間割表を掲載し、授業開始前に履修計画を立てられるように配慮した。

- エ . その他(教務事項) -
(a) 証明書発行
証明書発行については、大学ホームページで周知し対応した。
4月8日から証明書自動発行機を稼動させ、新入学生・在学生ともに在学証明書等の即日発行を可能とした。また、通学できない学生に考慮し、電話・メールでの申し込みにも対応した。

(b) 非常勤講師対応
3月18日に非常勤講師懇談会を予定していたが、各種行事の中止に伴い懇談会も中止となり、3月15日に出席予定者にメールで連絡した。また、3月23日には2011年度前期授業開始日、授業回数の変更の連絡を兼ねた安否確認のメールを一斉送信した。4月5日現在で22名と連絡が取れなかったが、その後電話連絡などで全員の安否を確認した。開講通知関係書類は4月21日に郵送した。

(c) 教務部委員会
3月30日の教務部委員会において、2010年度進級注意・不可者判定、2011年度科目等履修生・聴講生判定、震災に伴う2011年度MG高大連携プログラム実施要項(修正案)、2011年度単位互換、非常勤講師安否確認状況、情報教室・視聴覚教室などの被害状況について確認した。

(d) 2010年度末学籍処理
3月18日に予定していた進級注意・不可者判定の教務部委員会が中止となり、3月30日に開催、4月6日の教授会に進級注意者・不可者を報告した。それ以外の学籍処理は通常通り行った。

(e) 2011年度学生便覧、授業内容一覧(シラバス)の納品
震災により工場の被災、紙やインク等の確保が困難になるなど、印刷物の納品が大幅に遅れることが予想された。そのため、業者と打ち合わせを繰り返し努力をしてもらった結果4月下旬に無事納品され、ガイダンスには支障をきたさなかった。

本学においては、地震発生の翌週に予定していた学位記授与式をはじめ、入学式や新年殿オリエンテーションなどを中止し、また新年度の授業開始時期も約1ヶ月遅らせる措置を採った。
学位記授与式の中止により、卒業した学生への学位記の配布方法については、学位記の送付先住所を連絡してきた学生に対し、指定先住所に送付することとした。また、学位記授与式を中止したことから、創立記念日(9月18日)にあわせて学部卒業生及び大学院修了生が集い旧交を温める機会を設けた。

学事暦については、授業開始時期を遅らせたことに伴い、前期は授業回数を通常の15回から13回に減ずることとしたものの、後期に関しては、学事暦の変更に伴う時間割の変更や調整などの影響を最小限にとどめるため、当初の予定通りに実施することとした。

 (2) 中学校・高等学校

- ア . 卒業証書授与式 -
高等学校の卒業式は、3月1日(火)に挙行済みとなっていたが、中学校の卒業式については、震災1週間後の3月18日(金)9時30分に実施予定であり、校舎施設の安全が確認されなかったため、中止せざるを得なかった。その後、校舎施設の安全確認がなされなかったため、規模は縮小した形態となった

が、外部進学者(他高等学校に進学)に対し、4月2日(土)10時00分より卒業証書授与式を挙行した。また、内部進学者(宮城学院高等学校に進学)に対しては、4月26日(火)の高等学校オリエンテーション終了後に卒業証書授与式を挙行した。

- イ . 入学式 -
2011年度の行事については、校舎施設の復旧工事などの影響を受け、以下のように4月、5月は20日程度延期せざるを得ないこととなったが、6月第2週以降は、震災前の行事予定とほぼ同様に運営することができた。

行事名 変更後 変更前
始業式 4月27日(水) 4月8日(金)
入学式 4月28日(木) 4月9日(土)
授業開始 5月6日(金) 4月11日(月)

 (3) 大学附属認定こども園

- ア . 修了式・終業式 -
2010年度、5歳児修了式は、3月16日の予定であったが、学院構内立ち入り禁止であったため延期し、3月29日午前10時から執り行った。3,4歳児の終業式が3月18日の予定であったが、3月30日午前10時から執り行った。

- イ . 入園式・始業式 -
2011年度の始まりも延期し、当初4月28日(木)始業式、5月6日(金)入園式の予定としたが、構内の安全が確認されたので、4月25日(月)始業式、27日(水)入園式とし、案内を郵送した。
しかし、他園では通常通り開始している状況であったため、幼稚園の被害が少なかったことから建物等の安全性が確認されたとして、4月15日(金)に始業式、4月16日(土)に入園式を執り行った。