2021.04.30 春は初夏に向かって進みます《5歳児礼拝》
裸の木々の枝が一斉に芽吹き、萌え出した若葉の装いは森を初夏へと導きます。
白い花を咲かせた木は一瞬の開花の時期を迎え、蜂はそれを見逃しません。
季節が目まぐるしく進んでいます。
小さな子ども達は、小さな足で、小さな築山を駆け上がります。自然の移ろいを気に留めることはありません。
ただ、毎年確実にやってくる季節の中で成長し、花や草木の違いに気付く時がやってくるでしょう。
子ども達は自然の美しさに囲まれ、それは日々同じ環境ではありません。季節ごとに装いを変える場所は、なんて素晴らしいのでしょう。フキノトウを躍起になって探していた子ども達は、大きくなって葉を広げだしたフキを見向きもしません。採られなくなったフキは一層葉を広げていきます。子ども達の興味はタケノコです。
昨日までの雨が森の若葉をグンと成長させて美しい景観を作っていました。明日は玉浦西の方達がやって来て、北園庭の芝生と畑の整備をしてくださいます。自然に囲まれた環境ですが、手を入れないでは幼子にとっては危ない環境になってしまいます。
元気な声が聞こえます。散歩の後に北園庭で遊んでいたそら組が、先生の掛け声で「よ~い、ドン」と走ってお部屋に戻って行きました。まだ砂場で遊び続けていた人達も先生に促されて戻って行きました。
10時半に園を出発して、ひかり組が礼拝堂に向かいました。
「ふんじゃうよ。」「かわいそうだね。」子ども達が足元を気にしていたのは、おびただしい桜の花びらです。中高校舎の斜面にある満開だった八重桜の花が一斉に散って花びらが階段に落ちていました。
八重桜は花びらの色が濃いので、吹き溜まりに重なって落ちていたのはある意味美しかったです。
ひかり組は本日は5歳児礼拝の日です。例年、小礼拝堂で行われていましたが、昨年もコロナ禍を受け、ソーシャルディスタンスを保つために、学院長先生のご配慮で礼拝堂で行うようになったのです。
ここから先は、「サイレント・プリーズ」中高のお姉さんたちが授業をしているので「シーッ!」先日イースター礼拝の時の約束を守っていたのですね。駆けるように階段を上ってきたので、ピアノ池前の階段でみんなが水分補給です。
礼拝堂に入りました。約束の時間より早く到着したので、イースター礼拝の時はできなかった礼拝堂の中を説明してもらいました。
「パイプ1つ1つから音が出るようになっているの。空気を入れて音が出るけど、トランペットのような音も出るの。」「じゃあ、しんばるのおとは?」「それはでないね。」
みんなの目線がずっと上の十字架に注がれた時に、大久保先生がお見えになり5歳児礼拝が始まりました。
本日のお話は、『善きサマリア人のたとえ話』です。「旅人が追いはぎに襲われて持っているものは奪われ大けがをしたのに、立派な人と言われた人達は次々見て見ぬふりをした。」先生の追いはぎの説明で、迫真の演技が光り、倒れそうになった先生を見るために立ち上がった子もいました。
大久保先生のお話は続きます。「ところが、当時蔑まれていたサマリア人が、大けがの旅人を助け傷に薬を塗り宿屋に泊めてもらうようにお金を置いて、足りなかったら帰りに立ち寄るからと言って去っていった。本当にいい人は誰だろうね。」とお話してくださいました。
礼拝の時間は終わりました。礼拝堂の周辺は美しい緑に囲まれ、子ども達は素晴らしい礼拝堂で聖書のお話を聞くことができます。自然は子ども達の心を癒し、イエス様の言葉は子ども達の心を導きます。
大久保先生ありがとうございました。