
私たちを取り巻く危機は,地震や火災などの災害だけではありません。携帯電話やインターネットによるトラブルなど,めまぐるしいスピードで変化する社会環境から身を守るには,適切な知識と冷静な対応が求められます。身近に発生する可能性が高い危機について,それぞれ「被害にあわないために」「もし被害にあったら」「通報・相談・連絡先」をまとめています。
1. 防犯
(1) 盗難,空き巣,ひったくり
<自分の所持品管理はしっかりと!>
混雑したバスや電車のなかで,口の開いたバッグから財布が見えていたり,背中のリュックのファスナーが開いていたりしませんか?バッグの中には,現金だけでなく学生証,身分証明書や運転免許証などの個人情報,さまざまなカード類や家のカギなどの貴重品がたくさん入っているはずです。 自分の所持品には,絶えず万全の注意を払いましょう。
<スリ・置き引き被害にあわないために>
●スリ被害の多くは,混雑したバス・電車の中や乗降時,街角やデパートなどの雑踏で発生しています。
- バッグなどはファスナーやボタンを確実にかけ,財布や貴重品が外から見えないようにしましょう。
- 混雑した場所や座席で寝てしまいそうなときは,バッグなどを身体の前に抱えるように持ちましょう。
- 現金や貴重品は,公衆の場でむやみに見せないようにしましょう。
- 不審な人たちに取り囲まれたと思ったら,すぐその場を離れましょう。
●置き引き被害の多くは,駅・空港の構内,電車の中やレストラン,映画館などの公共の場で発生しています。キャンパス内もさまざまな人が出入りする公共の場です。食堂や図書館などで座席にカバンを置いたまま席を離れ,そのスキに貴重品がなくなったという被害もあります。
- 荷物を置いたまま席を離れないようにしましょう。
- 秋冬は,ジャケットやコートも置き引きにねらわれます。
- 旅行などで荷物が多いときは,できるだけ荷物をまとめて,目を離さないようにしましょう。
- 網棚に荷物を置くときは,こまめに確認しましょう。
- キャンパス内でも貴重品は常に身につけ,その他の所有物はロッカーに入れておきましょう。
●もし被害にあったら・・・
- 最寄りの警察署か交番に被害を届け出てください。
- キャッシュカードやクレジットカードが被害にあったら,すぐに金融機関,カード会社に連絡し,
カード利用の停止・引き出しを止めてもらいましょう。 - いざというときのために,カード会社などの盗難・紛失受付電話番号を携帯電話に登録するか控えておきましょう。
- 万一キャンパス内で被害にあった場合は,担任の教師または学生課へ届け出てください。
ロッカーのカギを紛失した場合も,すぐに学生課へ届け出てください。
ここへ → 学生課:講義館C204 TEL 022-277-6271
<自転車・バイクの盗難にあわないために>
通学や買物などに使用する自転車・オートバイは便利で身近な乗り物ですが,一方で盗難被害も多くなっています。
●自転車の防犯対策
- 自転車を離れるときは,わずかな時間であっても必ずカギをかけましょう。
- カギは,シリンダー錠などの防犯性の高いカギとのツーロック。
- 路上に放置せず,駐輪場にとめましょう。
- 自転車の防犯登録は,「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」で義務づけられています。
まだ防犯登録をしていない人は,自転車販売店などで防犯登録をしてください。
●オートバイの防犯対策
- バイクを離れるときは,わずかな時間であっても必ずハンドルロックをして,キーを抜いてください。
そして,収納ボックスやヘルメットホルダーにキーをつけっ放しにしていないか,必ず確認してください。 - 路上に放置せず,駐輪場にとめましょう。
- 長時間駐輪するときは,カバーをかけるとともに,タイヤ部分などにU字ロック,ワイヤーロック,ディスクロックなどの補助ロックをしてください。
- 万一盗難にあったとしても,早期に発見し,いち早く持ち主に返すことができるグッドライダー防犯登録をしておきましょう。
●もし被害にあったら・・・
- 面倒がらずに最寄りの警察署か交番に被害を届け出てください。
- 盗まれた自転車やオートバイを見つけたら必ず警察に連絡し,盗難手配を解除しましょう。
- 万一,キャンパス内で被害にあった場合は,担任の教師または学生課へ届け出てください。
<空き巣・忍び込みなどの被害にあわないために>
●ひとり暮らしで気をつけること
下着を盗られた,部屋をのぞかれた…ひとり暮らしの女子学生に多い被害です。
自室をしっかり防衛することは,ひとり暮らしのための基本の「き」です。しっかりと自己防衛スキルを身につけましょう。
●家を出かける前に
- ベランダなどに洗濯物を干すときは,下着だけは家の中に干しましょう。
- 外から下着を干しているのが丸見えだと,下着を盗まれたり,女性のひとり暮らしを知られる危険があります。
●家から出かけるとき
- 戸締りは,玄関だけでなくベランダ,窓などすべてに必ずカギをかけましょう。わずかな時間の外出でも同じです。
- カギを玄関周りに隠しておくのはやめましょう(郵便ポストや植木鉢などは,泥棒が真っ先にカギを探す場所です)。
- できれば玄関ドアに補助キーかチェーンキーを,窓にも補助キーを取り付けましょう。
- 長期間留守にするときは,新聞や郵便物などの配達を止めてもらいましょう。
●家に帰ってから
- メールボックスにはカギをかけ,郵便物などは残さないよう毎日確認しましょう。
- 郵便物などをためていると,大切な書類が盗まれていても気づかず,個人情報が他人に漏れる危険があります。
- 帰宅した際は,周囲に不審者がいないか確認してからドアを開けましょう。
- 玄関のチャイムが鳴りました。すぐにドアは開けず,まずはドアチェーンをしたまま開け,相手と用件を確認しましょう。
- 寝る前の戸締りは,すべてに必ずカギをかけましょう(入浴中も)。2階以上であっても,夏であっても窓の施錠と厚めのカーテンを。
●もし被害にあったら・・・
- 万一,被害にあったら,大声で助けを呼びましょう。
- 部屋の中の片づけをしないで,すぐに110番に通報しましょう。
- キャッシュカードやクレジットカードが被害にあったら,すぐに金融機関,カード会社に連絡し,カード利用の停止・引き出しを止めてもらいましょう。
- 警察が帰ったあと,早めにガラスなど壊された部分を修理,交換しましょう。そのままにしておくと,再び被害にあってしまいます。
- 被害にあった場合は,担任の教師または学生課へ届け出てください。
<ひったくり被害にあわないために>
あなたのバッグ狙われています!
ひったくり被害者の大半を占めるのは女性です。理由は簡単。男性の多くが財布を身につけているのに対して,女性のほとんどが財布をバッグなどに入れているから狙われやすいのです。特に夜道のひとり歩きの際は気をつけましょう。
●徒歩のとき
- 人通りの少ない道を避け,手提げバッグなら車道と反対側に持ちましょう。
- ショルダーバッグは,たすき掛けにして歩きましょう。
●自転車のとき
- 自転車の前カゴには「前カゴカバー」を取り付けましょう。おしゃれに自分でも作れますよ。
- カバーがない前カゴにバッグを入れるときは,バッグの上に雑誌などを置きましょう。
●原付のとき
- バッグはメットインに収納しましょう。
- 前カゴにバッグを入れるなら,ひったくり防止カバー付きのものを。
●もし被害にあったら
- 万一,被害にあったら,大声で助けを呼びましょう。
- 自分の携帯電話か周りの人に頼むなどして,すぐに110番に通報しましょう。
- キャッシュカードやクレジットカードが被害にあったら,すぐに金融機関,カード会社に連絡し,カード利用の停止・引き出しを止めてもらいましょう。
- 被害にあった場合は,担任の教師または学生課へ届け出てください。
(2)痴漢, 盗撮, 不審者
痴漢(チカン)・不審者に注意!
宮城学院周辺でも,痴漢(チカン),下半身露出,車から声をかけられた,追いかけられた,などの報告があります。桜丘小学校・中学校前付近でも同様の被害の情報が多く寄せられています。特に,痴漢や盗撮は,電車やバスの中,駅やコンビニなどで多数発生しています。
宮城学院正門前の地下道には,非常ベルとモニターが設置されています。
非常ベルを押すと,警備室につながります。
<痴漢・盗撮被害にあわないために>
●歩く場所は
- 夜間,ひとりで歩くときは,できるだけ明るい人通りの多い道を選びましょう。
●歩くときは
- イヤホンで音楽を聴きながら,あるいは携帯電話の通話やメールに夢中になって歩くのは危険です。
- いざというときに限って,なかなか声が出ません。防犯ブザーは,いつも使えるように持ち歩きましょう。
●電車やバスの中で
- 混雑するドア付近には,なるべく立たないようにしましょう。最も安全なのは,座席の前に立つことです。
- 混雑した電車などの中では,できるだけ友達と一緒か,女性のそばに立つようにしましょう。
- 犯人からターゲットにされないように,いつも同じ時間,同じ場所に乗車しないようにしましょう。
●盗撮スポット
- スカートをはいて階段やエスカレーターを上がるときは,背後に気をつけましょう。
- 買い物中に被害にあうケースが増えています。不自然に近寄ってくる人には要注意です。
- 不自然な場所にあるレンズ,フラッシュの光,シャッター音に注意を払いましょう。
もし被害にあったら
- 勇気を出して「やめて!」と言いましょう。
- 痴漢かどうか確信がもてないときは,いったん降りたり,別な場所や車両に移動してみましょう。
- 痴漢や盗撮の犯人を特定できたなら,周囲の人の協力を得て,泣き寝入りせずに駅員や警察に知らせましょう。
- 被害にあった場合は,担任の教師または学生課へ届け出てください。
<不審者に気をつけて>
こどもが犯罪被害にあわないために
外で遊んでいるときに知らない大人の人から声をかけられたり,つきまとわれたりなどの不審者情報が寄せられています。それだけでは,犯罪にならないものがほとんどですが,誘拐や強制わいせつなどの事件に発展するおそれがあります。
ここでは,園児とその保護者を対象に対応策をまとめています。
― こどもに教えること ― 次の5つの約束を繰り返し教えてください。
1 しらない人にはついていかない
2 しらない人の車にはのらない
3 あぶないと思ったらおおごえを出す
4 その場からすぐ逃げる
5 おとなの人にすぐしらせる
― 保護者ができること ―
1 こどもが一人で外出するときは,「行き先」と「帰宅時間」を確認しましょう。
2 こどもと一緒に外出するときは,こどもから目を離さないようにしましょう。
3 こどもに近づく不審な人がいたら,一声かけて確認してみましょう。
4 こどもと一緒に,遊ぶ場所や友だちの家など行動範囲を確認しておきましょう。
5 こどもと一緒に,「子ども110番の家」や交番など,子どもが逃げ込める場所を確認しておきましょう。
(3) ストーカー
<ストーカー行為とは>
ストーカー行為とは,好意の感情や好意が満たされなかったことによる怨恨の感情から,特定の者やその密接関係者に対して
1 つきまとい,待ち伏せ,押しかけ
2 監視していると告げる行為
3 面会・交際の要求
4 乱暴な言動
5 無言電話,連続した電話・FAX・メール
6 汚物等の送付
7 名誉を傷つける
8 性的しゅう恥心の侵害
の「つきまとい行為」を繰り返し行うことをいいます。
「ストーカーかもしれない!」と思ったら
被害をできるだけ小さくし,長引かせないためには,とにかく最初が肝心。勇気を出して,初期の段階できっぱりとした態度をとりましょう。
そして,次のような自己防衛策をとってみてください。
- 電話に出ない
- 二人きりで会わない
- プレゼントは受け取らない
- 身の危険を感じるときはひとりで出歩かない
- 親から相手の親にそれとなく注意してもらう
- 相手に付け込むスキを見せないために,とにかく無視する
■もし被害にあったら
● 自分だけで解決しようとしない
- まず,家族,友人や知人などに,どのような被害を受けているのかを知らせておきましょう。 助けや協力を頼めるだけでなく,警察に届け出るようになったときの大切な証人になってもらえます。
- また,自分で解決できるかもしれないと思っても,相手に直接掛け合ったりしてはいけません。 ますます相手の行動がエスカレートしてしまいます。
● 証拠を集めておきましょう
- 送り付けられたプレゼントや手紙,プリントアウトしたメールの受信履歴,留守番電話など,いずれあなたを守る強い味方になるかもしれません。
- また,物として残されていなくても,ストーカーによる被害の日時や様子を日記やメモなどとして記録しておくのも効果的です。
●早めに相談しましょう
担任の教師または学生相談室や学生課,警察にも早めに相談してください。
ここへ → 学生課:講義館C204 TEL 022-277-6271
学生相談室:本館J108 TEL 022-277-6211
警察 →
全国共通相談電話:#9110 / 宮城県警察相談センター:022-266-9110 / 各警察署:警務課相談係



