トップ

> 危機対応ガイド

 > 第2章 - 風水害編


大雨や強風などの風水害は,最も発生するおそれの高い災害ですが,地震などと違い,前もってある程度予測することが可能です。地元気象台の発表する警報や注意報などの最新情報を把握して,適切な行動が取れるよう心がけましょう。

1. イメージをつかむ(雨・風)

イメージをつかむ・雨

イメージをつかむ・風

2 台風の大きさ・強さ

台風に関する情報では,台風の大きさと強さを組み合わせて表現します。ただし,強風域の半径が500㎞未満の場合には大きさを表現せず,最大風速が33 m/s未満の場合には強さを表現しません。例えば「強い台風」という表現があれば, 強風域の半径が500㎞未満で,中心付近の最大風速は33 ~43 m/s あって暴風域を伴っていることを表します。暴風域は,風速25m/s以上の風が吹いているか,吹く可能性がある範囲をいいます。

3 防災気象情報とは

気象庁では,災害による被害を最小限にとどめるため,災害が起こるおそれのあるときに「注意報」を,重大な災害が起こるおそれのあるときに「警報」を発表して,注意や警戒を呼びかけています。このほか,警報や注意報を補完する大雨や強風,雷などに関する「気象情報」や,「台風情報」「土砂災害警戒情報」「竜巻注意情報」などがあります。

4 警報・注意報の発表基準

警報や注意報は,雨量や風速などが基準に達すると予想した区域に対して発表されます。ここでは,発表の頻度が高い「大雨・洪水」「強風・暴風」「大雪」について仙台市東部の発表基準を記載しています。 詳しい発表基準は,気象庁のサイトを参照してください。




「特別警報」
気象庁では,2013年8月30日に「特別警報」の運用を開始しました。特別警報は,警報の発表基準をはるかに超える現象に対して発表し,大雨,暴風,高潮などを対象としていますが,共通していえることは,数十年に一度しかないような非常に危険な状況にあるということです。周囲の状況や市町村から発表される「高齢者等避難」「避難指示」「緊急安全確保」に従って,ただちに命を守るための行動をとってください。

5 避難情報に注意を!


大雨警報や洪水警報が発表されたときは,市町村が発令する「高齢者等避難」「避難指示」「緊急安全確保」の避難情報に注意してください。この避難情報は,市町村や消防の広報車,防災無線,テレビ・ラジオなどによって伝えられます。
また,仙台市では,「杜の都防災WEB」でPCから,「杜の都防災Mobile」で携帯から,災害情報を入手できます。
メールでPCや携帯に災害情報を受信したい人は,「杜の都防災メール」に登録(無料)してください。携帯電話各社でもエリアメールなど災害情報の提供サービスを行っています。

大雨・土砂災害の5段階警戒レベル(気象庁)

6 避難をする時の注意点

●早めの避難
・避難指示などが出たときは,市町村の指示に従って,速やかに避難しましょう。  
・指示が出ていなくても,危険を感じたり,避難路がいつも冠水する地域などでは,早めの避難を心がけましょう(自主避難)。  
・避難場所や避難方法は,普段から確認しておきましょう。

●みんなで避難
・隣近所に声をかけ,安否を確認しあい,みんなで避難しましょう。
・要援護者のいる地域では,みんなで協力して,要援護者を避難させましょう。
・冠水した道路は危険がいっぱいです。最低でも2人以上で安全を確認しあい,お互い助け合って避難しましょう。

●ゆっくり避難  
・避難の判断は早めに,避難中はゆっくりと安全を確認しながら歩きましょう。
・冠水していると,道路の状況がまったくわかりません。やむを得ず冠水しているところを歩くときは,杖などで側溝の位置やマンホールのふたが外れていないかなどを確認しながら,ゆっくり歩きましょう。

●無理のない避難  
・人が歩ける水深は,大人の男性で70㎝,女性で50㎝程度が目安です。水深がそれ以上あると思われる場合は,無理をせずに高いところで救助を待ちましょう。

●身軽な避難  
・荷物は貴重品など最小限にまとめ,リュックなど背負えるものに入れ,両手が使えるようにしましょう。  
・避難中に荷物が移動の邪魔になったときは,迷わず荷物を捨てましょう。
・長靴は,水が入ると動けなくなってしまいます。避難の際は,運動靴などの歩きやすい靴を履きましょう。

7 竜巻への備え

<竜巻の前兆>

●気象情報で確認  
・「大気が不安定」や「前線が接近」などの天気予報は要注意。  
・「竜巻注意情報」や「雷注意報」が出たら要警戒。近くに活発な積乱雲が発生していることを意味します。
  危険を避けるための行動を心がけてください。

●空模様で確認
「スーパーセル」  竜巻の原因となる巨大積乱雲
「かなとこ雲」   成長した積乱雲のうち,頂上部分が広がって平らになっているもの
「アーククラウド」 ガストフロント(突風前線)上に形成されるアーチ状の積雲
「乳房雲」     泡やコブのような形が並んだ雲で,巨大積乱雲の下部にしばしば見られる。
「雷, ひょう」   スーパーセルは,竜巻以外にも,ひょう,落雷,ダウンバースト(強い 下降気流)などの現象を伴う。
「急に暗くなる」  巨大積乱雲が日射をさえぎり,夜のように急に暗くなる。
「冷たい風」    急激に気温が下がり,冷たい風を感じる。
「土のにおい」   土,アスファルト,草や雨のにおいを感じることがある。
「耳鳴りがする」  竜巻の近くでは,耳鳴りがしたり,ゴーという音が聞こえる。    



<竜巻から身を守る>

●屋外にいるとき  
・近くの頑丈な建物に早めに避難し,窓から離れる。  
・竜巻が近づいて,周囲に建物がない場合は,近くの水路やくぼみに身を伏せ,両腕で頭と首を守る。  
・海や川に入ったり,電柱や樹木につかまる避難方法は危険
・橋や陸橋の下には行かない。    
・車庫・物置・プレハブを避難場所にしない。    
・飛来物に注意する。

●学校内にいるとき
・時間的余裕のない場合は,窓をしめ,カーテンを引いて,部屋の中心部に寄せた机の下に避難。
 その際,カバンなどで頭と首を守る。
・「竜巻注意情報」が発令されたら,屋外にいる全員を建物内に避難させる。
・建物の開口部を閉めて風の影響を受けにくくする。
・地下室や1階の風の吹き込まない中央部に避難する。

●自宅・アパートなどにいるとき
・窓を開けない,窓から離れる,カーテンを引く。
・雨戸,シャッターをしめる。
・建物の1階中心部に近い,窓のない部屋に移動する(トイレ,バスタブなど)。
・頑丈な机の下に入り,両腕で頭と首を守る。

〒981-8557 仙台市青葉区桜ケ丘9-1-1